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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage3
第84回バトル結果

おめでとうございます

今回はアレシア・モードさん作『来るべき世界』がチャンピオン作品と決まりました。みなさまご感想ご投票いただきありがとうございました!

投票結果
得票数 
1
心ある人の優しさ
小笠原寿夫
2
サヌキマオ
1
3
アレシア・モード
3
4
一つの杏
岡本綺堂

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

推薦作品と感想

来るべき世界
アレシア・モードさん


感想:
1.心ある人の優しさ
実話ですが、パソコンの中だけでの世界の様で、お見苦しい限りです。
2.帰省
どこの方言かは、存知かねますが、雰囲気がとてもいい。死体や躯といった、世界観は、サヌキマオさんの真骨頂かと思います。実は、細部にまでこだわられていて、流石、書き慣れているという印象です。
3.来るべき世界
落ちがしっかりしていたので一票。人間は、自分を人間だと主張しますが、これだけ機械が世の中を席巻すると、その存在自体が、危うくなってくる。それをコメディタッチで書いておられたのは、良かったです。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
 人工知能に魂が存在するかはともかく、創造もすれば反乱もするだろうなぁ。表層的な部分においては。そう作ればそうなるし、そう作らなくても状況によってはそのように行動するであろうし。
 いわゆる哲学的ゾンビだったっけ。いや、行動的ゾンビか。

 人工知能がおおよそ人間と同様のパフォーマンスを持ち始めたらどうなるのか?
 人間はそれを束ねて使う事を考え始めるのだろうなぁ。でも、それを使ってもあんまり大した事をしない気がする。
 一秒間に30億回も計算する機械を使って、飲み会の時間の確認とかしている現状を考えると。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

感想:
「心ある人の優しさ」
 本作を書くことによって作者の魂が救われているというのであれば、もうそれ以上のことはないんじゃないだろうか。
 小説の方法としては決して間違いでなくて、あとは読んだ側がどれだけ感情移入できるか、という話なのであるが、今回に関してはやっぱり他人事なのです。
 例えば、

>「面白い」の基準は、みんな違う。

 って、心の底から本当にそう思ってるかァー? とか、思うのです。どっかの寄席で落語家が全然ウケなくて<「面白い」の基準は、みんな違う。>って云ったとしたら誰かしらが張り倒すと思うのです。価値観の違い云々の問題以前に、誰と価値観が同じで、その基準が同じ人だけでも確実に笑わせられとるのか、とか。
 どうもその辺、一時の気の迷いに見える。

「帰省」
 今年も他人の田舎に帰省します。

「来るべき世界」
 上で書いた感想のあとで随分タイムリーなのがきた。曰く「意識の投影」であり「意識の共鳴」であり。
 これは人工知能に人工知能の講義をさせるというあたりがアイロニカルなのかしらん。

「一つの杏」
 食い終わってないけど食ってるじゃないか(威圧)
投票者: このバトルへの参加作者

帰省
サヌキマオさん


感想:
1 心ある人の優しさ
 小説作品としましては、言いたいことを少々ストレートに並べすぎている感がありますが、それゆえ素直に読めます。
 面白かろうが面白くなかろうが、あるいは殆ど読まなくても「既読をつける」ことはできますし、実のところ自分の書いたものが読まれたという、その事実だけでプラス1の支えにはなるのです。そこで「つまらなかった」だと相殺される、かもしれない。友達にとって「面白い」でも「つまらない」でもどうでも良かったとしても「面白い」と返すのは、本当にどうでもいいレベルですが、そこで面白い側にとりあえず振っておくのは友人の本性の優しさの現れでしょうか。
 人間、思い詰めてると「朝日に温もりを感じた」とかそんなレベルのプラスマイナスでも効いてきますので。
2 帰省
 キョンシーの伝承に基づきつつ、それを話の軸からちょっと脇に置く感じがよろしいです。それに対して祖父と「私」の二人の背景がよく読み取れません。そこが良いのかもしれませんが、私には苦手な感じ。切れ長の目の女が誰なのかはっきりしませんが、祖父は最初はわざわざ、知っとうかと呼びかけているところをみると、死体の中に彼女が居るかもしれんという懸念はなかったのかな、とすればこれはかなり広い地域の習慣なのかな、彼女をみて小さく声を出したのは祖父なんかな、我々の故郷という言い回しには、自分らもまた生まれた地を離れて久しいという印象があるかな、じゃちょっと出かけたってわけじゃなかったのかな、四国(?)にキョンシーいるのかな、瓶子はひっくり返らないのかな、とかそんなことがグルグル回りだすと止まらないのです。
 でも、それはそれで楽しいから良いのです。答えは無いけど。

3 来るべき世界
 なんか最後だけあたふたとしていて、何を目的として書きたかったのか、始めと終わりで意図が変わっているような気がする。いや、変わっているのですが。

4 一つの杏
 約束を忘れたわけではないことを示すため、あえて不穏な言葉を口走ってみる。律儀で誠実な人だ。中国の古典では死者(鬼)と生者に区別がないような物語がままあるようですが、もちろん俗人ではそんな境地には至りません。
 で、その「もし私を嘘つきだと思わないならば……」だけど、カッチョイイけどわかりにくいのが難に思われます。
投票者: このバトルへの参加作者