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第61回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1液晶やまなか たつや333
2ヒュー288
3夢路香月朔夜506
4死後二ヶ月椿月231
5ながうた大覚アキラ181
6ハイヒールお気楽堂210
7スローライフ篠の音575
8蹂躙青野岬187
9詩を書く霧一タカシ163
10 ヨケラマキラ ヨケマキル 709
11 「印象」 ながしろばんり 187
12 明日待ち 佐藤yuupopic 157
 
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エントリ1  液晶   やまなか たつや


他人のスキャンダルで飯を食うマスコミ
誤用される自由が一番か弱い場所をつついてる
未必の故意に傷つけられた人々の声無き声
それより重んじられる下世話な深夜番組
命がけで働く原発にいる人々の汗は
くだらない目的に垂れ流される

血なんか見なくたってお肉は買えばいい
繰り返される動物実験の上に成り立つ知識
ナチスが大いに貢献した現代医療の進歩
需要と供給が成り立つ人身売買
死に追われて生きている途上国の人々の汗を
飽食の国民は見て見ぬ振り

悪魔の存在を口にすればメディアは
異常者扱い 裁判所は情状鑑定
正直に言論の自由を行使すれば村八分
方や凶悪犯罪者には国選弁護人
窃盗され貧困にある人々が納める税で
人権が保障される刑務所の中

液晶に映る地球上の出来事に腹が立つが
そんなことはさておきドラクエするか





エントリ2     ヒュー


最近になって
俺はますます食べ物の話ばかり

古書は小説より
料理の本に目を奪われる
買いすぎた本が棚に並び
ただ見る俺は腹をすかせるばかり

タオルを巻いて
Tシャツのまま
ベーグルを焼いてみる
心地よい塩味をほおばるのみ

君は誰かと料理をする
俺は一人で料理をする
たまらない現実に
ふとむせかえるように

心で泣くばかり
強がる必要はもう無いけれど

千切りもはやくなったんだよ
もうフライパンだってうまくあおれるんだ

君の恋にただ焼いた俺は
一生和えないわけじゃない
心を炒めることなんかない
その言葉を刻んで
精一杯前を剥くだけ

ちょっと捻って
食べ物の話ばっかりの
俺の味に満ちたこの詩だってもう
君には届かないんだろうけど





エントリ3  夢路    香月朔夜


誰かが語る

世界が嗤う


「傷つく痛みを味わった者は、人に優しくなれるから」
((そして、またその優しさゆえに傷つけ虐げられるのか))
踏み躙るは 痛みを知る強者の特権
踏み躙られるのは 弱さを知る者の悲鳴

「死ぬ気で努力すれば届くよ。きっと」
((努力で埋まらない壁はいくつも存在するのに?))
所詮 能力のある者は 何処に居たって居場所を見つける。築き出す。
所詮 バカな脳みそは努力したところで付け焼刃。たどり着けない場所がある。

「人は生まれながらにして平等なんだ」
((どこがだ?何処にそんなものがある?))
そんなもの 何処にもない
そんなもの 此処にはない

心に響く 嘘 嘘 嘘

すべてはマボロシ‥幻想だ


それでも

僕は紡ぎ続けるだろう

虚像の歌を
優しいマボロシを
幻惑の甘言を

事実を知りながらも尚ユメをみる
愚かな僕は
甘く儚いユメをみる

届かないとわかっていても
辿り着けないとわかっていても

すでに見果てた結末の向こうに
輝ける陽炎のような希望を求めて
遥か高みへ救いの手をかざし続ける

もしかしたら‥変わるかもしれない
もしかしたら‥笑えるかもしれない
もしかしたら‥‥叶うかもしれない

あやふやな嘘に騙されて
僕は歩み続ける


‥‥‥見えもしない一筋の光を信じて 





エントリ4  死後二ヶ月
   椿月


車ひとつしか通れないの
一方通行の道
さび色が放射線状にちらばって
だれも通らなくて
街灯は2本しかない
お昼道
止まれ、の文字に止まる車はない
だって車が通らないから止まらない
車ひとつしか通れない
一方通行の道

桜の木はつぼみをつけること忘れてる
椿のお花は
これは赤色
花びらちらさずぽたりと死んじゃう
梅のお花はかわいこぶりっこ
すっぱいくせに
あの子も
どの子も
だれも通らない道でだれかを待つ

私は真似してただけだよ
この道のまんなかで
いつまでも待ってただけだよ

お花みたいになりたかったんだ








エントリ5  ながうた    大覚アキラ


あしびきの
やまどりこっこ
こけこっこ
たまごうんだよ
ぬばたまの
よるにうまれた
くろたまご
つるっとひとくち
おいしいね
おはだつるつる
たらちねの
ままのおっぱい
みるきーあじ
これでもくらえ
ひさかたの
ひかりぎらぎら
さんぐらす
しにがみみたいね
ちはやぶる
ぶるぶるぶるぶる
ぶるどっぐ
かみさまたすけて
あをによし
それもまたよし
なんでもよし
どうでもいいや
くさまくら
そろそろねます
おやすみなさい





エントリ6  ハイヒール   お気楽堂


無理をして履いてみた7cmヒール
足元はまだ寒くて
つま先が痛くて

目的地に着く前に躓いて転んで
つま先とヒールに傷がついた
誰かが笑った

情けなくて誰にも会えず
とぼとぼ帰る
やっぱりつま先が痛くて
膝を伸ばして歩けない
みっともない帰り道

誰に負けたくなかったのか
誰に褒められたかったのか

それでも諦めない憧れの7cmヒール
いつかきっと
颯爽と闊歩してやる
道行く人が振り返るくらい
笑った誰かも見とれるくらい

めくれたヒールの革
直しておかなくちゃ





エントリ7  スローライフ   篠の音


雨に濡れたコンクリートの道路のど真ん中に
ゴロンと大の字に寝転がってみる
体の後ろ半分がひやっとしてじんわり濡れた
私の横を
怪訝そうな顔で見つめるサラリーマンが通る
チッと舌打ちして睨みつける学生が通る
ヒソヒソ囁き合って汚いものを見る様な目で見るおばさんが通る
誰が呼んだのか警官がやって来て尋問を始める
―何をしてるんだい?
―別に、何も。
私は空に向かって手を伸ばす
雨上がりの空は青い
私の手の届かない遠い遠い空の上
今日は風が強いのかしら
白い雲がいそいそと流れていく
―ねえ、雲って風に流されるのかしら?それとも雲が風を選ぶのかしら?
―なにを言ってるんだ。この子は。
―ちょっとおかしいんじゃないの。
―見ちゃダメよ。あんたはあんなふうになっちゃだめよ。
誰が呼んだのか母親が泣きそうな顔でやって来た
―何してるのよ!あんたって子は!
コンクリートから私の体をひっぺがして
母親は泣きながら私に平手打ちを喰らわせる
―いい笑い者じゃない!お母さん買い物にも行けないじゃない!
母親に引きずられて家に帰った
夜になって父親が帰って来た
話を聞いた父親は青ざめた顔で私を殴る
―どこで育て方を間違えたんだろうな。
私は部屋の窓から外を見る
みんなセカセカセカセカセカセカ
みんな急ぐことしかシラナイのね
前に進むことしかシラナイのね
どうしてゆっくり歩けないの?
どうして後ろを振り返ることが出来ないの?





エントリ8  蹂躙   青野岬


誰にでもやさしい男には反吐が出る
粘り気のある視線に
手軽な嘘を得意げにまぶして
うぶな少女を手なずける

それを見抜けないとでも思っているの
それとも全てお見通しなの

馬鹿な男の心のうちは
きっと寂しさで満ちている

あなたは本当は泣きたいのでしょう
思いきり泣き叫びたいのでしょう

だからわたしが蹂躙してあげます
もう二度と立ち上がれないくらいに
やさしく
丁寧に
何度でも
あなたを踏みにじってあげます






エントリ9  詩を書く    霧一タカシ



歌を歌う。

歩いていく。

敵を倒す。

歩いていく。

戦いに勝つ。

戦いに勝つ。

勝っていく。

勝ちを楽しむ。

勝っていく。

戦って勝ってゆく。

戦いに勝ってゆく。

敵を倒す。

勝った。

嬉しい。

私が勝った。

嬉しい。

私が勝った。

嬉しい。

私はたくさん詩を書ける。

これからも詩を書いていこう。

これからもたくさん詩を書いていこう。

私は詩を書ける。

私は詩を書く。









エントリ10  ヨケラマキラ    ヨケマキル


なんかの神に祈ってるお前の顔
すげえ間抜けだぞ


<ヨケラマキラ> 
         ヨケマキル


時は1963年
アメリカの大統領はニクソンからケネディーへ
そしてリンドンBジョンソンへ
わが国の総理大臣は誰だったかな
そんなもん知らねえ

まだあの頃駅のホームにはタバコの煙がモクモクしてて
誰も副流煙がどうのなんてだるい事は言わなかった時代

当時俺は「ヨケラマキラ」という変わった名前のアレルギー用化粧水で一発当てて
化粧水工場も兼ねたでかいビルディングに女と住んでいた

自堕落な生活の毎日

お金をあんまりもってなきゃあ
安い家賃の家に住み
質素な家具に質素な食事
禁酒禁煙健康な暮らし

お金をたくさん持ってりゃあ
無駄にでかい家に食べきれない豪華な食事
タバコも酒もやり放題
挙句の果てには早死にだ

どっちがしあわせかなんてわかりゃしない

「まさかあの化粧水の中に
 あたしのアソコの汁混ぜてるなんて
 誰も思ってもみないだろうね」

「うるせえ
 人に言ったら殺すぞ!」

「なによ!あたしが死んだらもう化粧水作れないよ」

「ははははは」

「なにがおかしいのよ!」

「てめえのマンコに聞いてみな」


ベトナムのべちゃべちゃが
鈍りきった人体に絡んで

ああ俺だって戦争がしてえんだよう

世間て誰だよ連れて来いや
世界てどこだよ見せてみろや

ヒロシマナガサキの西洋キノコを
紅茶漬けにしてさあ
待ってろサイゴン待ってろジョンソン
紅茶キノコバクダンをくれてやる

即物俗物毒物植物博物薬物ガッガ
欲望国防角帽学帽肉棒核防ガッガ
新高山あガッガ ノボレエのぼれガッガ

さあ無国籍軍兵士よ立ち上がれ



2004年8月
俺は底なし沼の四畳半で
「ヨケラマキラ」というちょっと変わった名前のナパーム弾を作っている

待ってろサイゴン







エントリ11  「印象」    ながしろばんり


「印象」を見たか
ミレーの「印象」を見たか
あの茫洋
白砂糖の厚い濃厚のごと
太陽を覆う生気の膜よ

体内において
不要とされし水子の塊
祖先脈々と編まるる
霊素のゆりかごよ

識ってか
知らずか

逝き絶えた後も
その排出までの間
存在しえない敵から
連鎖の先端を擁る
あの茫洋

記者は根底の印象と
マスコミ的嗅覚の印象と
あの茫洋に
生まれずに死んだ兄貴の名前を思い
記事を書く

あの茫洋は
そして酒場の嘔吐にも似ており
太陽が死者の身体を糧に
煌々としているのにも近く

ただ
あの茫洋が
腐臭の瘤が
マゼンダの飴玉が
口腔の空ろに
前歯を吹き飛ばしてのめりこむ
そんな印象だ





エントリ12  明日待ち    佐藤yuupopic


本日も東京メトロ千代田線をご利用頂き有り難うございました。
最終、代々木上原止まり、0:44。

この春最後のマフラーに頬埋めて、

待つ。

爪に白い星、栄養足りない印
指、泣いてるみたい

前髪が目に入る
切りたい

俺にしか出来ない事なんて
世界中に多分、
一つもない

明日が、 
今日よりきっと、好いといい

缶コーヒーの熱で
胸温む
わずか、

五分。