第90回3000字バトル結果


残念、無効試合……

参加作品数が一本のみのため、当バトルを無効試合とします。


推薦作品と感想
○推薦作:[1]藍川県警丑三つ時 ごんぱち
この長さの物語のなかに、固有名詞を持った人物が十人以上も登場してくると、登場人物を認識していく作業に意識を奪われてしまって、一度読んだだけでは全体を把握できませんでした。単に自分の読解力の問題なんですが……。

冒頭の、猟銃を抱えた「男」以外の登場人物のたぶんすべてに、直接的に固有名を与えて具体化したがゆえに、誰がストーリーに絡む重要人物なのか、一読しただけでは僕には判りにくくて、かえって全体に霧のかかったような印象を受けたのですが、これは示唆的に「男」の特異性を際立たせているのかな、と考えてみたとき、固有名という霧の中の、名の無い「男」の異質さに気付きました。

それが正しい読解なのかはさておき、サスペンスドラマのように変化していくシーンの組み立てや、「川路は呪殺された」といったその世界観の保ち方が、面白いと思います。

ストーリーの背景や前提などを描写する代わりに、登場人物の会話の形で展開しないと、物語の骨格が三千字に収まりきらないんだろうと思うのですが、それをきっちりまとめたところは、さすがだなと思わされました。
でもやっぱり、なんとなく台詞が占める割合が多い気はします。

最後のシーンで「デスクワークをしていた」のは「次子となつめ」ではなくて、深夜二時まで働いていた次子と杏樹の方が、僕にはすんなり読めるのですが、これは意図的なものなんでしょうか?

すみません、生意気なこと言って(深)。
▽投票者:純粋読者





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