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1000字小説バトル

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1000字小説バトル stage3
第65回バトル 作品

参加作品一覧

文字数
1
金河南
1000
2
本作品は掲載を停止しています
3
ごんぱち
1000

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コミュニケーション

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連立セイトウ
金河南

最近の政界は極端にちいさな野党が集まりすぎて、もはや政党のごった煮状態にある。
そこで、解散総選挙の前に連立を組み、与党と対抗しうる巨大勢力を構築しようと「初心の日本党」が呼びかけをはじめた。

まず賛同したのは「かがやく明日党」である。「初心の日本党」とは原発についての意見が分かれており、連立など夢かと思われていたが、まさかの成立。
次に野党の中でも最も小さな、鉄オタ議員のみで構成されている「えきした党はやぶさ」が加わった。先日の奨励会金券事件でおなじみの鈴木議員を抱えての参加。おそらく、下がった党の評判を盛り返すことができず、この連立によって選挙を有利に進めようという算段であろう。
また、オリンピック経験のある議員等、いわゆるタレント政治家のみが入ることを許される「武道芸能の党」も参加を表明予定だ。

この連立が明日にでも成立すれば、野党の中でも一大勢力となることは間違いない。


     *


ケーキ屋という仕事は朝が早い。ドーナツ屋やパン屋の朝が早いのと同じだ。
志賀が、夜明け前の店舗裏にバイクを停めて店入りすると、店長はすでに、焼きあがったスポンジを丁寧に切りそろえている最中であった。

「お早うございます、店長」

「おっ、……なんだもう5時か。お早う。手は?」
「洗いました」

「じゃあ、果物切って」
「ウィっす!」

業務用のステンレス製冷蔵庫を開けるために屈むと、志賀の目線にはCDコンポ。

「店長、なんか音楽かけていいッスか?」

「ラジオにして」
「ウィっす」

「音量5な」
「えーっ……、もうちょっと上げましょうよ」

「ダメ。気が散る」

ザリザリ、ボソボソ、ラジオ特有のノイズに、聞きとれるかとれないかという声が混じる。毎日のバイク通勤中、イヤホンから大音量で音楽をたれ流している志賀にとっては雑音でしかない。
聞くのをあきらめ果物を切っていると、スポンジを切り終えた店長がクックッと笑いはじめた。

「どうしたんスか?」
「あれっ、志賀くん、聞いてない? このラジオっ……ぷっ! なんか、ずっとブドウ糖とか果糖とか液糖とかさ……、なんなの? これっハハハハ! ショ糖まで出してきて……! あはは、連呼しすぎ!」


『速報です! たった今、武道党の連立参加が決定しました! か党、えき党が既に参加を表明しておりましたが、これで初党の呼びかけにより4党の連立が――…』


「……店長、ちょっと休みましょうか」
「え、何で?」

「いいから!」
連立セイトウ    金河南

(本作品は現在公開を停止しています)

ゾンビAとゾンビB
ごんぱち

「なあ、ゾンビB?」
「なんだ、ゾンビA?」
「オレ達、割とザコ扱いされてるだろう?」
「まあ魔王様の配下の場合はな」
「おかしいと思うんだ」
「どうしてだ? 強くないし、金も持ってないだろう」
「生物としての話さ。ゾンビを喰うヤツはいるか? いないだろ?」
「食べたらお腹壊すしな」
「逆に魔王様の肉、オレ達は喰えるよな」
「まあな」
「とすると、我々は食物連鎖の頂点と言えるな」
「おお、お前脳腐ってるのに頭良いな」
『……あのな』
「あ、魔王様の念話だ」
「聞いてましたか」
『お前ら、どちらかって言うと、最弱の生物の菌に食われてる状態だぞ』
「!」
「!!」

「むむむ、オレ達は菌に食われる程アレな弱さだったとは」
「それで、その菌ってのはどこにいるんだ、ゾンビA?」
「よくは分からんが、魔王様が言っているんだから、喰われてるんだろう」
「ひょっとしてゾンビDが、最終的にスケルトンGになったアレか」
「おお! アレは確かに肉を食われたと考えると話が合う!」
「だとすると、スケルトンになれば、最強ってことだな」
「うむ、確かに」
『あー、一応言っておくが』
「あ、魔王様の念話だ」
「合ってますよね?」
『スケルトンとかそういうのは、基本、魔法で動いてるだけのゴーレムの一種だから、生物じゃないよ? レバニラ炒めとか生物じゃないでしょ?』
「!」
「!!」

「むむむ、我々はレバニラ炒めだったとはな、ゾンビB」
「道理で臭いって言われる訳だ」
「このままではぴちぴちギャルに嫌われてしまう」
「レバニラ食べるぴちぴちギャルはいないものな」
「ぴちぴちギャルは何を食べるんだろう」
「確か昔歌であった気がする。女の子は……そう、女の子は砂糖とスパイスと素敵な何かしか食べないって」
「でかしたぞ、ゾンビB! ミイラがお腹にスパイスを詰めてるから、友達のミイラCに分けて貰おう」
「素敵な何かは、魔道士Eが落とした四つ葉のクローバーが使えるかな」
「そいつは素敵だ。後は砂糖だけだな」
「砂糖は困ったな。口に詰まってるのは塩だし」
『お前ら、口に塩詰まってるタイプ?』
「あ、魔王様」
「そうですよ」
『じゃあ魂は?』
どっかのツボに入ってるらしいです。
『そっか、ハイチ型だったか。お前たちの個性とか気にしないで、ウィルス系とかと一緒に通し番号付けちゃってゴメンな』
「全然かまいませんよ」
「魔王様だって、一般名じゃないですか。おあいこですよ」
『余は作品単位で違う呼ばれ方しとるわ!』