第12回詩人バトル Entry21
私がまだ学生の頃
見事な大失恋
一大決心の別れの後で
襲ってきた涙
泣きながら急いで電話をかけた
受話器の向こうのキミは
私の様子に慌てて
「今すぐ行くから」
走って私の所まで来てくれた
その間おおよそ15分
私は泣いて泣いて泣いて
泣き腫らした後で
つけっぱなしだったテレビに目をやると
そこには大好きなアーティストが歌を歌ってた
慰めてくれているような気がして
私の涙はひとまずその流れを止めた
そしてぼんやりテレビを見てると
息を切らしてキミがやって来た
すっかり泣き終えた私は
テレビを見入っていて
キミは涙の跡を見ながら不満げに言った
「ねえ、もう泣かないの?」
ごめんね
今度キミのSOSには駆けつけるから
ありがとう
大切な友達