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第131回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1実存航石川順一228
2無機質(ジギタリス単位)金河南224
3水色についてTsu-Yo406




 


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エントリ1  実存航    石川順一


膝に卵を擦りつけた男が死んだ
殻が四散し
膝で透明な白身と黄色い黄身が縞をなした

男の遺言による海葬が行われた
葬儀には怪僧ラスプーチンも招かれて
場を和ませた

小型飛行機を使ったエア散骨式は
男の遺言により地中海で行われた
「1+1=ニート」
と言いながら会葬者らによる
記念写真が撮られた直後に
散骨に合わせて破り捨てられて
地中海上空より紙片と化してばら撒かれた

四散した殻は正確に凝集して
男の骸骨を形作ろうとするのだが
いとも簡単に発散した
外光塗料による
放逐を受けて実存航した










エントリ2  無機質(ジギタリス単位)    金河南



 28時間

 水で薄められた折

 ゆるう羽の 静脈を暴かれ
 たおれ
 シリシ.
(薄笑いは心臓に落ちる)

 あの花は 毒を含み入れ

 めぐりながら
 隠し過ぎる
 むせかえる匂いがひとつもふらさずに   __ カチッ

(四.六七七 短針に落ちる)

 死にました 注射から
 書きねめる
 あの花もなにも室内は

 あまいいろみ
 恐怖に澄んだひとみ 手にかける鳥

(ええ ハトです それも 灰色をした)
 明日も
 ひとひらたおれ
 君を
 遮光器にいれて保存するゆび   __ シリシ.






エントリ3  水色について    Tsu-Yo


*
澄んでいく記憶の端から
水色の汽車が走り出します
ため息や欠伸といった
水によく似たものたちを
揺れる貨車に詰め込んで
透きとおる空の下
滑らかなレールの上
どこまでも
どこまでも
水色の汽車は走っていきます
悲しくないときでも
涙は流れるようです


*
小さな女の子が
水色の目覚まし時計を
右の耳にあてています
長い針と短い針が
ゆっくり
ゆっくりと
廻る場所で
秒針だけが人間みたいです
水色の目覚まし時計からは
小さい生き物の
心臓の音がしました


*
今年も水色の巣箱に
ツバメが帰って来ます
あるいはもう
帰ってきている
かもしれません
ぽかん
と口を開けて
男の子が空を見上げています
その空にも
ぽかん
と大きな穴が開いています
お父さんが
鳥の骨はとても軽いのだ
と教えてくれました
よかった
還るところがあって


*
心とはなにか
そんなありふれた問いに
あなたは
なんと答えるでしょうか
わたしは
水色のなにかだと答えます
大切ななにかを思い出した
と言うときの
なにか
としか呼ぶことができないもの