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1000字小説バトル

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1000字小説バトル stage3
第61回バトル 作品

参加作品一覧

文字数
1
DOGMUGGY
1288
2
小笠原寿夫
1000
3
サヌキマオ
1000
4
ごんぱち
1000
5
YamaRyoh
985
6
深神椥
1000
7
石川順一
1075

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コミュニケーション

QSHOBOU掲示板

タクシー日誌(昭和元禄)
DOGMUGGY

「おや、急に霧が出てきたな?晴れてたのに雨も降ってきたし」
ワイパーを動かし始めた次郎のタクシーは藤沢に向けて国道467号線を南下している。
周りのキャベツ畑が続く田園風景が、深夜の闇にヘッドライトで浮かび上がっている。
そこに路肩で傘をさした派手な服装で厚化粧のミニスカートの娘が手を上げている。
次郎は路肩に寄って、娘のそばにハザードランプを点滅させて停車しドアを開けた。
「真っ直ぐ行って頂戴ケロヨーン」濃いアイシャドーの目をパチクリさせて娘は言った。
「駅の方で宜しいですね、締まるドアにご注意下さい」どこか変わった客だな(汗)
マニュアル通りの手順でドアを閉めて発車したら、異変が立て続けに起きたのだった。
「変だな、レディオ湘南どころかハイパワーなFMヨコハマすら入らなくなったぞ?」
「カーナビもGPS衛星電波受信エラーの表示になったし?」それに…(汗)
なんとなく畑がいつもより長く続いてる様な、雨と霧で良く見えないが家も減ってね?
ところで(汗)、「お客さん変わったTシャツ着てらっしゃいますね?」
ルームミラーには次郎が幼稚園児の時分に若い頃の叔母さんが着ていた記憶のある昭和40年代半ばの昭和元禄の頃の、サイケデリック調のファッションが映っていた。
「何さ、これタイガースの公認Tシャツじゃないのさ、運ちゃん知らないの」
「運ちゃん?」最近殆ど聞かない単語だし…
気不味い雰囲気を消そうと妙に明るく「ああ、お客さんプロ野球の阪神ファンなんですね」
「運ちゃん何言ってんのよ、今大流行のGSのタイガースよ、アタイはピーにぞっこんよ」
うむ気の毒に、この娘どうかしているみたいだな、車内事故にならない様に気を付けよう。
次郎は適当に相槌を打ってお茶を濁すと、気になっていた対向車線に目をやった。
…にしても「ベレット」「コロナ」「ブルーバード」さっきから旧車ばかりじゃないか!?
週末だから走行会か何かで湘南に来た帰りの連中なのかな、服装まで旧車に合わせてるし。
カーラジオで選局し直すと不思議なことにAM放送は正常に入って来たが、いつもとどこか様子が違う、しばらく聞いていると眠気が一気に吹き飛んだ。
「こちらはJORFラジオ関東です、午前零時の時報をお知らせします、プップップッピー」
え、ラジオ日本でしょ?間違ってるでしょ、こりゃ大間違いでしょ昔の局名言うなんて。
「ここで降りる停めて頂戴、お釣りはいらないバハハーイ」娘は料金皿に札を1枚置いた。
停車してドアを開けると娘はすぐに居なくなってしまった、というより瞬間的に消えた?
「あれー、これ昔の500円札じゃないか最低料金未満だ、やられた乗り逃げられたか」
外に出ると、いつの間に雨も霧も無くなっていて見事な満月が黄色く星空に浮かんでいた。
ふと路肩を見ると、お地蔵さんが並んでいる、その横には年季の入った古ぼけた看板が(汗)
「死亡事故多発地帯」(爆)次郎は狐に摘まれた様に立ち尽くしたのだった顔面蒼白で。
お化けだったのか?しかし紙幣は事実として存在している、局地的なタイムスリップか?
車中のカーナビは現在位置のシンボル表示に戻り、ラジオ日本からは演歌が流れていた。
タクシー日誌(昭和元禄)    DOGMUGGY

皮膚
小笠原寿夫

黒い方は、言った。
「あなたは、我々がいないと、偉そうに出来ないんですか?」
白い方は、こう言った。
「我々には、白も黒も関係ない。みんな一様に、地球を支えている、と思っている。」
「そう言いながらも、白いことに誇りを持っているし、それが、あなた方でしょう。」
そこに黄色い方が、現れた。
「あなた方の理屈は、色で解決するのですか?」
白い方は、言った。
「色なんてどうでもいい。」
黒い方は、言った。
「色で物事を解決したがる癖に、どうでもいい、とはどういうことですか?」
黄色い方は、言った。
「色々ありまして、少し遅くなりました。とりあえず、謝罪します。」
「兎に角、色の事を話し合っているのですから、そこから焦点をずらさないでください。」
これは、黒い方が言った。
「あなた方が、拘る程、我々は、色に固執していませんよ。」
これは、白い方が言った。
「では、あなた方に、もしも黄色や黒が宿ったら、いかがですか?」
これは、黄色い方が言った。
白い方は、一旦、絶句してから、こう言った。
「そんな事は、あり得ません。」
黄色い方が、間髪入れずに、
「あり得ます。」
と、言った。

黒い方が、言った。
「何でも色でしか物事を判断出来ない方に、とやかく言われる筋合いは、ありません。」
白い方は、言い返した。
「黒い方や黄色い方には、恐縮ですが、我々は、白く産まれてきたんです。それは、好きで白いわけではなく、黒く産まれてくれば、黒く生活しているでしょうし、黄色く産まれてくれば、黄色く生活しているでしょう。」

「ひとつ提案があります。」
黄色い方が、手を挙げた。
白い方と黒い方が、黄色い方に注目した。
「赤を取り入れてみては、いかがでしょう。」
虚を突かれた白い方と黒い方に、黄色い方は、真顔で言った。
「赤は血の色ですし、それに関して、異論を唱える方はいないと思います。」
「馬鹿がいますね。」
白い方は、言った。
「それが、黒なんじゃないのか。」
黒い方は、言った。

「違えねえ。」
ここまで読んだ友人は言った。
「だろ?」
「赤は、血の色でそれが、浮き彫りになっているのが、黒ってわけだな。」
「な?面白えだろ。」
「いや、まだ読めねえ。」

黄色い方は、言った。
「露骨に、そう言われるのは、心外ですね。赤は、我々の世界では、大層、愛でたい色だとされております。」
三者三様に持っているものが、違うので、愛でたくはなかった。

最後まで読んだ友人が、言った。
「愛でてえじゃねえかよ!」
皮膚    小笠原寿夫

乳紛失
サヌキマオ

 阪本の婆が飼った猫を失くしたとそこここを探す日のことだ。私は乳を無くした。自他ともに認める爆乳だったが、休日二度寝の間によくも忽然と消失したものだ。
 無くなってみると、なにやら腋がすかすかとする。すかすかは腹に伝染し、気紛れにスーパーに出て栓の抜けた如く肉や麺を店の籠に詰めてみる。腹が減っては――腹が減ってはなんだったか忘れた。これも乳の紛失ゆえだ。結局私の乳はポリボックスにも、琴平にも、雑餉隈にも乳のちの字も見せず、帰宅時には夕間暮れになった。やきそば、ハンバーグ、しろめしにしらす干、パスタ、寄せ鍋、トーストにジャム、カツ丼、にしんそばと食べると三日後の午前九時となった。遅々として乳見つからず父の日のちと困惑すスタンドの父。父死んでませんけど。スリジャヤワルダナプラコッテに単身赴任してノコギリクワガタを獲ってますけど。だからなんにもプレゼントせぬつもりだが、メールするとすぐ返事が来た。「ここしばらくなーんもミチルにゃせんのだから父に感謝するな。だがセンキュベリマッチ。こんどサソリクワガタを土産にする」なんだそりゃ、ノコギリクワガタじゃなかったや。と、げにげに、私は父にも乳にもなーんもせんかった。だから逐電したのか我が乳よ。少し気にしてたところをばっさりやられた気分だ。窓の外にボケ面を向けると霧雨だ。湿気に湿気たものだ、何やらシャツももわんと醸されり。洗濯物もみんな生乾き。
 だが死なぬ。死んで花実が咲くものか、阪本家の猫はまだ見つからぬ。もんじゃ焼きをミキサーに掛けた的なミッチャーンと呼ぶ声がややひっかかる。たしか、阪本さんの猫は……と、玄関の呼び鈴がなった。クロネコヤマトだ。判子を――すみませんが判子は持たぬのです。では直筆で結構です、とのことなのでやや親切に私の名を記した。クール宅急便、畢竟百二十センチ型と呼ばれる発泡スチロールの箱だ。留めたセロハンのテープはすぐにちぎれた。安物だ。箱は玄関でずっしりとする。
 箱の中身はなんじゃろな。まず新聞紙が見える。新聞紙が重なってて、中の紙になるほどびっしょりだ。出てきたのは見慣れた肉だ。見慣れた陥没乳首だ。乳帰宅。その途端に我が家に母音が戻ってきたのである。ありがとうございます、いつもすみません。うれしいことです。えらいもんです。おかえり私のIカップ。なお、阪本さんちのネコは「アオイ」であります。「ウエー」と鳴きます。
乳紛失    サヌキマオ

小鴨に乗らず
ごんぱち

 魔女をかまどで焼き殺したヘンゼルとグレーテルは、家に帰って来ました。
「ただいま、おとっつぁん!」
「かえってきたよ!」
 二人は駆け寄って父親に抱き付きます。
「おお……ヘンゼル、グレーテル、本当にお前たちなのか。夢や魔法じゃなかろうね」
「ほんとうさ!」
「ゆめじゃないわ!」
「ああ、そうだな。こんなにはっきり見える夢があるものか。例え夢だとして、それが何だというんだ。よく、帰って来てくれた」
 父親は二人をしっかり抱きしめました。
「……ねえ」
 ヘンゼルは辺りを見回しながら尋ねました。
「おっかさんは?」
「あれは……死んだよ」
「え?」
「どうして?」
 ヘンゼルとグレーテルは驚いて父親の顔を見つめます。
「食べる物がなくて、結局な」
「そうだったんだ……だとすると、結果的にはおっかさんに助けられたのかな」
「そうね」
 ヘンゼルとグレーテルは、各々ポケットや前掛けから宝石や真珠を出します。
「お前達、どうしたんだ、これは?」
「魔女をやっつけたんだよ」
「まだあるよ」
「……お前達、おっかさんを許してやってくれ。うちには、本当に、何の食べ物の蓄えもなくなっていたんだ。長い飢饉で餓えた頭で、どれだけまともな考えが出来たか」
「わかってるよ」
「うん」
 三人は少し泣いてから、市場に買い出しに出かけて、久し振りにたっぷりの肉とミルクとパンの夕食を食べました。

 それに聞き耳を立てていた隣のおかみさん。
「ねえ、あんた、聞いたかい」
 夫に言います。
「隣の家の子供が、魔女を退治して宝石を手に入れたみたいだよ」
「へえ、そいつは凄い。一体どうやったんだ?」
「ええと、確かね――」
 隣のおかみさんは聞き耳を立てて聞いた事と、今までのお隣の様子を思い出し思い出ししながら話しました。
「とすると、まずうちの子供たちを森の中に捨てるワケだな」
「そう……なるね」
「……んー、あの、な?」
「うん……」
 隣のおかみさんと夫は、結局何もしませんでした。
 翌年の春、村にやって来た行商人が奇妙な作物を持ち込んで来ました。麦の満足に育たないこの村で、その「ジャガイモ」と呼ばれる作物はすくすくと育ちました。
 隣のおかみさんと夫は、相変わらず貧乏でしたが、飢え死にの心配をする程ではなくなりました。
時折、金持ちになったヘンゼルとグレーテルの家の綺麗な壁を見ながらため息をつきましたが、ため息より後に続けて恨み言や企み事を口にする事はありませんでしたとさ。
小鴨に乗らず    ごんぱち

財布がないっ!?
YamaRyoh

 財布を落とした。
 そんな馬鹿なと思ったけれど、ドコを捜しても財布が見つからない。
 最後に使ったのは昨晩の事、ズボンの調子が悪かったから、ATMでお金をおろして、近所の店へ買いに行った。そこでは確かに財布を使った。
 そのまま駐車場から車に乗って、自宅に戻って今に至る。

「いやいや、そんな馬鹿な」
 買い出し先は車で2分もかからない、すぐ近所である。
 途中に寄り道する所もない。
 しかも移動は車である。
 いくら何でも、紛失のしようがないではないではないか。

 とりあえず、家を捜す。
 アパートの一人暮らしだ。部屋はグチャグチャではあるが、一日有れば充分隅々まで捜索できる。
 だが、見つからない。
 大量のごみと千円札1枚が出てきたが、肝心の財布は見つからない。
「ならきっと、車の中に落ちてるだろう」

 だが、見つからない。
 シートも剥がして、トランクの底もくり開けて見てみるが、財布は見つからない。

 お店にも確認してみる。
 当然、ない。

 …さぁ大変だ。
 何せ財布には免許証にキャッシュカード、クレジットカード、ポイントカードに電子マネー、そして直前におろした全財産「現金10万円」
 全てが、ない。

 あるのは千円のみ。
 とりあえず、飯を買うか?
 いやいや、そんな事をしたら明日通勤に必要なガソリンが入れられなくなる。

 まずはカードの再発行をしてもらわないと。
 すると店員さんはこう言った。
「免許証の確認が必要になります」

 これは免許証の再発行をしないとだ。
 そもそも、免許不携帯になってしまうし。
 すると署員さんはこう言った。
「再発行には手数料3600円と証明写真が必要です」

 その手数料を引き出すには免許証がないと下ろせない。
 ネット銀行だから通帳もない。

 とりあえず遺失届けを出すが、完全に手詰まりである。
 しかもそのドタバタでガソリンも底をつき、なけなしの千円を使わないといけない。

 これで残金も0円。
 次の給料日まで、あと20日。
 しかもその仕事も今月いっぱいで任期終了。
 来月からは無職だ。
 文字通り、一文無しである。

 いや、待て待て。
 給料は銀行振り込みだから、給料が出ても引き出し出来ないぞ?

 こうなったらトドのつまりだ。
 近所のキャッシングATM「アロム」へ行ってみる。
 もう四の五の言ってられないのだ。
 すると、画面には無残にもこう表示された。
「免許証をスキャナーにご呈示下さい」
財布がないっ!?    YamaRyoh

絶対的関係
深神椥

「君は、ボクの特別だよ」
そう言われ、私はあの人のVIPになった。
どうして私なのかはわからないが、嫌な気はしなかった。
むしろ、嬉しかったというか、胸が高鳴った気さえした。
 私はその人を「K」と呼び、慕った。
 でも、Kは、私の周りの人間を「そうじゃないもの」として、「虫ケラ」と呼ぶ。
 私の家族や友人たちのことだ。
私は、そのことがとても哀しくて苦しかったが、あの人が私に優しくしてくれるたび、抱き寄せ、くちづけてくれるたび、喜びを感じていた。
 私はもうすでに、あの人に取り込まれてしまっていたのかもしれない。

 ある時、Kが私に告げた。
「君の周りの虫ケラどもを、処分してくれ」
そして、Kは私に、鋭利な刃物を手渡した。
「君の手で、やるんだ」
あの人は、私の周りに「虫ケラ」がいることが許せないのだ。
 私は、鋭利な刃物を握りしめ、私の家族や友人たちと会うたび、何度も試みようとした。
 でも、あの人にとっては「虫ケラ」でも、私にとっては大切な人たちだ。
 どうしても「実行」できないでいた。

「まだできていないのか」 
しびれを切らしたKが、ソファに腰かけながら、私に言った。
「申し訳ありません」
私がそう言って頭を下げると、Kが私の手を握ってきて、こう告げた。
「オレは君のために言ってるんだよ。早く君を虫ケラどもから解放させてやりたいんだ。わかるだろ?オレの気持ち」
 そして、Kが私の腕を引き、顔を近づけてきた。
「そのためには、自分で決着をつけなくちゃいけない。そうだろ?」
 Kはニヤリと笑った。
 
 きっと、私は、一生この人に従わなければならない。
私は、もうすでにこの人を愛してしまっている。
Kも、「お前を愛している」と言ってくれる。
 私は決心した。
 この人の「愛」を受け入れよう。
 この人のため、いや、二人のためだ。
 やるしかない。
幸いなことに、もうすぐ私の誕生日がやってくる。
家族と友人、皆でお祝いしてくれることになっている。
 こんなにいい機会はない。
 ――場所は、整った。
 「自分で決着をつけなくちゃいけない。そうだろ?」
 私は、Kの言葉を胸に刻むと、口角を上げた。
今頃、皆揃って私の誕生日パーティーの準備を始めているだろう。
 私はポケットに手を入れ、鋭利な刃物を握りしめた。
 決着をつけるために――。

 たったこれだけの道具で、全員をやれたら、拍手喝采かも――。

 私は、フフッと笑うと、皆が待つ場所へと歩き出した。
絶対的関係    深神椥

短歌日記・俳句日記
石川順一

部屋中をハーブの香りで満たしたく目的は駆除などと割り切る
 私は2年前を思い出して居る。ダニの駆除が目的だった。大日本除虫菊かアースか企業名は忘れて仕舞った。だがそのダニ駆除装置が自転車の競技用のヘルメットに形が似て居た事は覚えて居る。今では小学生ぐらいでもそんなヘルメットをかぶって居るのをよく見かける。昔の自転車のヘルメットと言ったら工事現場用や防災ヘルメットにそっくりな物と相場決まって居たものだが、最近のヘルメットは見た目がスマートな感じがする。
夜を徹しハングル語聞く時に聞く息まで聞けば精気漲(みなぎ)る
 同じく2年前。「聞く」が三回も出て来る。ハングル語を短波放送で聞いて居るのだが、息は余分だと思って仕舞う。なので「ハングル語聞く時に聞く息まで聞けば」と「ハングル語」は一回しか「聞く」としないが「息」は「聞く」「聞けば」と二回も聞く状況を動詞化して居る。概念的な意味に全く相違は無いが、「息」の余分さを「ハングル語」に付属させて「聞く」、さらに「息」単独でも「聞けば」と、「息」の余分さ、だらしなさをとりわけ強調して居る。
指だけの振動を受け春惜しむ
 百貨店に居た。本屋での立ち読みに誰かが迎えに来た。肩に掛けて居た手提げカバンにはまだ昨年度の団体旅行のワッペンが付いて居た。ワッペンに指が触れる。軽い振動が起こる。殆ど震度0ぐらいの感じかもしれない。しかしはっとして振り返る?ここの動作は句には現れて居ませんが分からない。後で付け足したくなるような動作だと思うからです。今思えば季語の「春惜しむ」を活かし切れて居なかったと若干思います。ですが私の中では必然性のある季語でした。
若芝や意外と高き(し)アスファルト
 百貨店の駐車場だ。アスファルトが高い位置にあったのではない。若芝が生えて居る土がコンクリートブロックに挟まれて居る。コンクリートブロックは駐車場の境界でもある。その上から、下へ降りると、下はアスファルトで出来て居るが、高さを感じたのだ。だからやはり「高し」ですね。「高き」では連体形になって仕舞って「アスファルト」を修飾して仕舞う。「高し」で、意味的に切れて居る。コンクリートブロックから飛び降りる動作は描写されて居ませんが、それは「意外と高し」で示唆されて居る。「若芝や意外と高し」で私は若芝が生えて居るコンクリートブロックに挟まれた土の上から飛び降りた。たいした高さじゃないと思っていたが、意外と高かったなあと言う感慨が下5の「アスファルト」。「アスファルト」は飛び降りた後の、地上に着地した足の驚きまでも表現して居るのだ。