3000字小説バトル

これがいい。これがいい。
露店のオモチャ屋で、一番気に入った物を指す時のように感じます。
これが好きです。

いいですね。妙にひなびて、どこか土臭い生の人生の味がします。この作者さん、いったいなにものだろう？　いいですねぇ。それにしても、自己陶酔とか、自分を説明で正当化とか、そう言う作品が目立ちますね、最近。僕はそういうの好きじゃないから、こういう「言い訳がない」（物語がではなく、作者が言い訳していないということですよ）作品はもう大好きである。

　「空は、空へ」「夢」「チェリーちゃん」の三本で悩んだ。「空は、空へ」は久々に倦怠感の無いどっくちゃんが見られたし、「夢」では3000字という短さの中で、語りに必要な人間のコアだけを切り取れているメス捌きを高く評価したい。「チェリーちゃん」は＜これきしで酒など呑んだら口が腐る＞という私の一言にすべてが凝縮されている気がする。作品としての客観性というか、視点の公平性を考えると不十分な気もするが、この嫉妬感には実感がある。
　どれに投票してもいいが、もっとも人間に魅力を感じるのは「チェリーちゃん」かしらん。（Ｍ）

奥さんとご主人の温かい心のつながりが見えるようで大好きでした。
ご主人のいくつになっても少年のような行動がほほえましくもおかしい。
いいですね、こんな日々。

いや、ごんぱちさんの話は毎回面白い。
キレのあるアクションシーンと
毎度のオチ、素晴らしいです。

　どごおおおおおおがががががががああああっっっ！！と、この感性を盗みたい。ごんぱち作品の小気味よさを我がものにしたい。あなたの作品をどれだけ喰べたら出来るのでしょうか。
　この３０００文字を読む間ひと呼吸しか僕はしなかった気がする。

他の作品とも背比べ状態で迷ったけれど、視点がぐるりと入れ替わる展開の面白さに一票。

細かな表現や展開には「つい引き込まれる感じ」を覚えられず物足りなかったのですが、コンセプトに魅力を感じたので、今回はこの作品を推すことにしました。

途中までは、四谷怪談の現代版を読んでいるようで、非常に読みやすかったです。学校という空間は何か怪奇なことが起こるような雰囲気を持っていますよね。ただ、ひとつ注文をさせてもらうと、エンディングがあまりにもあほらしくて（それはそれで完成しているのかも知れませんが）もうひとつインパクトに欠けました。でも、面白く読ませていただきました。

　これは良いなぁ。
　鮮やか。
　確かにのっぺらぼうに見えるかも知れない。
　故に、ラストの追記は、いらないと思うけれど。

うーん、実力派。地力を感じるなあ。大きな特徴は無いけれど文章の流れが心地良い。

「十字路」中川きよみ
キリンとの哲学的にも思えるやりとりが不思議な魅力を出している。

「炎星」鳥野　新
カクテルの描写やそこに秘められた過去のエピソードなどの作り込みが精緻である。

「キャッチングセンター」ごんぱち
野球漫画のような熱血文が上手い。意外なオチが面白い。

「高所恐怖症」篠崎かんな
テンポの良い場面展開で飽きさせない。最後にもう一ひねり欲しい。

（たかぼ）

昔好きで読んでいたショートショートを思い出してとても懐かしく思えました。他の作品もとても面白く選ぶのに迷いましたが、どんでんがえしがあるのが好きで、投票しました。これからも読者の予想をどんどん裏切ってくださいね。