第150回詩人バトル結果

おめでとうございます!

今回のチャンピオンは「薄日」凛々椿さんに決定です。

エントリ 作品 作者 得票
3 薄日 凛々椿 4
5 ささやき 石川順一 2
6 脳が脳に脳と サヌキマオ 2
1 背骨をなぞる虚像 金河南 1
2 モンテスキューの悪夢 ヨケマキル 1


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



 推薦作品と感想


■薄日  凛々椿さん
 
感想:冬に読みたい。真冬に。
投票者:その他のQBOOKS参加作者



感想:良い意味で悩みました。
ヨケマキルさんの世界観と言葉遣いが懐かしくて、読んでいてワクワクしましたが、3位で。
2位がサヌキマオさん。傷つきとか痛々しくというところがモワッとして輪郭が浮かび上がってきませんでした。
凛々椿さんの言葉のチョイスとか、イメージの浮かびやすいフレーズとか、ちゃんと心に届いて奥行きが感じられて好きです。
投票者:その他のQBOOKS参加作者



感想:またね
ということばが、すべてを輝かせています。

すきだ。

投票者:このバトルへの参加作者



感想:書いてあることがちゃんと判る順に、と思って読んでいたらそんなによくわかんなかったので、
一番肌に馴染む感じのやつを選びました。
投票者:このバトルへの参加作者


■ささやき  石川順一さん
 
感想:水槽の金魚に文句をささやいていた
というフレーズが良かった
投票者:このバトルへの参加作者



感想:音感が良いなと思いました。
否定の詩が多いように思えましたが(読解力が足りないのかもしれません)
文句をいいつつのんびりした感じがあとに残りました。

暗いことだらけのこのご時世、
意味のいらない詩の世界の中ぐらいは救われる言葉がほしいな、
朗らかな気持ちにさせてほしいな、
と、これは私がただ思っているだけです。

さて、ケーキが食べたくなりましたので。
投票者:このバトルへの参加作者


■脳が脳に脳と  サヌキマオさん
 
感想:どれも自分の思う詩の枠を突き破っていなかった。自分にとってそれは大事な事なので。
唯一この作品がひっかかったので1票入れた。
投票者:このバトルへの参加作者



感想: 脳はそれ単体には痛覚が存在しないので、抉っても炙っても何も感じないとか。
 生物にとって絶対的に必須かと思えば、まあ、それを持っている個体の方が少数派で。
 それを持つ生物にとっては、身体で最も重要であるのに、豆腐程度の固さしかなく、衝撃を与えればそれを守る鎧は無事でも、本体はグズグズ崩れてしまいます。
 そうなったら即座に死ぬかと思えば、案外命は残っていて、ともすれば半分近く取り除いても、それなりに生活が送れたりするのです。
 それはなんだか空恐ろしく、翻って滑稽な物体であります。
投票者:その他のQBOOKS参加作者


■背骨をなぞる虚像  金河南さん
 
感想:私のテイストにあって居ると思いました。以下どうしてかを述べようと思います。第1連。恋の予感を丁寧に描写する。神は細部に宿ると言わんばかりに。第2連。錯覚の恋。しかし作者にとってはむしろ予想通りの流れ。てだれの詩語が展開する。第3連。詩人の悔恨が静かにだが内面で激しく展開する。このあたりの自分の感情の外部委託ぶりは最早コスミック(宇宙的)ですらある。第4連最終連。詩人の優しさが開示される。但しあざといばかりの自己暴露は成功しただろうか。むしろ流星の様に流れて仕舞ったかの感もある。

他にヨケマキルさんの詩。
導入部いせいがいいです。有名人を持って来てつかみはOKと言う感じ。
括弧書きは円谷幸吉氏の遺書を思い出しました。
時事的な話題も入って居るし。現代の世相がそこそこに挿入されて。
そして最後に唐突な「予言」宣言。
「あいなきせかい」を是非読もうかと思いました。

凛々椿さんの詩。カメラアイのズームアップダウンに様々な悲喜こもごもが。自らの心情、信条も。

待子あかねさんの詩。わたしとあなたのストーリー。最後の「すてきなきみの まちがいさがし」は皮肉には響かない。

サヌキマオさんの詩。河童が出て来ます。脳に執着して居る。判断しか出来ない脳。でもむしろそれは脳の特権ですらあるでしょう。河童は最後のおぼれましたか。河童の川流れでは無いですが、やはり長所におぼれると文字通り悲惨なのでしょう。不思議なテイストの詩でした。
投票者:このバトルへの参加作者


■モンテスキューの悪夢  ヨケマキルさん
 
感想: 言葉が刃を持って切りつけてくる。大胆で不遜そして繊細で脆弱、様々な顔を見せながら圧倒的な支配力で迫ってくる。妖しく鋭い言葉たちにからめ捕られるその快感。祝! 預言者復活。
投票者:純粋読者