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poem51
オオタ ナオヒロ
ニコチンコンビナート

 コンビナートに蒼い灯が灯ると、チョット不思議。
 銀色の工場、白い煙、錆びた鉄、未来都市。
 破壊、再生。

 港に着いて、タバコに火をつける。今日は吸いすぎ。
 ソフトパック、紫の煙、ニコチン、吸い殻の山。

 懐かしい町を、僕はと歩く。だけどそこは知らないトコロ。
 僕は、躓いて転ぶ。そこには黒人の死体。笑ってる。
 僕は、驚いて叫ぶ。だけど声が出ない。
 死体はバラバラ。あるのは左足と上半身、血は出ない。 
 
 助けを呼ぼうと、公衆電話に向かう。そこには外国人の娼婦が2人。
 電話をかける僕の耳を娼婦が舐めた。女の舌、吐息、欲情。

 周りには野次馬。僕は怒鳴る。だけど聞こえない。タバコが髪を焦がす。   
 電話から知らない男の声。だけど、どこかで聞いたような?

 僕は、そこで目を覚ます。







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