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第174回詩人バトル

エントリ作品作者文字数
1ウエディング駄々253
2「死にたい」のカイシャクはなもとあお1164
3分岐凛々椿149
4縮小阿片戦争くずゆ95
5実存石川順一92




 


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詩人バトル読書会
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エントリ1  ウエディング    駄々


小遣い欲しさに道端で私に声をかけてきた
歳のわからぬ女と寝て
子供が出来た金をよこせと言ってきたら
責任持つよ一生かけて
ウエディング
たとえ聖女と結ばれようが
待ち受ける道がいばらの道なら
待ち受け画面が可愛いドクロの
頭の悪い女が好きだ
正しく生きなきゃ世間の目がさと
震えて生きるくらいなら
面白可笑しくどうせ誰も見ちゃいないよと
神経ゆるめて生きたほうが
この女だったから厳しい道も足取り軽く歩けたと
遠い未来に思えるかもな

毎日暑いですね
クーラーガンガン効いたホテルで
ナンバーワンの女の子をリクエスト

みんな隠れて楽しんでるから

作者付記:暑い時はアイスを食べよう





エントリ2  「死にたい」のカイシャク    はなもとあお


わたしが言葉の裏側に気づいていなかった頃、
素直に悩みさえうちあけられなくて
煮詰まりながら
世間のいう「絵に描いたような幸せ」を追っていた頃、

「死んじゃう」が口癖だった

裏側に潜むイヤラシサに気づいたのは
ずっとあとのこと
この世界には
「死にたい」を
「身体を快楽の波で満たしたい」
つまりは、射精やオーガスムに至りたい、という
裏側を含む使い方をする人達がいる
そして、
自分がパートナーに選んだ人もそんな人のひとりだった
と、気づいたときの
絶望で
わたしはいままで住んでいた世界から姿を消した

別の地で、生の続き

でも待っていたのは、女としての役割を求められる
つまりは、
結局
接する社会から
性欲の処理にあなたを使いたい、と、いう解釈ばかりに至り
わたしは、ひきこもった
病院と
こどもたちの学校とだけわずかに関わって

「死にたい」
母にそう打ち明けたのはそんな日常でのこと
母はあたたかい「肉まん」をもってきてくれて
わたしはそれを食べた

「肉まん」の意味する裏側さえこわかったのだが

「消えてなくなりたい」
そう言えばよかったのか
肉体を持たずに生きたい
それほどまでの肉体への嫌悪
ひきこもるせいかつのなかで
肉体は嫌悪に潰されて言うことを効かなくなっていった

身体の重みだけが残った中

わたしの世界は病院とだけつながっていた

なんと説得されていたのか覚えていない
でも、
眠っていなさい
とにかく
つらいときは
眠るんだよ
その言葉だけが頭を埋めた

必要最低限の身体活動と眠りの生活がどれくらい続いただろう

過去の悩みをとにかく全部吐き出し
新しく始める気持ちに至った

発表の場所でも
肉体派は主流を占めていた
でも
わたしは書いた
すべて素直に

「途中で(重くて)読めなくなりました」

そんな感想さえ、救いだった

それがわたしだったから

そうして
世界は
摩擦する肉体の快楽と背中合わせで
それを睨んだまま
死にたいをもった ままで
ふたたび生の活動をはじめた

「死にたい」とつぶやく人達がいる
自殺はまだ
この国のたくさんの原因を占めている

肉体が嫌悪の対象じゃない
幸福なひとびと
どうかわらって「イキたいの」なんていわないで

死にたいひとびと
どうか孤独にすべてを諦めないで

言葉
言葉
言葉
身体的ふれあいさえ出来なければ
気持ちをあらわすのも
コミュニケーションをとるのも
すべて解釈される
言葉がすべて

「死にたい」
そう
そこから
言葉を紡いで
理解を得られる人に出会うまでに
命はつながっているのか
はてしなく
ながい
道のり

自害を介錯する刀さえ、いまはもう、なく
卑下たわらいが
屍を積む

この詩さえ
セックスの詩と捉えられる裏側の恐怖

人間は、肉体と精神からできているのよ
そのふたつを
切り離したとき
ようやく
そこに
しずかな
死が訪れる

けれど

生きていくって、生臭いこと

そんな太さ・強さをもって
どうか生き続けて
「死にたい」のカイシャクに負けないで

自分の生きられる世界を探して









エントリ3  分岐    凛々椿


きのう
電線の張替工事があって
声が途絶えた
それからというものの
すずめの親鳥が
トランスのあたりをちょろちょろしている
巣は
除去されていたよ
それから
ふだんはこの街にいないはずのからすが
きのうはとてもうるさかった
すずめの親鳥は
餌をくわえたまま放心している
もうすぐ巣を
巣立つはずだったおおきなこどもたちのために





エントリ4  縮小阿片戦争    くずゆ


大変だ大変だ

三丁目のバーで阿片戦争が起こった

え、そのバーは阿片窟だったのかって?

いやそうじゃない

船乗りとボクサーが一人の女を取り合っただけさ

ちぃと大きいことをのぞいて彼女と阿片のどこが違う?








エントリ5  実存    石川順一


甘い物のプレッシャーは
扉と鐘に化けて居る
知を尽くして
詩作すると
一時間ほどで目覚めて仕舞い
時計を見れば五時五十五分である
結局下へ行き
又上へ行き
十二時四十分頃まで
寝入って仕舞った
今日の実存