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poem56
ぶるぶる☆どっぐちゃん
シックス・ストリングス・サムライの美術

月だとか桜の花だとか
自分のカラダだとか心だとか
手にしたナイフ一本でバラバラにして
それをめちゃめちゃに縫い合わせて
それで芸術だ、なんてうそぶいている

解っている。解っているんだ

僕達は結末なんて欲しく無くて
だって答えなんて最初から解っていて
それがあんまり悲しくて
だから
あの青すぎる空に
病院の壁に
白線で切り刻まれた駐車場に
せめてもの意味を見つけようとしていただけなんだ


ふとあなたの事を思い出して後ろを振り返ったけれど
そこには道があるばかりで
その潔癖さに誰もが嫌気がさして
ロックだとかパンクだとか
聖書だとか裏切りだとか
爆弾だとか一面の麦畑だとか
主よ、人の望みよ喜びよだとか
勝手にしやがれだとか
色々なもので壊そうとして、そしてみんな行ってしまった
そのような道があるばかりで
独房で一人にやにや笑っているシド・ビシャスとか
馬鹿なテリー・キャスとか
悲しげな顔のカート・コバーンとか
そのようなものが有るばかりで

誰もいない、道があるばかりで







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