第20回詩人バトル Entry32
今日もまた
炎を纏った恐竜は闊歩し
なにかを燃やし尽くそうと存在している
それがいったいなんなのか
それは誰にもわからなくて
炎を纏った恐竜がそこら中を紅く染め上げていくのを
見ていることしかできない
炎を纏った恐竜はいつか
母なる海まで燃やし尽くしてしまうだろう
そんな気がして
目を覚ますと
夢の中の存在であった
炎を纏った恐竜が
僕の部屋の窓から
僕の部屋を覗いている
僕を覗いている
ああ
わかった
宿題も
怒りっぽいお母さんも
酒飲みで乱暴なお父さんも
みんなみんな
燃やし尽くしてくれるなら
炎を纏った恐竜よ
僕を燃やしてもいい