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第47回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1夜が明ける前に香月275
2痛み香月朔夜738
3現在(イマ)を生きて岸野 雅也480
4不思議な雨人々179
5路地裏ポリステックランダブー影山影司346
6銀の鈴紫色24号208
7フォトグラフ街歌 結夢623
8好き長田一葉※データ無
9私を変えたモノ藤原 けゐこ286
10滲み坂にてヨケマキル278
11(作者の要望により掲載終了しました)
12僕の幸せ箱根山険太郎59
13交差点ぶるぶる☆どっぐちゃん169
14反省期クルージング歌羽深空277
15Earth Light Bar空人691
16あなたの名付早透 影231
17涙の池マリコ270
18イマジン河ながしろばんり221
19柔らかい刀木葉一刀38
20暇なのに活動的なダラダラゆふな さき1023
21白景佐藤yuupopic36
22ブルー・ハワイ大覚アキラ135
 
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エントリ1  夜が明ける前に     香月



夜が明ける前に。
どうか、お行きになって。


ここは良いとこ、みなさんおいで。
明るい人々、踊り歌う。

だけどあの子は泣いていた。

「空がない」と泣いていた
「色がない」と泣いていた

ここは深い森の奥
村人みんな、追われ人

身を隠せ 身を隠せ
どうかお月さん照らさないで
身を隠せ 身を隠せ
どうか罪なき僕らを裁かないで

あの子はきれいな肌をしていた
僕らは違って真っ黒さ
これがいけない、黒は悪魔の色だとさ
逃げなきゃ隠れなきゃあいつらがやってくる

あの子は泣いていた
「ごめんなさい」と
「ひどいことを」と

どうかお嬢さん、夜が明ける前にお行きになって

美しいあなたの肌が赤く染まらぬように






エントリ2  痛み     香月朔夜


だって何も感じない。考えられない。
心が止まる。
もう生きているのかさえわからない。
ああ。もしかして私は、すでに死んでいるのではないだろうか

ふと、そんな思いに駆られた。
瞬間、それは私の中で水に染み入るように膨れ上がり、
心を恐怖と不安で彩った。

苦しい。鈍い重い痛み。
どす黒い思考。
確かめなくては。今すぐに。

そう。そのために痛みが欲しい。
鋭く強く明瞭な痛み

けれど退屈な日常の中、打撲ばかりが増えてゆく。

切り傷や擦り傷は周到に隠され、
ただ、鈍い痛みだけが全身に残る。

容赦なく放たれた言葉という風圧になぶられて、
心が苦しみの波紋を描き続ける。


違う。

こんなのではダメだ。
これでは感じることができない。
意識することすらままならない。

私が求めているのはこんなものではない。
もっと。
もっと。
もっと鋭い痛み
焼けるような。
焦げるような。
強い力。

刺激が欲しい。
今ここにいることの証拠に。


そして、私のやさぐれた目は辺りをさまよい、
一つの救いを見つけ出す。
 

私は静かに『カミソリ』を取った。


冷たい刃が鮮やかに光り、
心を優しく癒す。

右手は安息を欲して抑制をかけることをしない。
むしろ焦がれるように惹かれていく。

まどろむような空白の世界で
私は、それを怪しく手首にあて、
一閃させた。

たちまち斜めの糸が生まれ、
冷たく鋭い痛みが走る。

そこから深紅の見覚えのある液体がぶくぶくと流れ落ちた。

私は愉悦とも快楽ともつかぬ陶酔に身をゆだねながら、
穏やかに微笑んでいた。


よかった。私はまだ生きている――――


そう。生きているのだ。

よかった。よかった。よかった。よかった。よかった。よかった。よかった。よかった。よかった。よかった。
よかった。よかった。よかった。よかった。よかった。




――――一筋の涙が熱く流れて消えた。






エントリ3  現在(イマ)を生きて     岸野 雅也


-----混沌-----

今日も世界の何処かで争いは続いている

瞬きほどの一瞬の光が過ぎ去った静寂の時
独裁者は闇と孤独に脅える

漆黒の闇の中 誰かの放った1本の火矢は
時として何かを動かす力となり
その小さな明かりが新しい世界を映し出すこともある

-----呼応-----

今日も世界の何処かで悲しみが溢れている

届けたかった想いの欠片を握り締めて倒れた時
戦士の叫びはいつまでも夜空にこだまする

消えかけた魂 僅かに聞こえる最後の言葉は
時として世界を動かす力となり
その熱き想いが閉ざされた世界を解き放つこともある

-----息吹-----

今日も世界の何処かで淡き光が目覚め始める

忘れかけていた絆と勇気を皆が手にした時
小さな希望はやがて大きな現実となる

見果てぬ夢の中 誰もが唱えた最後の呪文は
時として全てを貫く雷(イカズチ)となり
その大きな力は誰にも止められないものとなる

-----輪廻-----

今日も世界の何処かで闇は光に包まれる

広大な大地を新たな光が覆い尽くした時
いつしか人々はその眩しさが故に目をくらます

忘れてはならない 闇は光の中で息を潜め
時として誰も気付かぬうねりとなり
その巨大な渦がやがて全てを飲み込むこともある



作者付記:今ここに生きて、今感じる事を書いてみました。
どうにもやりきれない世の中で何か自分にはできないのかと考える時、自分はまだ世界にとってホントにチッポケな存在であると気付きます。







エントリ4  不思議な雨    人々


僕の一言から降り出した
激しい雨
何故だろう
窓の外を見る
ただの雨だ

五月蝿い
雨粒が窓を叩く
我慢する
そうだ
雨戸を閉めよう

雨は止まない
一週、一月、一年

もう雨なんて見たくない
そうだ
カーテンも閉めようか
外に行くのも止めよう
傘を差すのは面倒だ

雨は止まない
ずっと ずっと
絶えられない
自分の目にも雨が降る

「いつまで続くんだ!」
窓を開ける
そこには雨の無い静けさ
「キレた」という言葉






エントリ5  路地裏ポリステックランダブー     影山影司


 喧噪から一歩外れた路地裏は
 のっぽのビルと鉄壁の隙間で
 たった一歩外れただけなのに
 とうとう俺も此処まで来ちまった 

 ゴミバケツの中の蛆虫
 粗品代わりにゲロを落とす

 随分な挨拶じゃないか、隣人よ
 俺ァまだ御前程落ちてはいない

 蛆虫の住処を漁り腹を満たす
 黒く汚れた屑は俺の血肉へ溶け込んだ

 たらふく食えばいいじゃないか
 俺ァ遠く旅立つ事に決めたから

 蛆虫は羽を手に入れた
 キラキラ光る自由の翼
 こめかみを掠める蛆虫
 羽音に隠れた呪詛の声

 俺ァ蠅になった 空も飛べる
 御前は其処にいるが良い

 とうとう此処まで来ちまった
 俺は今日もバケツを漁る
 隣人はもういない
 だがその声はいつまでも
 頭の上で繰り返される
 
 とうとう此処まで来ちまった
 たった一歩外れただけなのに

 たった一歩外れただけなのに

作者付記:路地裏の少年達に愛を! 金を! シヲ!






エントリ6  銀の鈴     紫色24号


寒かっただけなのに
いつの間にか
手をお祈りのかたちに組んでいて
まるで神を信じる人のように
ココロまでもが澄みきった銀世界

空からは また
銀の鈴が鳴り響き
無音でいくつも鳴り響き
りんりんしゃららと鳴り響き
それがきれいで
こわいくらいにきれいで…

きれいだっただけなのに
いつの間にか
手を仰ぐかたちに広げていて
まるで愛を抱きしめる人のように
ココロまでもが銀の鈴

吐く息が天使の矢になって
スローモーションで君に溶けていく






エントリ7  フォトグラフ     街歌 結夢


生きる事に疲れて 僕はどこに居るんだろう
わざわざ海まで 行かなくたって
寂しさは 紛れていくのに
求めるモノは 何時だって
 自分よりも 大きいものだったり するんだろう

人より 優れた人に 生りたくて
今より 先に 行きたくて
どうにもならない 想いばかりが
つまらなく 大きくなっていくよ

誰かは 宇宙(そら)に 飛んでいった
僕にも 出来ると 信じていたよ
そして裏切った現実を 嫌ったよ
キミも 失ったよ

捨てる事に衝かれて 僕は心を失くしてしまった
本当の意味を 言えなくなって
空しさは 溢れてくるのに
吐き捨てる言葉(もの)は 何時だって
 信じて裏切られるなら 信じない方が・・・と

何より 優れた人に 憧れて
今まで ずっと 生きてきた
どうにもならない 想いばかりが
つまらなく 育っていくよ

街には 愛が 溢れている
僕には 何も ないと知る
そしてこんな自分を 嫌ったよ
キミも 失ったよ

消えはしない 後悔を
どうしようもなく 持ち続けているよ
キミが 僕に 言いたかった事
痛いほど 伝わってくるんだ
 愛に抱く想いを
  愛で包まなきゃ 意味が ないんだ

キミより 優れた人に なりたくて
今まで ずっと 生きてきた
たった今 気付いたんだ
キミに 「ごめんね」 言えなかった

僕には 愛が 欠けている
キミには 愛が 溢れてる
そしてこんな自分を 嫌ったんだ
キミを 失ってから

細い影を 見つめながら
キミを 想い出しながら
 本当に 好きだった
  愛を 知らなかった
キミに 
「ごめんね」・・・・・

作者付記:ゅっくり考えながら読んで頂けると嬉しいです(>_<)






エントリ8  好き     長田一葉


「私のどこが好き?」

って、

何回も何回も聞いてきて、

昨日答えたばかりなのに今日も同じ質問されて、

そういえば一昨日にも同じこと聞かれてて、

聞かれる度に真剣に答えてるんだけど、

なかなか開放してくれなくて、

たまにはわずらわしく感じるし、

いっそ意地悪して無視してやろうかと考えるけど、

そうしてみたって君がすねるだけで僕には何の得もないのが分かってるし、

だけど今僕が真剣に本を読んでいることくらい察してくれても良いのに、

君はお構いなしに、

「私のどこが好き?」

って、

何回も何回も聞いてきて、

結局、

僕は君のそういうところも好きなんだよね。






エントリ9  私を変えたモノ     藤原 けゐこ


愛が素晴らしいなんて誰が言ったの?
私はあなたを愛しているのに
あなたはあの子を愛してしまった
あなたの腕に絡まる毒蛇はあの子の腕
あなたの耳に囁かれるのは呪いの呪文 あの子の声
おぞましい物に包まれながら微笑むあなたを
誰が素晴らしいなんて言うのでしょう

愛は美しいなんて誰が言ったの?
かつて深紅のバラの花束のように美しかったそれは
生ゴミでも捨てるかのようにうち捨てられ
憎悪をまとって大きくなり
私を変えてしまいました
東京湾のヘドロより汚くおぞましく
業火よりも激しく執念深く



汚れた服を脱ぎ捨てるように捨ててしまいたい
ディスクをフォーマットするように消してしまいたい



最も醜くて残酷なもの








エントリ10  滲み坂にて     ヨケマキル




きぬぎぬ
にじみ坂付近
青のバラックの発色
降りる光
すべては死の孔の配下にあり
その陰鬱なスロープを
ねっとりとした人間が上ると
頂に誰にも相手にされぬ廃れた詩人の家があって
その人の傷口はぱっくりと露呈され
見せるも見せぬも私の自由で
見るも見ぬもお前の自由
しかし
それでも
詠え
と言っている

素空の高み
冬はゆるりと去り
安定を備えたビーム
やがてくる春の日の喧騒は
安寧世界とケタ笑いし
日々を遺物とし
終わって始まり
真理をまさぐる手となり
首を絞めたり
口をふさいだり
痛い切れ雲と
心音の断末魔
しかしその人は
お前が詩人でなくなるまで
詠え
と言っている

にじみ坂の造花は満開になるだろう
春になれば






エントリ12  僕の幸せ     箱根山険太郎


ツッコまれた拍子に

目玉が取れて床に落ちた

お客さんには大ウケ

相方も喜んでくれた

師匠にも褒められた

うれしいけど

目が見えへん






エントリ13  交差点     ぶるぶる☆どっぐちゃん


信号機が割れ
その中に花が咲き乱れ
ガラスの動物園
ひび割れに立つ
ひび割れに立つあなた
ひび割れに立つわたし

あなた達の悲しみはいったいなんだろう
このままでは雨が降るよ
砂漠に雨が降る

傘を買ってあげよう
傘を買いに行こう
きらきらと光る
ガラスの傘
駅前の雑踏
ハイウェイ
回り続けるカメラ
回り続けて
灰色の空
青空
回り続けて
ガラスの傘
砂漠にきらきらと光る
ガラスの傘






エントリ14  反省期クルージング     歌羽深空









世界が違うんだ、言ってしまえば良い







まわれまわれエンドロール 切りはなしちゃってもう1回
泳げ泳げ水中モーター 錆びたりしないでもう1回

変わる世界に朝が来る
来るならまだしも行き過ぎる
私があわせてようやくこうして
ようやくこうして昼を呼ぶ
昼が呼べたらそのままこうして
そのままこうしてあんたを呼んで
夜と一緒に席につこうか
席についたら世界が変わって
世界が変わって、
ホラ。





はじ  け  る音が、





しないでもない。







われろわれろバブルバス お湯捨てちゃってもう終わり
沈め沈め潜水艦隊 未来も変わってもう終わり

あとはノトなれヤマトなれ、
こうして世界に色がつく
紅白以外の色がつく






エントリ15  Earth Light Bar     空人


嘘。一瞬、目を背けたもの。

Earth Light Bar
地下にうごめく夜の要塞 もしくはディベート・ホール

  理由はそれだけ?
そうね。
  もっと理論的な意見が聞きたいな。

人と人の話す声 食器の鳴る音 コートの擦れるささやき
香水の誘惑 ガラムの甘い煙 隣りから聞こえる ため息

たとえばね、ゴクラクチョウのオスはメスを呼び寄せるのに
そのきれいな羽を使ってダンスを踊るの。
でも、メスを捕まえられる確率はほんの数パーセント。
逃す可能性のほうが断然高い。そういうことよ。

  同じものを。

揺れるオリーブ

  詳しいんだね。
きのうテレビでやってただけよ。

  じゃあ、その説を転換して考えてみよう。
  キミのそのキレイなコートは、ゴクラクチョウのオスの羽なのかな?
はぐらかさないで。
どうして転換して考える必要があるの?

沈黙
差し出されるマティーニ

  メスを獲得できなかったオスは、その後どうなるの?
いずれ子孫を残せずに死ぬわ。それでお終い。
  さびしいね。
そうね。

フェイクファー どれだけホンモノに見せようとしても
所詮 ニセモノ
ゴクラクチョウのオスの羽は ニセモノのようなホンモノ

あなたの求める理論的な答えになったかしら?
  そうだね。でも、その数パーセントに自分の一生を賭けてるんだよ。
  たとえゴクラクチョウでも、それが男だ。尊敬に値する。

揺れるフェイクファー 声を出さずに笑う銀狐

あなたって、本当に馬鹿ね。
  それはどうも。

ところで、マティーニばかり飲んでるのは何かの暗示?
  つまり?
終わらせようってこと。
  ご冗談を。これから始まるんだ。ダンスタイムは。

もういいわ。私にも同じものを頂戴。

Earth Light Bar
その青の ひと時






エントリ16  あなたの名付     早透 影


  
  季節は 流れゆく
  春 夏 秋 冬へと
  
  繰り返される   (スパイラル)
  時間 時代 歴史
  
  重ねられる    (降り積もる)
  罪 怒り 悲しみ
  
  塗替えて     (色鮮やかな)
  感謝と 喜びと 優しさへと
  
  
  偉くなんか ならなくて いいから
  賢くなんて ならなくて いいから
  
  心 暖かく 瞳 優しく
  春 夏 秋 冬を
  生きていて ほしいから
  
  厳しく 激しく めちゃくちゃに
  私は あなたを 愛します






エントリ17  涙の池     マリコ


男の人の涙を見たのは、
これが初めてってわけじゃない
でもあの人の涙はあまりにも透明すぎて、
私の心に深く染み込んでしまった

そして私の中には彼の涙の池ができて、
いつのまにか私自身の泉ができあがる
彼の涙を絶やすまいとするかのように、
私の心が泣き始めるのだ
それは今は亡き彼への追悼の意なのかもしれないし、
自責の念であるかもしれない

でも実際には、理由なんてないのだと思う
ただ彼の涙が私の心に染み込んだだけ
彼が残した私の中の染みが消えないだけなのだ

それでも私は彼のことを忘れない
いつまでも、
私が生きている限り、
彼の存在は涙の池でゆらゆらと揺れ続けるだろう






エントリ18  イマジン河     ながしろばんり


どんぶらこ どんぶらこ
沙羅の花びらを舟として
三千世界をあまねく渡る
極楽落語のキャラバンに
死を装って潜り込め

どんぶらこ どんぶらこ
世界の内容説明を
欲しいがままに組み替えて
あの娘の部屋に夜這いする
便利なルートを描き出せ

どんぶらこ どんぶらこ
大事な人を亡くしたならば
「高円」名物ドラ焼きを
北斗七星に投げつけろ
そしたら世界は丸裸

どんぶらこ どんぶらこ
砂漠じゃ朝まで火の神が
働き詰めで眠れない
もしも宇宙が傾けば
少しは養生できるのに

どんぶらこ どんぶらこ






エントリ19  柔らかい刀     木葉一刀


寝返りをうった君の裸の背中には
もう変わることのない
一筋の意志の刃が走っていた






エントリ20  暇なのに活動的なダラダラ     ゆふな さき


おもちゃみたいなネコのピアスを耳に通す。
一日はこんなふうに始まる。
トイレに行ってシャワーを浴びて、
鏡をにらみながらコンタクトを入れた。
「最悪の肌の顔。」
みっともないけど化粧がする気も起こらなくって、口唇にココナツ味のリップバターを塗り、グロスを軽くつける。
(今日も予定ないし。)
(散歩とかいこうか?)
(でもあたりは大雪で真っ白。)
(どうしようかな。)
(ただ何もせずに過ごすのかな。)

結局、外へと思う。
ピーチピンクの下着をつけ、
黒のババシャツを着る。
(今日は寒いし)
靴下は黒の膝上のソックスを履く。
スカートに合うんだそれ。だからスカート着たいときに困ることになるんだな、きっと。
「まあいいや。」
いつものジーンズ、
サイズの大きなトレーナー。
廊下に出ると寒い。
トレーナーの下に薄手のVネックセーターを着込む。
「ぶくぶく。」
「ってかもっとやせなきゃ。」
「まあ、いいや。」
500円で買った指先のない手袋をはめ、
カバンを探す。財布の中身を確かめて、携帯をしまいこみ、
上着と一緒に玄関へ置く。
暖房のきいた部屋で水を飲み、
なんで手袋はめてるんだろ? って気分になる。
パンが目に入るから、牛乳と一緒に食べ、
もっと食べたくなりながら歯を磨く。

(さて、なんで外に出なくちゃだっけ?)

タモリを見て、
ごきげんようは嫌いだから外へ出る。

(CDを聴きに行こう。)
(今日はあのアーティストのを買おう)
(あれは聴くだけ)
とか考えてぶらぶら歩く。
デパートには歩いて40分。
さみしいから友達にメールする。
電車に乗れば20分なのに。
寒すぎるから途中でお茶買って、雑誌と干し梅買って、
これだったら電車に乗ったほうが安いと気づく。
「まあいいや。」

アルバムとシングルを聴く。
メールがやっと返ってくる。
店を出てメールを打つ。
『明日暇だよ? 遊ぼう。』
嬉しいじゃないの。
でも明日は外に出なかったりするんじゃないかな?
自分で明日何をするのか、予測できないって言うか、自分自身信頼できないっていうか。
だって今だって、CDを買うのはやめている。
「お金もったいないしさ」

疲れたから食べ物たくさん売ってるとこに入る。
そこって食べ物買わなくても座れるんだ。
店にあったちらしを読む。
(うわ、かっこいいな。ダサいとこがめっちゃイイ。)
コンビニで買った雑誌読む、
自分の洋服が気になる。
体重が気になる。
そして色が溢れていて楽しくなる。トークのページも楽しむ。

 「家に帰ろうか?」

気づけば古本屋でまんがを立ち読みする。

作者付記:ゆるゆるですが…。






エントリ21  白景     佐藤yuupopic


孤島の虎。

閉園間際の
檻に
一つ

ポップコーンの空箱
枯風に舞い
無音


の、
目に泪。






エントリ22  ブルー・ハワイ     大覚アキラ


ジェットラグ
ラズベリーブルー
ブルースカイ
スカイブルー
ホノルルルルルル ルール無用
ワイキキキキキキ 危機一髪
ノル

高く

ヌケて
飛行機雲

サーフタイム

サマーナイト
ホノルルルルルル ルート92
ワイキキキキキキ キャデラック
ジェットラグ
ラズベリーブルー
ブルースカイ
スカイブルー