第3回6000字小説バトル結果 発表4月7日 INDEX |
エントリ | 作者 | 作品名 | 文字数 | 得票 ★ |
1 | きしむらしほ | ばあちゃんのゆいごん | 5908 | 1 |
2 | 卯木はる | 鱗月夜(うろこづきよ) | 6000 | 2 |
3 | 旅幸まりあ | ハッピーサタディ(迷子の小犬) | 6000 | |
4 | 氷室ケイ | 歯科医師の陰毛 | 6000 | |
5 | 狭宮良 | 蛾と右腕 | 6000 | 3 ★ |
6 | narutihaya | 作家志望 | 5987 | 2 |
7 | 黒男 | 牛男 | 6000 | 2 |
8 | 青野 岬 | 河童との夏 | 6000 | 2 |
9 | ごんぱち | 空猫 | 6000 | 1 |
10 | 太郎丸 | お休み処 | 6000 | 1 |
11 | 伊勢 湊 | ふきのとう | 6000 | 1 |
12 | 橘内 潤 | 『紳士の国のホームズ』 | 6000 | |
13 | るるるぶ☆どっぐちゃん | スカイハイ | 6000 | 2 |
14 | 理夢 | 訓練 | 5880 | 1 |
おめでとうございます! 第3回6000字小説バトルチャンピオンは 狭宮良さん作『蛾と右腕』に決定しました。 狭宮良さん、おめでとうございます。 グランドチャンピオンを目指し、これからも素晴らしい作品を楽しませてくださいね。 |
感想票
推薦作品:蛾と右腕 作者:狭宮良 感想:細部に気を配る作者の視線や、淡々とした語り口、冷めた表現、人物のネーミングあたりが美点だと思う。失った腕の痛みって、その程度なのだろうかという疑問は残りつつ、雰囲気に流されてエンディングまで読んでしまった。人物同士の絡みも関係の背後にあるものが仄かに匂う程度で雰囲気の邪魔にならない。戦争物は嫌いだが、この文章は好きだ。 推薦作品:蛾と右腕 作者:狭宮良さん 感想:作品としてももちろん面白かったが、作品から受けるものとは人それぞれの違う要因から受けるものである。今回はそこが左右してこれに決定した。つまり読者が子供か大人か男か女かで作品から受けるものも確実に違うと思う。要は読者一人の票なんてそんなものなのである。 さて、いつもの個人的な好みでいえば今回は確実に河童である。作者自身もあるいは「あいつならこれに入れるはず。もろストライクゾーンだもの」と思ったかもしれない。正解です。うんうん、いい作品だ。 などといいながら『蛾と右腕』に入れるのは恐ろしく、なんというか、ぴったりきたからである。実は僕は12才の頃から現実と同じ時間進行で連続してみる夢がある。(ただし夢の中では2才ほど先をいっている)その中で僕は片腕を失ったことがある。(現在は夢の中の友人である佐藤の手術によりくっつけられてます)さらにこの作品中の登場人物の名前と僕の本名には「おいおい偶然かよ」と思わせる共通点まであります。びっくりですね。 そういうわけで、もうこれは記憶に残ったもの勝ち。 推薦作品:蛾と右腕 作者:狭宮良 感想:流石だね。良くやります。 この御時世に戦争ネタは不謹慎と云う気がしないでもないが この御時世だからこそと云う意見もあり。 次は藍墨を書いてください。(私信……) 推薦作品:牛男 作者:黒男 感想: 今回は狭宮、narutihaya、黒男、ごんぱち、橘内の五者が横一線。目を見張るものがある一方で目を覆うものがあるみたいなモノで、それぞれを総合的に見て横一線。もうこうなっちゃえば単に趣味の問題でハナの差で黒男さんの勝ち。でも、創作コアのでかい狭宮、匠の味ごんぱち、本件に関しては技巧派(人はこれをマニエリズムと呼ぶ)橘内、超内面派(?)narutihaya、それぞれになんとも申し訳ない気持ちで。ええそりゃあもう。 推薦作品:牛男 作者:黒男 感想:6000字もあると、普段1000字ばかり読んでいる私には、ぐいぐいと読む気にさせる話しがやっぱり気になる。しかしどの作品も面白い。どれも面白いとなると何を選ぶかははっきりいって、好みの問題になってしまうのだが、今回は、読み終えて、もう一度読んでみたくなる話しかどうかで決めた。となると、これでしょう。 推薦作品:鱗月夜 作者:卯木はる 感想:この方は、Q書房屈指の描写力の持ち主ですね。 世界を「官能的」にとらえるそのセンスに一票。 推薦作品:鱗月夜(うろこづきよ) 作者:卯木はる 感想:読んでて、ヌメって感じが伝わってきた。すごい引き込まれました。 「蛾と右腕」も独特の雰囲気を感じたけれど、やはりこちらの方が上だと思うので、この作品に一票です。 推薦作品:スカイハイ 作者:るるるぶ☆どっぐちゃん 感想:6000字にしては長さを感じないで読むことができた。 着想自体はそれほど独創性があるわけではないのに、面白く 読めるのは、作者の味が出ているからだと思う。 ぐいぐい引っ張っていく力はないが、自然と読者の目を先に 進ませる読みやすさがあった。途中で疲れない。 推薦作品:スカイハイ 作者:るるるぶ☆どっぐちゃん 感想:想像をかきたてる世界観みたいのが、心地良かったので。 推薦作品:河童との夏 作者:青野岬 感想:るるるぶ☆どっぐちゃんさんの作品『スカイハイ』がとても好きだ。 そして青野岬さんの『河童との夏』もとても好きだ。 どこか、似ている感性が響きくる。 タロットに賭けて、きいてみた。 前者はチャリオット。後者はデス。 僕は、心理の裏返しに驚きをかくせない。 推薦作品:河童との夏 作者:青野 岬 感想: 今回の6000字は粒揃いで、なかなか迷いました。 で、今日の気分でこの作品に。こういう初々しい感じの話、良いです。 別の日だったら、『ふきのとう』かも知れんかったなぁ。 推薦作品:作家志望 作者:narutihaya 感想:冒頭から村上春樹っぽいなと思っていたら、ほんとに出てきた!! 村上春樹と主人公のやりとりが秀逸。夢だからってずけずけ言っちゃうのも、最高におかしい。車椅子の男、晶子の登場も予想はつくが、すんなり読まされてしまった。だが、村上春樹の同姓同名さんと比べると、二人とも印象が薄い。作者が人物を捕らえ切れていないのでは、と思った。 夢オチ、作者と同名の主人公、Qブックス、村上春樹にホーキング、同姓同名といってかわすことも含め、すべて直球で攻めているのに、この軽やかさはなんだろう? つたないようで妙に思い切りのよい、小気味よい小説だった。 引用文献を見て、また大笑い。主人公が「ノルウェイの森」とホーキングを交互に読みながら書いた小説って、この小説なんじゃん!(気づくの遅い?)これを読んだ村上春樹が「僕」のもとを訪れてうんぬん、っていう小説を村上春樹が読んでいて…(以下 略)。読者を見事に合わせ鏡の中に落とし込んでいる。ああ、やられたっ!! 推薦作品:作家志望 作者:narutihaya 感想:いやー笑った笑った!「村上春樹と申します」!わははははは! 面白おかしい展開なのに、読後感がなんとなく切ないところがまたいいです。 固有名詞を狂言回しに使ったりyぢ作者本人を髣髴とさせるような主人公 (つまり、主人公が小説家(志望含む))だったりする小説は、 えてしてその演出が滑りがちなことが多いのですけど、 この作品は楽しませていただきました。 作中にQBOOKSを持ち出してくる小説で この上をいく小説は、しばらく出ないんじゃないかなぁ。 推薦作品:空猫 作者:ごんぱちさん 感想:読んだ当初はほかの作品から飛びぬけて印象深かったというわけでも なかったのだが、だが、時間がたってもその世界が消えない強さがあった。 通り抜けてしまう文章と違ったところに、こうして感想を書いている私も 驚いている。こういうのを実力というのだろうか。 推薦作品:ふきのとう 作者:伊勢湊 感想:伊勢さんらしい、心に熱いものが伝わってくる作品だった。 ケンジの前向きなところに好感が持てたし、主人公とのキャラの違いも良かった。 爽やかなラストも良い。 推薦作品:お休み処 作者:太郎丸 感想:なんだか、癒されました。 私も、将来おばあちゃんになったら、お休み処になるようなおばあちゃんになりたい!と思いました。登場人物の、名前のつけ方も好きです。 推薦作品:訓練 作者:理夢 感想:さすがに六千字、全て面白い。一番ピンときたのがこの作品でしたが、他のもかなり良かった。Q書房に参加してから一番面白かったバトルだったように思う。 推薦作品:ばあちゃんのゆいごん 作者:きしむらしほ 感想:面白かった。 最後まで止まらずに一気に読み終えることの出来た作品は、 この作品だけだった。 この人のこういう作品を読むと、あらためて、かなわないと思う。 どうしているんだろう。 ほっとしている反面、すごく心配している。 |
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