第62回3000字バトル結果


おめでとうございます! あなたが栄光のチャンピオンです!

『浪人時代』 深詰(霜月)さん
『こんにちは、動かない』 荵さん
 


推薦作品と感想
○推薦作:[4]浪人時代 深詰(霜月)
 ピックアップ。

1「夜空の向こう、遥か彼方」双
 この路線で突き詰めるなら良いけどなぁ。どうも作家としての筋を通してない。なにがしたいんねん。自分の作品で読者をどうしたいんねん。

3「ゴルファーを笑え」お気楽堂
 笑いました。人が失敗してあたふたしているのを笑うのは、笑いの基本ですわねえ。なんかこう、基本を押さえていていい。だが映像向けだ。

4「浪人時代」深詰(霜月) 3000
「トパーズ」?
 なんかこう、いいんですよ。喋りだすとデュナミス一本くらいになる。
 完成されていると思う。今回はこれでしょう、これ。

 というわけで深詰さん。稽古板でも話題になったけれども、この人のコアはやっぱり巨大なんだろうな。それゆえに時間をかけて自分の「仕事」をこつこつ突き詰めていくほうがいいと思うし、この筆力があれば出来ると思う。
 もっといろいろな人が出てくると良いな。そして書きこなせるといい。(M)
▽投票者:その他のQBOOKS参加作者


○推薦作:[4]浪人時代 深詰(霜月)
 会話体にしないでもこれだけスムーズに流れていくんだなぁ、と感心した。読ませる小説になっている。エグく書こうとすればいくらでもエグく出来る題材なので、逆にこれだけさらっと書いてくれたところが私好み。文句なく一票!
 しかし、時給一万円……。腹立つ〜!!(つまりこれくらい読まされてしまった訳ですな)

☆「こんにちは、動かない」
 最後であら〜とシラけてしまった。「一日このまま」でいただけでこの有様の亭主が「妻は一生このまま」なのに子供を欲しがるという発想が取って付けたようで、共感も出来ない。絶対「なんとか」ならない。それとも、一日中妻を理解しようとする気持ちと自分のエゴの両極端を行ったり来たりした末に、結局何も分かっていないその愚かさをこそ訴えているのか?
▽投票者:このバトルへの参加作者


○推薦作:[4]浪人時代 深詰(霜月)
面白かったです。冷静で緻密な描写なのに、どことなくウエットな感じの主人公の流される感じが、匂い立ってくるというか…。キャバクラに出てくる人物も皆リアルで、ちょっとしか出てこない先輩キャバクラ嬢までも活きていて。いいなー、叙情的で、すごくいい感じだと思います。荵
▽投票者:このバトルへの参加作者



○推薦作:[5]こんにちは、動かない 荵
 商業雑誌に載っていても違和感の無い文章の運び、題材の巧みさに感服しました。
▽投票者:その他のQBOOKS参加作者


○推薦作:[5]こんにちは、動かない 荵
 丁寧な思考実験みたいな感じで、良くできていて面白いです。
 その立場にならねばその立場の人間の気持ちが分からん、というのは、介護の自滅化、泥沼化を生む発想みたいであんまり共感しかねるところはありますが。
▽投票者:このバトルへの参加作者


○推薦作:[5]こんにちは、動かない 荵
 三千字できっちり収まっている『ゴルファーを笑え』。
 ラストに違和感を覚えつつも、見方によってはそれも魅力な『こんにちは、動かない』。
 話しそのものより、けっこうな数の登場人物を違和感なく登場させる、三千字に特化された文体に感じ入ってしまった『おとなりの英雄さん』。
 うーん、抜きん出たものが感じられない以上、自作に入れてあげたいんだけど……うん、今回はよりパワーを感じた『こんにちは、動かない』で。
▽投票者:このバトルへの参加作者



○推薦作:[7]『ソレの名は』 橘内 潤
 続きが読みたくなる内容だった。

▽投票者:純粋読者


○推薦作:[7]『ソレの名は』 橘内 潤
ついつい読みふけてしまいました。
宇宙人がとりつくという時点目が惹かれ、そのままずっと見ていたらオチに入ってました、いや、久しぶり熱読させて頂きました。

▽投票者:このバトルへの参加作者



○推薦作:[3]ゴルファーを笑え お気楽堂
なんだか身にツマサレル思いがしました。ううん、手放しじゃあ笑えない。しかし、面白い。

▽投票者:その他のQBOOKS参加作者



○推薦作:[6]おとなりの英雄さん ごんぱち
いつも揚げ足取りみたいなことばかり書いていたので、たまには批判めい
たことを書かないようにしてみよう、と思ったけど難しかったっす。
っつーことで、掲示板に書こうと思ってた全感想です。

1)「夜空の向こう、遥か彼方」
 作者付記に「満足していただけたでしょうか」とあるのをみて、双さん
ご自身が満足なさっているからこそ、こういう問いかけが出てくるんだろ
うなと、なんとなく思いました。
 だとしたら、いいんじゃないですか? 書き手が満足できているものが
かけているわけですから。

2)「ピンクのイカ」
「特別面白いもの」と来たわりには、むかしから夜店でも売られていた類
のオモチャだったんで、やや拍子抜けしました、正直なところ。しかし、
イカがらみが続くとは何たる偶然。
「海岸沖で巨大なピンクの島が出現」したのが夢なんだとしたら、「今も
この不思議なピンクのイカが玩具コーナーの片隅に並べられている」のは、
「歴然として確実なこと」とまで強調する必要はないように思います。

3)「ゴルファーを笑え」
 こういう、専門用語のたくさん出てくるストーリーって、そもそもその
題材に明るくないと書けないし、不特定の読み手を想定しながらディテー
ルを表現するのも、また難しいだろうと思います。
 自分で同じことをしたらおそらく、ことば同士が噛み合わずにギクシャ
クとした、こなれない日本語になってしまうと思うのですが、そんなとこ
ろもなく、スイスイ読み進められるなめらかさを感じました。
 作品の性質上、同じカタカナの名詞が繰り返されるのは避けられないと
思いますが、そこが解消されたら、かなり印象が変わると思います。

5)
「こんにちは、動かない」
 僕自身、入院して寝たきりだった経験があるからなのかもしれませんが、
「義春は尿を寝たままもらした」以降の数行の描写の生々しさが、グッと
来ました。あの不快さ、敗北感、向ける先のない殺意(それは大袈裟)、
そんなやるせないものが、よく書けているなぁ、と思います。
 読み進めれば、何かの理由で病因のベッドから出られない奥さんがいる
ことは判るんですが、もう少し、そこを親切に書いても良かったかも。
 最後まで投票しようかどうか迷ったんだけど、締めが湿っぽいのが個人
的にあまり趣味じゃなかったので、最後は好き嫌いの問題で、決めてしま
いました。すみません。

6)「おとなりの英雄さん」
 ということで、ごんぱちさんに投票します。
 いま、この国が戦時下にあったとしても、おおよそ日常は日常のまま、
特に変わることもなく過ぎていくんだろうなと何となく考えていたので、
この作品の状況が僕にはやけにリアルに感じられました。
 そのへんを含めて、優しくて冷酷で、かわいくて残酷で、怖かった。
 戦争反対。

7)「『ソレの名は』」
 こないだ掲示板に感想を書いたので、そちらで御勘弁を。

(このバトルへの参加作者4)
▽投票者:このバトルへの参加作者





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