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100字小説バトル!!




第2回です。





 □ 作品公開


- ENTRY_1... -

「記憶」 蛮人S

 君が窓際で何気なく髪をかき上げた時、つい目を逸らしたのは不覚だった。その仕 草、その場所、ちょうど今頃の季節だった。君の知らない彼女。半年後にふられた が。「ああ、お茶でもいれましょうね」と母が云った。



- ENTRY_2... -

「ほのぼの」 豊

一番嫌いなのは
 人によって態度を変える
 金に汚いケチケチ
 人の話を聞かない
 自己中心的
 自慢が得意
 自分が一番カワイイ
 他人の心をよまない
 道路にゴミを捨てる
 けして並ばない
 自分をあだ名で呼ぶ
 当てはなる人はドキドキです



- ENTRY_3... -

「空まで届け、この声」  夏花

私の名前は夏花。
夏の花と書いて夏花。
お母さんが一番最初にくれた大事な宝物です。
「ありがとう・・・」
お母さん、私の声は天国まで届きましたか?
この名前は大切にします。
「お母さん、空はどんなところですか?」



- ENTRY_4... -

「黒い虫」 アナトー・シキソ

植木鉢をどけると黒い虫。
しきりに何か呟いている。
よく聴くと、もうだめだ、もうおしまいだと繰り返している。
馬鹿げた悲観論。
と、鳥が一羽舞い降り、彼をひと飲みにする。
やっぱりだ!
黒い虫は鳥の腹の中で叫ぶ。



- ENTRY_5... -

「黄色い封筒」  アナトー・シキソ

黄色い封筒を渡される。
封が開いていて、中身がない。
盗まれましたよ。
配達員が言う。
遠の昔にすっかりと。
配達員は同情する。
盗んだ者だけが、手紙の内容を知っています。
差出人はすでにこの世界にはいないのです。



- ENTRY_6... -

「電信柱を支える男」 アナトー・シキソ

電信柱を支える男。
雨が降っている。
緑の雨合羽が街灯に光る。
俺の仕事が馬鹿げていると思うか?
見ろ。この柱。
この柱が町の生命線。
そして俺はその柱を支える。
誰一人知りやしない。
誇りだよ。
俺だけのひそかな誇り。



- ENTRY_7... -

「墓場から来る人」 アナトー・シキソ

墓場から夜な夜な人がやって来る。
僕の話友達。
暗がりで僕らはいろいろ話し、笑う。
ときどきは真面目になる。
どちらかが泣きだすと、もう一方が励ます。
お互い、支え合っている。
朝が来る前にその人は墓場へと帰る。



- ENTRY_8... -

「僕の猫を埋めに行く」 アナトー・シキソ

僕の猫が死んだので埋めに行く。
靴の箱に入れて。
公園で怒られる。
だから、電車に乗って、階段上って、コーラを飲んだ。
知らない男の人が僕から箱を取り上げる。
その男の人は神様で、だから、僕の猫は天国へ行った。



- ENTRY_9... -

「カラスに遺言を頼まれる」 アナトー・シキソ

すっかり痛めつけられてもう飛べなくなったカラスに遺言を頼まれる。
子供達よ元気に育て。そして妻よ心から愛してる、と。
野犬がカラスにとどめを刺し、僕は遺言を伝えるために会社を辞めた。
放浪の旅のはじまりだ。



- ENTRY_10... -

「パセリを残して怒られた」 アナトー・シキソ

パセリを残して怒られた。
そんなことだからと嘆かれた。
残念だと頭を振られた。
どう考えてるんだと詰め寄られた。
困ったやつだと呆れられた。
無言で三杯ワインを飲み干された。
だから、パセリはウサギに食べさせた。



- ENTRY_11... -

「成功」 ユキコモモ

「退院おめでとう」
「ありがとう。四ヶ月は長かったけど、健康な体になれて嬉しいわ」
「そうだね。それよりそんな所にホクロあった?」
「ええ? あったわよ」
「その仕草も下品だし」
「さあね、肝臓がなれた証拠よ」



- ENTRY_12... -

「ひとりでたいくつ」 やす泰

は、ははは、へっひっ
ヘぶしょん
ぐずっ
お〜
う〜む
ずず〜、ほほっ
ふーっ

うむ
うっ
うっう〜ん
うっうっうっうっうっ・・・・・・
なっ、おっ、おっお、あっあっ、あん、あ
はぁ〜ん
ふ〜ん

ふあ〜〜
ああぁ〜〜あ

ああ?

プツン



- ENTRY_13... -

「ゼ☆チョー」 さかな☆

何だか今日は違う違う、と思いながら、気がついたらもう5回目だった。「のぼりつめた」といわゆる○ ○小説で言うアレ。ところが彼の方はなかなかクリアできなかったみたい。無理もない。今週もう2度目 だったから。



- ENTRY_14... -

「発見」 ユキコモモ

 部屋の畳をひっぱがしてみると床下にタンスがあった。全然気付かなかった。 どきどきして開けてみると、中には何も入ってない。紙きれが一枚だけ。

<秘密の収納としてお使い下さい>

 時々アレを隠したりしている。



- ENTRY_15... -

「男に対する素朴なギモン」 青野 岬

「初めての彼女とする時って、その彼女が処女だったら嬉しいもんなの?」
マサユキ曰く「いや?そんな事は無い!例えば野球で言うなら第○○号記念ホームラ ンを打った時のピッチャー……みたいじゃん」
ふうん、微妙なんだね。



- ENTRY_16... -

「男と女、気持ちいいのはどっち?」 青野 岬

マサユキ曰く「答えは耳の穴にある!自分の小指を耳の穴に入れてみな。気持ちいい のはどっちだと思う?」
なるほど!私は自分の耳の穴に、右手の小指をそっと差し入れてみた。
でも、なんか微妙に違うような気がした。



- ENTRY_17... -

「らぶみ〜ってんだぁ」 ユキコモモ

(ユーホニュームで会話)

「ぶふぉふぉ〜ふぉ〜ふぉ〜ふふふぉ〜ぶっふぉ〜」
『ぶぶぶヴぇふぉ〜〜ぅおぅお〜ふほ〜』
「ぶぶびふぉ〜、ぶびびふぉ〜〜!」
『ふぉふふぉふぁぼふぉぶ、ばっぼふおふぁ〜』

(熱い抱擁)



- ENTRY_18... -

「咳をしてもひとり」 キリハラ キリオ

コホン
嗚呼、咳をしても辺りには誰も居ない。
コホン コホン
や、彼方に人影が。
おおい。
お待ち下さい、何処に行くのです、逃げないで。
ゲホゲホ
待って。
大丈夫。
伝染らないから。たまにしか。

「咳をするからひとり」



- ENTRY_19... -

「変身」 キリハラ キリオ

気がかりな夢から目覚めると桐原霧夫はハゲていた。
これは一体どうしたことだ、と彼は思った。
だが一本だけ残っている。
そこへ娘が現れた。
「このハゲ」
林檎が投げつけられ、最後の一本が抜ける。
そして彼は死んだ。



- ENTRY_20... -

「キュウリ」 キリハラキリオ

おしっこしようとパンツを脱いだ。
なんとキュウリが生えてた。
恥ずかしくて妻にも言えない。
やけになって風俗に行き、
「味噌つけてくわえて」
と頼んだら、ほんとにボリボリ食べられた。
明日から、トイレどうしよう。



- ENTRY_21... -

「絶対捕まらない盗賊団」 朝市九楽

横浜市美鶴区にある美術館を狙って、六人の男女が盗賊団を結 成した。

村野正義
吉村愛
高橋真実
川口誠
秋本勝利
嘉藤勇気

「俺たちは、絶対に捕まるわけにはいかないぞ。」
リーダー正義の言葉に、みんな真剣な顔で頷いた。



- ENTRY_22... -

「改装前売り尽くしセール」 さかな☆

カタタタ、カタタタ。
レジ打ちの音と共に剥き出しになった豊かな上腕部の肉が揺れた。正午まで数分。焦りの見え出した長蛇 の列の客を前に、彼女の指は実に獅子奮迅の働きを見せた。

ねえ君。浜崎あゆみとかって好き?



- ENTRY_23... -

「イタリアンカフェ午後3時」 さかな☆

「ネイルサロンで。」
その答えを聞いた途端、彼女の指先のオレンジから蛇のように毒が忍び寄るのを感じ、つられて出かけた 台詞を押し止めるために、私は慌ててコーヒーを啜った。(ところでアンタいつ離婚すんの?)



- ENTRY_24... -

「骨をくだいて」 moku

雨にピアノが戸惑うといけないので
鍵盤を強くうちつける。
想いはいつだって、音速で彼女に突き進み
胸をブルブル震わせなくっちゃ。
そしてまた1本、指を折る。
次の朝、空は殊更晴れて
僕は彼女との約束を取りつける。



- ENTRY_25... -

「天使たち」 moku

彼女が無事に降り立つのを見届けて、
今だ!
飛び降りる。
風圧に、鼓膜がまた破れてしまう。
もしかして彼女も?
あらん限りの声で呼ぶ。
彼女を叫ぶ。
寸でのところで羽が開き、見事に着地する。
彼女はまだ笑ったまんま。



- ENTRY_26... -

「タブー」 moku

あやまって、雨に濡れてしまう。
くしゃみをすればたちまち奥歯を失い
むこう500日
彼女に恋をすることができなくなるのだ。
赤い傘で、彼女が僕の前を通り過ぎる。
前歯を欠いた罪深き横顔に
僕はくしゃみをぶっ放す。



- ENTRY_27... -

「かぎ屋のホント」 アナトー・シキソ

かぎ屋が鍵を開けてくれる。
電話一本一時間以内。
僕の部屋の鍵を開けてくれる。
昨日は隣町の部屋の鍵を開けた。
世界中のどんな鍵も開けてしまう。
それは無理。
かぎ屋は謙遜するけどホントは出来る。
輝く銀の道具箱。



- ENTRY_28... -

「たばこ5本で夜が明けて」 アナトー・シキソ

たばこ5本で夜が明けて
珈琲なんかもすっかり冷めて
やたらとライターばかりをいじくりまわす
ネコもいないし、音楽もない
分かったことと言えば、君の決意くらい
ひとりになるってこんなこと
ひとりでいるってこんなこと



- ENTRY_29... -

「僕の宝物」 アナトー・シキソ

僕の犬が道で人の手を拾った。
右手で、指輪付き。
コンビニの袋に入れて、交番前を素通り。
手を洗いなさい!
ママにも内緒の僕の宝物。
机の引き出しのずっと奥。
極楽鳥の羽と海の石の間。
きっとすごい魔法が生まれる。



- ENTRY_30... -

「人身事故」 蛮人S

 俺の前方不注意だって?
 お巡りさん、あいつら路地から急に出てきたんだ。あの、角のカーブミラーはしっ かり確認したし、その時ミラーには誰も映ってなかったんだ。ついてないよ、吸血鬼 一家をはねちゃうなんて。






 □ 結果発表

●チャンピオン決定

第2回100字バトルチャンピオンは――――
キリハラキリオさん作「キュウリ」
ユキコモモさん作「発見」
に決定です。
キリハラキリオさん・ユキコモモさんおめでとうございます!
作 品 名作 者 名
「キュウリ」キリハラキリオ
「発見」ユキコモモ
「らぶみ〜ってんだぁ」ユキコモモ
「電信柱を支える男」アナトー・シキソ
「黄色い封筒」アナトー・シキソ
「カラスに遺言を頼まれる」アナトー・シキソ
「タブー」moku


感想票



推薦:「キュウリ」 キリハラキリオ
感想:キュウリは、おいしい


推薦:「発見」 ユキコモモ
感想:単純なのがいいかも。


推薦:「らぶみ〜ってんだぁ」 ユキコモモ
感想:すげぇ!この人正常?


推薦:「黄色い封筒」  アナトー・シキソ
感想:ね、返してくんない?


推薦:「電信柱を支える男」 アナトー・シキソ
感想:カッコイイ男だ頼むよ


推薦:「タブー」 moku
感想:無意味で奇妙な光景。


推薦:「キュウリ」 キリハラキリオ
感想:バカバカしくて笑った


推薦:「電信柱を支える男」 アナトー・シキソ
感想:だから貴方を愛するの


推薦:「発見」 ユキコモモ
感想:アレって……ソレか?


推薦:「らぶみ〜ってんだぁ」 ユキコモモ
感想:熱い抱擁に加わりたい


推薦:「カラスに遺言を頼まれる」 アナトー・シキソ
感想:爽快、ロマン、感傷。


推薦:「キュウリ」 キリハラキリオ
感想:食べちゃってゴメンね


推薦:「黄色い封筒」  アナトー・シキソ
感想:この世界てどの世界?


推薦:「発見」 ユキコモモ
感想:お、俺のアレも隠して












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