■ poem55 どんぐり | ||
すずむし 残り蚊をはたく、肌に 静寂がぽつん と響く、その後に続く 足音が去りゆくものを追っている なお 進めば 無音・・・ はたと 駆け出せば りん・・りりりり・・りりりり くぐもる残滓の儚さか 夏土の振動は音のないところに、音をたもたせる 肌を微かに・・りり ひからせて 立ち止まれば りりりり・・・りんりいん 草叢の演奏者は歌いはじめを喜んでいる 芸術家は詩を忘れない 耳の芯に、深々と気配が偲ぶ | ||
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