第65回3000字バトル結果


おめでとうございます! あなたが栄光のチャンピオンです!

『風景』 深詰さん
『芥乃姫』 霜野浩行さん
 

 チャンピオンを三回獲得しましたので、深詰さんは七代目グランドチャンピオンとなります。
 おめでとうございます!!

推薦作品と感想
○推薦作:[4]風景 深詰
頭の中にある風景画を“叙情的”に再現するよりも、目の前の網戸越しに見える風景が新鮮に見えるということはあるかも知れませんね。ギャンブルの話から入ったのは、正直いいと思いました。
▽投票者:その他のQBOOKS参加作者


○推薦作:[4]風景 深詰
 どうもなんかなー。
 あんまりおもんなかった。なんでおもんないかったら、何でだろうということで、それじゃ自分何が不満やねん、ということで一作品ずつ「読んでいて何が物足りないのか」を列記して行こうと思います。技術的にどうかなんて大それたことではなく、読者の好きか嫌いかという視点です。なにかの参考になれば幸いなり。

1 自信回復の方法
 「精神的な病がよくなってきました」「それはよかった、だがなぁ……」「ええっ? じゃあ……」「なんだってぇー!?」という筋がある。筋だけだったら、次に「感想」としてつながらないのです。「あっはっはぁ、面白いねえ……はぁ」。ほら、これで跡切れちゃう。

2 死神 太郎丸
 これは死神を置き換えた、という趣向だとすれば、結局は「死神をどう演るか」ということであって、そこがおざなりなんではないかしらんと思います。

3 市営住宅401号室 中川きよみ
 猫が見るったら「我輩は猫である」ですが、あれは猫視点に徹しきれてるから面白いのであって、本作ではハムスターでも、ませたお子さんでもペットのトウキョウダルマガエルでもいいくらいの深さしかないのです。わざわざ猫にした甲斐が、ないんですなぁ。

4 風景 深詰
 これは稽古板に書いたとおり、作者の了見の問題。

5 シー・カミング るるるぶ☆どっぐちゃん
 なんかこう、指人形なんだ。指人形「だからこそ」どんなことでも云わせられちゃう、という作者の安心感が見えちゃう。指人形だからなにしてもいいや、というのは悪い考えな気がします。

6 コリキといっしょ 青野岬
 これは小説ではなく「日記」です。
 だから、興味が無ければ、駄目ェーッ。
「興味が無いなら見なくていいよ」は自分から云っちゃ、駄目ェーッ。

7 死神に愛されるということ ごんぱち
 嘉門達夫大先生なら「ひねりなさいひねりなさい」と仰るはず。

8 芥乃姫 霜野浩行
 昔話ッたらこんなものなんですがね。
 つまりは「桃太郎」って面白いかね、興味をそそられるかね、という話です。桃から生まれたヒーローが、犬猿雉を引き連れて鬼退治。財宝持って犬が引っ張るエンヤコラ。
 書くことで力尽きているんじゃないかしら。昔話というのは、語ることによって日常ではない別の世界を見せることに最大の価値があるように思います。だから、いままでに見たことがあっちゃ、いかんのではないあKと考えます。

 投票は深詰さん。仕事が丁寧で好きよ。(M)
▽投票者:その他のQBOOKS参加作者


○推薦作:[4]風景 深詰
リアリティのある描写の連続が素晴らしい。
これだけ一気に書いて読者に読ませるには、それなりの文章力が必要になると思うが、深詰さんの文章にはそれが、ある。
つげ義春の短編(←大好き)を読んでいるような、不思議な気持ちの高揚感があった。
太郎丸さんの「死神」も途中まではとても面白く読んだのですが、ラスト、文字数に縛られて失速してしまった感じ。
もったいない。
他に、ぶるぶる☆どっぐちゃんさんや中川きよみさんの作品も、面白かったです。
▽投票者:このバトルへの参加作者



○推薦作:[8]芥乃姫 霜野浩行
面白かったです。作品が発表されてすぐに一通り読んで、間をあけてから感想票を送るために読み直そうと思ったところ、一番鮮明に浮かんだのがこの作品でした。
▽投票者:このバトルへの参加作者


○推薦作:[8]芥乃姫 霜野浩行
あー、どうしよう。今回は全部面白い。
強いて言うと、推薦作が一番苦労して書かれているような気がしました。一番しっかりしてた。
やっぱり人間なんでね、自分でも書くのは苦労するから、苦労は報われて欲しいと思うからね。
▽投票者:このバトルへの参加作者


○推薦作:[8]芥乃姫 霜野浩行
今回ばっかりは、霜野さんで決まりでしょうねえ。
物語としての完成度が、とても高いと思います。
すごく面白かった。
三千字にまとめてしまうのがもったいないぐらい。
いったい何票集めることやら。

でもなんで今回、死神を扱った作品がふたつもあるんだろう?

▽投票者:このバトルへの参加作者



○推薦作:[3]市営住宅401号室 中川きよみ
すごく面白かった。頭のねじが2〜3本抜けてるような貧乏臭い魔法使い一家が住む団地の一室。たっぷり堪能しました。お姉さんが家の外で魔女狩りに会わないかちょっと心配です。
▽投票者:その他のQBOOKS参加作者


○推薦作:[3]市営住宅401号室 中川きよみ
久しぶりにじっくりと3000字を読みましたが、どれも面白い。最終的に「芥乃姫」とどちらにしようか迷って、結局オバカな話が好きなものでこちらに投票します。

▽投票者:このバトルへの参加作者



○推薦作:[5]シー・カミング るるるぶ☆どっぐちゃん
 話つーか、音楽聴いてるみたいな感じになるんですよね。
 だらだらっと。
 正しい読み方かどうかは分かりませんが。
▽投票者:このバトルへの参加作者


○推薦作:[5]シー・カミング るるるぶ☆どっぐちゃん
やはり、レベル高いです。3000字。
その中で一票はるるるぶ☆どっぐちゃんさんの「シー・カミング」。

才能という言葉は、ある意味人を貶している言葉であり、私にとっても最大の敵ではあるのだが、この作者にはそれを感じた。
あまり改行もなく、はっきり言って読みづらい文章なのだが、それがキャラクターの個性と作者の個性を明確に分断しているところがいい。
また、作風にしても、官能とは別な狂気性を如実に出ている。展開も奇抜。全く先が読む事が出来ず、自身の想像の2ランク上を言っている。主人公が屍姦している際、後から突如現れた警察のシーンなどは、読み手をパニックにさせ、その後の展開を冷静に判断させる能力が失わさせている。
もっと賞賛したいのだが、言葉が見つからない。
何にしても、この作品が私を愕然とさせたことは確かである。

次点は深詰さんの「風景」。
まさに風景。テーマも、背景も、秀逸な文章もすべて風景だった。
これもまた素晴らしい作品だったが、個人的に相手が悪かったように思う。
▽投票者:このバトルへの参加作者





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