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poem41
もんてす・きう
3つの風景


列車の中から不意に視線を飛ばすと
朝の冷涼な光が 川面に
硬質な衣擦れを起こしているのが観察された。


深い青の空と 切り取られたビルディングの壁と。
その光の境に 確かに存在する幾何学平面では
ぼくたちよりほんの少しだけ早く時間が進んでいた。


夕方の日差しが輝く道路標識では
時間の切れ端が 貼りついたままになっていたけれど
やがて消えてしまったのであった。







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