第7回 1000字小説バトル

参加作品
1 忍者 小笠原寿夫1004
2
3 ゴリラのやり方 石川順一1044
4 多忙にて ごんぱち1000

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バトル結果発表
※投票受付は終了しました。
忍者
小笠原寿夫

なんか引っ掛からへんか? 「忍術」って何の為にあんねん。「忍法○○の術」とか役に立った試しないやろ。その上でや。今日はお前に忍術を伝授する。まずはこれや。忍法水遁の術。まずはこれからや。竹の筒持て。よしよし、それやそれやってこれお前セーラー服やないか! きょうびセーラー服に身に纏った高校生見たことないわ。ええな。ええな。俺はお前に忍法を伝授する。それがこれや。忍法隠れ蓑。さっきのセーラー服用意したらしばくからな。よっしゃよっしゃ、この白い布や。これで白い城壁と一体化ってここ2DKのアパート住宅やないか! 舞台で笑い取るってドリフターズ以来やで。ええ加減にしとけよボケ。何? ドリフターズは志村さんで持ってる? 誰でも知ってるわ、そんなもん。ええか? バカ殿様は白塗りの太い睫毛に殿様かつらや。せやせや。これで城下町中吃驚リアクションや。そうそう、忘れんなよ。コントっちゅうのはな繋ぎ目が大事やねん。例えば、せやな。スリラーって知ってるか? マイケル・ジャクソン君の。懐かしいやろが。あの映像は本物のダンサーをバックダンサーに使ったところが画期的やねん。それくらいは知ってるやろ。俺が何を言わんとしてるか知ってるか? 忍者っちゅうのは「私は忍んでます」っちゅう心こそが大事なんや。何? この時代に忍者はおらん? 何ぬかしとんねん。お前の目の前におるやろが、本物の忍者が! 忍者にしては前に出過ぎ? 言うやないか。きょうびの忍者はな、営業活動こそ第一に考えてんねや。その上でや。お前にとびっきりのやつ教えたるわ。聞いて驚くな? その名も「忍法言わしたろかいの術」。あんまりピンと来てへんようやな。まず口塞げ、で、頭のてっぺんから声出すようにして心の中で何か思え。お前、殺したろかって何言わすねん、お前! 吸収力抜群やないか。普段からそんなこと思うてんのかい。仙人の俺が恥ずかしいわ。さあ、やってみ。口を塞いで頭のてっぺんからおならプーってだから何言わすねん! お前はあほか。きょうびの小学生は賢いねんぞ。そんなもんで騙されるかい。どこに笑うとこあんねん。何笑うてんねん。笑う角には福来たる? 誰もお前の笑顔が見とうて忍法教えてんのちゃうねん。ええか? 今から大事なことを言う。一回しか言わんからよう聞いとけよ。「この部屋に忍者が八百人隠れとる」わかったら黙って出ていけ。はよ出ていけって。ええ忍者になれよ!

(本作品の掲載は終了しました)

ゴリラのやり方
石川順一

 ゴリラは免税特権を受けていたが、どうやって実現したかと言えば税務署に怒鳴り込んで、無理やりに特権を受けたのであった
 しかし少し疾(やま)しい感情に悩まされたゴリラは、ゴミ置き場にせっせと通い、まだ利用出来そうなものを役所に届けて、これで帳消しにしてくれよと日参するようになった。
 「これはこれはゴリラさん、毎日毎日、ご苦労な事で。この前の壊れかけのテレビ物が良かったのか10万円で売れましたよ」
 「当然じゃわい。わしが作ったテレビだからな」
 ゴリラは満足そうに高笑いした。ゴリラの言って居る事は十中八九嘘だろうが、口が裂けてもそんな事は言えなかった。ゴリラは怒りだすと手がつけられなくなるからだ。役所の部長もゴリラの応対には苦労したし、出来れば他の人と変わって欲しかった。
 だがゴリラは自尊心が強いので課長や次長では、もっと偉いの出せとやはり暴れ出すし、いくらで売れたかも常に0を2つ足して報告するようにしていた。
 ゴリラのこの行動は結局借金をするのも人に金を貸すのも、全部ゴリラの意志でやっているようなものなので、実質的な価値はごみよりもひどいものだが、ゴリラと言う事で許されて居た。
 そのうちゴリラも恋をするようになり、ウサギさんをマイハニーとしたのだが3日ともたなかった。
 ゴリラは飽きっぽさの点でもずばぬけており、自分の感情の赴くままに行動するので銭湯でも嫌われていた。
 木を敷き詰めて湯を流してある所は野外でもあり、湯でのぼせたあとはそこで寝ていると冬なんか、外の寒さと背中の湯のぬくみで最高に気持ちがいいのである。
 そこへゴリラがやって来て、仰向けに寝ている状態から体を起して両足を伸ばしていた老人のすぐ隣でわざとらしくタオルを絞ったものだから、臀部に湯がかかって何か気持ち悪い思いをその老人はした
 「他の連中はちゃんと少し離れた所で絞っとると言うのに、このゴリラめ」
 と、この老人も小声で言うのが精いっぱいだった。
 そんな行動様式のゴリラは、ましてやウサギさんとうまく行く筈も無かった。
 それでも役場への日参だけは続いていた。献血に協力してちょっとした人気者になったりした事もあった。
 「免税特権を受けているんだからな」
 と、ゴリラはその理由を説明した
 でも口さがない噂で「あのゴリラが生活保護を・・」と言っているのを見かけると「まだ受け取らんわ」と口論になる事もあった。
 あんまりうるさいのでゴリラは四国へ逃げる事にしたが、何処へ行っても基本的な事は同じなのであった。

※作者付記:
初投稿ですがよろしくお願いします

多忙にて
ごんぱち

『……あの、前から言ってたストーカーが、今、家の前にいるんですけど』
「はあ。何かしましたか、その人?」
『家の、マンションの前に立ってこっち見てるんです』
「カメラとかで撮影してるんですか?」
『してないですけど、じっと見てるんです』
「見てるだけですか?」
『手紙とか出して来たんですよ! 前も言ったでしょう、今の恋人と別れろとか。無言電話だって一日に五百回もあるし!』
「その件で鬱病になって通院とかしました?」
『いえ、通院とかないですけど。でも、本当におかしくなりそうですよ!』
「なりそうってだけじゃあねぇ……じゃあ殴られたりとかはしましたか?」
『外を出かけると尾行とかされるんですよ! その後にどこに行ったね、とか、無記名で手紙が入ってたりして』
「いや、だから殴られて怪我とかしましたかって」
『それは……して、ないですけど』
「んー、じゃあその人、武器とか持ってます? ドライバーとかトンカチでも良いですけど、なんか武器になりそうなもの」
『素手ですけど、内ポケットが妙にふくらんでます』
「それだけじゃあ分かりませんね。まあ、丸腰って事ですね」
『身長二メートルもあるんですよ!? 丸腰だろうが何だろうが怖いですよ!』
「まあ、怖いかどうかはあなたの気分次第ですし、まだ何もされてないっていうんだから、警察としては動きようがないですねぇ」
『そんな!』
「殴られたり、刺されたり、殺されたり、そういうのあったら通報して下さい。速やかに駆け付けますので」
『今来て下さい、本当に怖いんです! 一歩間違えればどうなるか! 大体、前科あるんですよあの人。大量無差別レイプ殺人……だったかな。乳幼児を含めて四十人』
「知ってますけど、合法に外に出てるんですから大丈夫ですって」
『頼みますから何とか、何とかして下さい!』
「……いやね、そう言われても、本当に人手がないんですよ、今。別件で本署からも署員が六十人ばかり出動してまして」
『え……? テロか何かあったんですか?』
「……銀河鉄道のはくちょう座経由アンドロメダ行きの列車に、スカートを穿かずに乗ろうっていう呼びかけが、2ちゃんねるの掲示板に書かれたんです!」
『……はあ? そんな鉄道実在しないんじゃ?』
「はっきりしないからこそ、より幅広い監視の目が必要なのです! では、本官も出動するので。しばらく、一一〇番通報も留守番電話になるので、要件を吹き込んで置いて下さい! では!」