第3回詩人バトル
poem9
彼女は僕に、間違っていないよと言ってくれる。 僕はそれを聞いて安心したりもする。 でも本当は知っている。退屈な日常に行き詰まり、厳しい現実にぶ つかった僕の中の闇が光を欲し、この世の闇を求めている。 それはこの世の闇を恐れ、憎んでいた僕の中の光をも飲み込み、この 世の光から目をそらせる。 やがて再びこの世の光を目にした僕は、きっと希望と絶望の涙の中 で自分という闇そのものを最も憎むことだろう。闇の中に消えていっ た小さな光りのために祈るだろう。僕の大切な光たちまで闇に沈んで しまわぬことを願うだろう。 そして僕はまぶしい光の中で、真っ暗な闇の中へと還っていけるだ ろう。
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