第37回3000字バトル結果

おめでとうございます! あなたが栄光のチャンピオンです!

『明日に向かって打て』 伊勢 湊さん



推薦作品と感想

●推薦作『明日に向かって打て』 伊勢 湊さん
 よく考えると深刻ではあるものの、コミカルで読後感の良い『明日に向かって打て』。これが最初に来た時点で、今回のバトルは伊勢さん有利。
 この印象が後を引いたからか、同じ町内会ものの『月山町3丁目のひとびと』も楽しく読めた。

 で、決め手は掴み。結構バトル作品は読み飛ばしたり、斜め読みで済ます事が多いが、『明日に向かって打て』にはファーストシーンでしっかり捕まった。
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●推薦作『明日に向かって打て』 伊勢 湊さん
 文句なし。
 だいたいこの方の作品はあまり得意ではなくてですなぁ。説明臭かったりなんか「これが、いいんだなぁ、うんうん」なんていうノスタルジイが鼻についてしょうがなかった。今回の作品に関しても、そういう癖については全く抜けきれてない。結婚して引っ越してきたお孃様、という設定もうまく動いてないし、わざわざ御主人が戻ってくる、という所に関しても、<美咲、おまえがわしの代打か。しっかり打っちゃらんかい!>なんていう男が、逆に、わざわざ奥さんを球場に残して家に帰るだろうか。
 とはいえ、そういった瑣末な設定をサッパリ剥いだところで、美咲の成長、なんと云おうかしらん、地元の人に美咲が溶け込むまで、という様子は非常にうまくかけていて(美咲の自意識も含めて)、ああ、小説を読んだなぁ、という満足感が残ったのである。
 次点は、中川きよみさん「月山町3丁目のひとびと」。ありがちな話ではあるが、でも、色々なヤリトリの細かい部分がしっかりしていて、非常に骨太の印象を受けた。でも、タイトルがあまりにも広すぎる。柿だとかゴミ袋だとか、一つの単語からイメージを広げると、もっといいタイトルがつくように思うのだが。(M)
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●推薦作『フェリーチェ(fellice)とかリュッカ(lycka)、ボヌール(Bonheur)あるいはシャースチェ(счастье)』 橘内 潤さん
元来食べ物が詳細に描かれている作品が好きなので、紅茶の記述にほぼ無条件に惹かれました。ラストの一文(「吐き気」の一言)がブランディーのように効いています。
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●推薦作『ハイウェイ、ハイウェイ』 るるるぶ☆どっぐちゃんさん
 ごんぱちさん作「空箱の日」と迷った。最後は好みで。描かれる情景の美しさに惹かれる。詩のような、濃密でふしぎな雰囲気に引き込まれた。
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●推薦作『空箱の日』 ごんぱちさん
 語り口調がすごく良い感じです。タイトルから本文冒頭も、とってもキャッチーで上手いと思いました。尺も三千字にしっくり収まってる感じでしたし。
 「湖面の花火」にも惹かれるものがあります。ファンタジーやSFの詳細な世界設定を書き込めるほどの字数はないので、雰囲気で語らなきゃいけないわけですが、この作品は違和感無く読めました。ただ、やはり三千の尺という視点だと、「空箱の日」のほうが手馴れている感じがあるんですよねぇ。
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●推薦作『湖面の花火』 さとう啓介さん
美しい! カナディアンカヤックなんだろーなー。僕は創作とは全てにおいて公平だとは思わない。男性の目で語られた物語はたぶんより男性に共鳴しやすいだろうし、女性の目で描かれた話はより女性に共鳴するだろう。出産をモチーフにした話は出産経験者には頷くところは多いだろうし、やくざの人は任侠小説を読んで実は夜中部屋の片隅で泣いているかもしれない。で、僕はこの話に共鳴した。湖面の風景に共鳴し、話に、世界に、すんなり入っていけた。少し悲しくて、とてもきれいだった。ただし、僕は怖くてカヤックの上ではなかなか寝そべれない。
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●推薦作『月山町3丁目のひとびと』 中川きよみさん
全体的に、これ! というものは無かったのですが、強いてあげるとすればこの作品かなと思いました。もう少し柿の実が無くなったところのストーリーをひねった方がいいのかな? と思いました。
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●推薦作『なし』
なし
うーん。

何回も読み、良く考えましたが、パスで……。
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