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第14回詩人バトル Entry55

壁の中の女

白く冷たく切ない壁に耳をあて、
貴女の歌を聴く。
ぞっとするほど美しく懐かしい、
好きだったメロディ。
くすんだ頁をめくるたびに込上げる、
思い出の匂い。
神経質な文字が並んだ、
貴女の残した古いノート。

今も貴女は壁の中に、
あの日に望んだそのままに。
今も私は君を愛し、
またそっと壁に耳をあてる。

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