エントリ1
流れ星に願いを タイプ16
太陽が海に入水して
空が夜のまぶたをこじ開けた
その眼球は真っ黒で
あまりにも味気ないから
私たちはありったけのガラスの欠片を集めて
投げつけた
真っ黒な眼球は
投げつけられた欠片がグサリと刺さった痛みから
黄色い涙がこぼれて
私たちはひっきりなしに祈った
黄色い涙は
一度目と二度目の祈りに脅されて
ビクビクと引きこもった
三度目の祈りがトビラをノックする前に
黄色い涙は首を吊って河を渡る
三度目の祈りはカナヅチだったので
ナワに首をかけることができなかった
しかし、私たちはその事実を知らない
今日も私たちの祈りは尽きない
エントリ2
明日への指 はなもとあお
バイバイって言っても
手は振らなかったのに
ススキは揺れた
鍵のかかった部屋で
赤いワンピース
黒い靴
お団子ヘアーの女の子になりたかった
夢
窓から窓へ
紙でできた大量の鳥がはばたき
ショーウインドウが
移り変わる季節に
美しさを連れてくる
あなたの残り香が
優しさみたいに
懐かしさを連れてくる
空
そのものより
輪郭のボケた意見が
空気を冷やすから
部屋を暖める
冬の匂いが
わたしを迎える
懐中電灯が暗闇を照らす
車の中では
かいきに向けた
足音の眠りが
漂っている
戦争を回避するために
少ない支持の
思想を語ろう
そして
明日が来たら
想いを胸に
奏でのための踊りを踊ろう
エントリ3
はっぱのことば Tsu-Yo
きつね つねづね こぎつね きつね
こまって こんこん こんさーと
ことば はのはの ことのは はっぱ
はっぱのことばが わたしにゃきこえん
たんきは そんき たぬきは のんき
こだぬき げんきに かんきに ぽこり
ことば はのはの ことのは はっぱ
はっぱのことばが わたしにゃみえん
つきよが きたよ つぎつぎ きたよ
つぎのひ きたよ つきから きたよ
ことば はのはの ことのは はっぱ
はっぱのことばが わたしにゃかけん
エントリ4
ガイアナ 石川順一
12月11日に
月日を電話番号に
銀行強盗をするんだと
ダイアルを回すと
ここはガイアナで
英語しか通じない
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