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第20回詩人バトル Entry39

言葉のマジック

君の瞳の中にどんよりとした翳りが見えるのは何故なの。
いくら強気な言葉で飾り立てたって、僕には君の心が見えるのさ。
さあ、その厚いベールを脱いて僕の所に駆けてごらん。
少女の時のように、初めて出逢った日のように。
君は、はにかみながらそっと僕に微笑んだよね。
あの日のあの輝いていた笑顔のように。

君の使っている言葉の中に誤魔化しが感じられるのは何故なの。
いくら愛しそうな言葉で武装したって、僕には君のサインがわかるのさ。
さあ、その気取った口振りをやめて僕の方を向いてごらん。
子供の時のように、『嫌いだよ!』って嘘ぶいた時のように。
君は、くるって僕に背を向けて微笑んだよね。
あの日のキラキラしていた瞳のように。

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