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あなたのメッセージをより多くの人に伝えるために 第9回詩人バトル □投稿受付───8月31日迄(終了) □発表───9月9日〜 □投票───9月9日〜9月30日迄 □結果発表───10月9日 ※ページに不都合などございましたらお知らせください。■
poem1
科長(かちょう)
http://members.tripod.co.jp/katyou/ かってに科長トレーニング
トレーニングすると 痛くなる
腹筋で けつの骨
背筋で こしの骨
うでたてで むねの肉
どこきたえてんだか。
■
poem2
jankynao
http://homepage2.nifty.com/janky/index.html janky janky!マシンガン
あんたは全てを守りなさい
あたしが全てを捨てるから
そしたら潔く 風を切ることにしましょう
今はまだ 吹きゆく風さえ
あんたを泣かせることでしょう
青い 青い空さえ
弾みゆく人さえ
あたしの赤い光線さえ
邪魔で仕方がないのでしょう
分かっていて欲しいことを
何度も何度も口にして
あんたに言い聞かせるのは
何度も何度も耳にして
保っていたいと分かるから
すがりつきたい其れは
あんたを受け止めるし
あたしが全部済んだことにしてあげるから
眠るときにはお伽話を聞くことにしましょうか
あんたがきちんと泣くために
あたしは決して泣かないけれど
もう 我慢ならないのよ
ぶっ放すためにある マシンガン
いいわね 使うのはあたしだけ
あんたはすぐ逃げるのよ
そしたら済んだその後で
2人で潔く 風を切ることにしましょう
■
poem3
dew
http://members.aol.com/dew109y/ 塵と灰の中ではじめまして
そのままでいい
そのままの君でいい
存在価値の無い人はいない
正も
悪も
無い
そのままでいい
そのままの君でいい
そのままで
愛を知るその日まで
愛を知って後も
そのままの君でいい
ただ生きる
ただそれだけでいい
誰にも殺されないように
僕は君のただそれだけを願う
いつか君が愛を知れるその日まで
■
poem4
SPASHニッポンの男
刃に見える光の束に
血はいらない
陽炎睨む眼の輝きに
涙はいらない
地を歩く丸太の足に
汗はいらない
男が背負う日の丸に
男が夢見る明日の朝に
必要なのは
時と君だけ
■
poem5
狭宮良 祇簾
http://willowslord.tripod.co.jp/ Deepsea * 2001。夏のことば
せんこうはなびに へびはなび
しだれやなぎときくのはな
極彩色の天はくろ
せみのは かみなり やなのあゆ
すいかあげはとおにやんま
極彩色の山はあお
ふうりん うつわにもるこおり
かわばた ゆうにともるいえ
あれは あのこのかえるこえ
どこまでとどく のびるかげ
だいだいいろに そまるかげ
極彩色の夏はゆき
なつは そのいろ そのすがた
晩夏はまだか 残暑はどうか
夏が終わりに近付くと
陽の落ちるのが早くなるのか
陽の落ちるのが早くなるから
夏が終わりを告げるのか
たしかな足音を 聴け。
■
poem6
Rio(リオ)
http://www.dd.iij4u.or.jp/~aho/ 眠れぬ夜の眠れる話まあ いいか
まったくもー、しょーがないヤツだなぁ
まあ いいか。
俺も どーしよーもないヤツだし
まったくもー、しょーがないヤツだなぁ
とりあえず 俺のほうから謝るよ
傷ついたのは おたがいさまだし
もし君が 俺をまだ許してなくて
謝ったとき 素っ気ない態度をとっても
俺は一人つぶやくんだろう
「まったくもー、しょーがないヤツだなぁ」
■
poem7
深谷 章
http://www.simcommunity.com/sc/kokosei/akira_f/ FOR THE PRESENTmarionette
プラットホームの上で 君たち二人は手を繋ぎながら
思い通りに踊る僕を見て笑っていたのかな
知らない間に結ばれていた釣り糸は
キラキラ光っていつしか僕の涙に替わってくれたらいいのに
電車が来るまでの数分間 僕は一人で妄想していました
両手で潰した小さなぬいぐるみは
あの娘(こ)に貰ったもの
知らない間に食べ過ぎていたしょぼい夕飯は
胸の苦しみを消してくれました(かわりにお腹が苦しいです)
慣れていたはずの独りでの家路が
あまりにも重くて暗くて寒くて
僕はもう上手く動けない笑えない
あぁ 糸が切れたのかな
でも 自由じゃないね
■
poem8
いとう
http://member.nifty.ne.jp/prayer/ OVER THE SINカラフルメリーダイヤモンド
カラフルメリーは自分の名前が大嫌い
カラフルメリーを本当の名前と信じたがってる
唐辛子よりブラックペパー
胡麻油よりオリーブオイル
テーブルの上の醤油が死ぬほど恥ずかしい
天国のパパとママには内緒の話
カラフルメリーはシャネルもグッチも馬鹿にする
カルバンクラインはちょっと許す
ベネトンにあこがれて
この前コンドームを探したけど売ってなくて
しょうがないからミチコロンドンで我慢
カラフルメリーは高島屋で買い物なんかしない
渋谷109でショッピング
エゴイスト好き好き愛してる
新宿タイムズスクウェアも好きだけど
高島屋だから行かないことにしてる
カラフルメリーは男の子大好き
近所のタクヤ君は渋くてステキ
コクったらもう彼女がいるって聞いてシクシク
でも今度一緒にお茶するつもり
センター街ウロウロしてナンパもOK
年下の子なら逆ナンもOK
カラフルメリーは夜遊びもしてみたい
でもお肌に悪いので夜はスヤスヤ
最近化粧のノリが悪くて我慢ガマガマ
みんなでオールする夢を見る
さてここで問題。
カラフルメリーは今年で何歳?
カラフルメリーは今年で還暦おばあちゃん
でも自分の歳なんか忘れて
毎日きらきら光っている
■
poem9
葉月みかFlash
あたしは泣いてるあたしを見た
そのあたしは水の入っていない金魚鉢の中で膝を抱えて座ってた
傍らでしおれてる水草が嫌だったけど
足元に死にかけの金魚がいないだけましだったのかもしれない
泣いているあたしはひどくみっともなかった
泪でベトベトの頬に髪がはりついてたし
横隔膜に癖がついていびつなしゃっくりをしていた
それを見てたらあたしはなんだか無性に腹が立ってきた
――そんな風に泣く子はキライよ
金魚鉢の中のあたしが死にかけの金魚よりも早く跳ね上がった
でもそれより驚いたのはあたしの方だった
――あんたのその目が嫌だって言ってるでしょ
怯えた眼差しを隠すようにすばやく目を伏せたあたしを見て
ものすごくイライラしながらトゲだらけの言葉を投げつけた
あたしにも止められなかった
まるでママそっくりだった
あたしはその声でその口調であたしにとどめを刺す
*
あたしは泣いてるあたしを知った
目が覚めたら泪でベトベトの頬に髪がはりついてた
陽光に晒されてユラユラきらめいてる金魚鉢の中で
ピクリともしない金魚が微かな悪臭と一緒にただ漂っていた
■
poem10
もん
http:/www1.odn.ne.jp/~cbr76620/ 形なき世界かりそめ
生きるの死ぬの
小さいことでごちゃごちゃ言ってんじゃねえ
うまく言えないけど
そんなものじゃ語れない何かがある
自分のため?
他人のため?
小さすぎて反吐が出るぜ
オレは生きている
この広い世界で
かりそめの体
時間という名の制約を受けて
変わりはしない
例えその時が来ても
戻るだけなんだ
あるべき場所に
■
poem12
トキ夢見る子供
意味もなく振るえちまったことがあるだろうか?
20歳前後の夏の夜。
このふるえはなんなのだろう?
何者でもなく、何者にもなれたあの頃。
削り取られる人生の痛み。
何者かになり、何者にもなれなくなる時。
言いしれぬ恐怖はなんなのか?
見透かされた、可能性。
何かを探す、しょうもない僕。
誰もが孤独なこの世界。
夢見るガキが一人きり。
どこかに僕はいるんだろうか?
何かを見つけたあの日のアイツ。
今でもまっすぐ、走っているかい?
諦めちまったあの日のアイツ。
其処は此処より幸せかい?
此処もゆうほど悪くはないよ。
何かを見つけ、何かを捨てる。
諦めきれない、いつかの気持ち。
動かずボヤく、ダメな僕。
誰もが必死なこの世界。
夢見るガキが一人きり。
■
poem13
密(ひそか)無題
それは酷く曖昧とした印象
朱鷺色の空に感じる理由なき恐怖
橙色した薄暮に憶える原始の郷愁
夜の闇に潜む原色のパトス
いつから私はこの瞳に映るものを信じることをやめてしまったんだろう
それでも空は果てを知らず蒼く 太陽は残酷なほど眩しく私を責める
真昼の空に取残された迷い子の月は白く 夜を待ってるー私と同じに
コンクリートの現実に響く空虚な倦怠
氾濫する感情に薄れゆく無価値の真実
自信過剰のegoが描く遥かな理想
それはあまりにも漠然とした情熱
■
poem14
ジーノ
http://www1.ocn.ne.jp/~dreamhp/tobira.html 叢雲キズアト
今日受けたキズが
僕の心を汚していく
キズの記憶 キズの恐怖
それらが深いキズアトとなる
昨日できた深いキズアトが
僕を優しく時に悲しく厳しくする
キズの記憶 不安と猜疑心
打ち払おうと笑顔をつくった
キズの記憶が臆病な自分を作り出す
あなたのナイフに怯えて
いつもと違った笑顔で応える
鏡から眼をそらして
それでも仕方ないよと呟いた
このキズアトが消えることは無いけど
いつかやわらかなものになるまで
僕はあなたを騙しつづけるよ
キズの記憶が偽りの自分を作り出す
あなたのナイフに怯えて
偽りの笑顔で応える
”いつか”を夢見て
それまではごめんと呟いた
■
poem15
木葉一刀(コバカズト)
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Orion/7952/index.htmlC−lover(クローバー)
さぁ
僕と君は耕す
口付けから始まる
A−Lover
さぁ
僕は君に種を蒔く
触れ合う吐息の
B−Lover
さぁ
僕の種は君に芽吹く
Love&Peace
C−Lover
■
poem16
ゆつ子
http://www5c.biglobe.ne.jp/~yutsuko/ 自己紹介本音
恋にはなれたフリしてても
ばれちゃうこともあるんだね
駆け引きは苦手
初めましては簡単だけど
又会う日までは難しいリズム
遊び半分のつもりが
いつのまにか本気になって
私が私を困らせる
好きって言えることが まま
本心って事もあるんだね
駆け引きは苦手
自分から言うのは簡単だけど
相手に言わせるのは難しい事
次へのつなぎのつもりが
いつのまにか本気になって
私が私を困らせる
本当は19歳が言いやすかった
何時の間にか過ぎ去ってて
デモ 不得意科目
本音を言うのは簡単だけど
分かって欲しい私も本音
遊び半分のつもりが
いつのまにか本気になって
私が私を困らせる
■
poem17
かずみ
http://www.juno.dti.ne.jp/~aaa/ We're Alive.Sunny nEst.
眠るときは明かりを煌々と灯して、夜を追い払う。
にんげんの、他の誰にも負けない唯一つのちからで。
文明のひかりを寄せ集めて今夜の巣をつくる。
明かりを灯そう、闇を照らし、夜を追いやり、
朝まで。
太陽の加護は、半日を待たなくては帰ってこない。
■
poem18
創秘密基地
一番広いと思っていた場所
二人だけの秘密基地
あの日の君はもういない
あの日の僕はもういない
褪せた記憶を食い尽くす
夜空に居座る月を見上げて
誰もいない無情の地
何も見えない無我の空
■
poem19
空人
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/6650 白夜のカフェ。メロンとラブソング
君はおいしそうにメロンを食む
僕はヘッドフォンをしている
君はスプーンをくわえ うれしそうにメロンを食む
僕の耳からはラブソングが流れている
僕は君をじっと見つめる
君はおいしそうにメロンを食む
僕の耳からはラブソングが流れている
君は僕の視線に気づき なにか言っている
君の言葉は 僕にはきこえない
僕はただ微笑みをかえすだけ
君はまたメロンをすくう
僕の耳にはラブソングが流れている
■
poem20
如月冬雅
http://members.tripod.co.jp/kisaragitouga/ 天使ノカナシミWish
もしもこの世で死というモノを持たない人間がいたとしたら…
死を望むのだろうか…?
時が止まる事は無く、「死」という逃げ道は存在しない…
たとえ愛す人が死んでも…どんなに思い罪を背負ったとしても…
許されない逃げ道…
誰からも恐れられ、誰からも愛されない…
一本道の人生は、ゴールが全く見えなくて…
その道を歩いているあなたは、何を思うのだろうか?
哀しみ?怒り?喜び?
それとも…何も感じず、ただその道を歩いていくだけですか?
誰かあの人を愛して下さい…先にあの人を手放した、ボクの代わりに…
■
poem21
無造作紳士
http://www.simcommunity.com/sc/cools/mitukaze BLUE HEAVEN暗い道
夜の山道を
壊れかけのバイクで走る
ブレーキのない
速度だけの世界
埋まらない物を求めるけど
エンジンの音しか聞こえなくて
だけどだけどそれだけじゃなくて
自分を壊す足音が聞こえて
恐怖だけ孤独なんだ
やっぱり劣等感のベッドに埋もれて
夢魔に食われるまでの道程を
僕は急がせている
結局はまっすぐなんだとおもう
■
poem22
ちくたくひとつ
ぽつり 晴れた雨天に
ぽつり 膨らんだ穴ぽこと
ぽつり 窪んだ突起
ぽつり 無数のわたしがひとつ
ぽつ ぽつ ぽつ ぽつ
ぽつり 冷めた熱空に
ぽつり 褐色の透きた影と
ぽつり 暗黒の虹彩
ぽつり 喰われた骸が生きる
ぽつ ぽつ ぽつ ぽつ
■
poem23
ちょり
http://www.fides.dti.ne.jp/~s-sen/main.htm 地球のいちばん長い午後東京
ひとりっきりの部屋でテレビつけて
寝転がる
テレビがうるさいって思う
買ってきた牛丼を食べる
しょうがが辛くて涙がでた
いつか
牛丼がどんどんどんどん安くなって
20円とか30円になっても
わたしはこうやってまた何度も泣くんだ
ごちそうさま
ペットボトルの魚が笑う
きみもかなしいの
■
poem24
濱 妃都美オオキナヒトガ涙スルヒ
母を思うと泣けてくる
嫌がってばかりで ごめんね
本当はもっと素直になりたかったよ
わがままは子供の特権だなんて言わないから
もっと泣いていいよ 泣いていいよ
わたしの笑顔は あなたを安心させる
あなたの笑顔は すべてを 包み込んで許す
母を思うと切なくなる
逃げてばかりで ごめんね
ずっと1人で寂しかったんだよね
声をあげて弱音吐くことを 恐れないで
肩を並べて黙って 聞いているよ 頷くよ
わたしの話は 未来を夢見ること
あなたの話は 瞬間を受け入れること
いつもそばに感じられるのは あなたの存在
だけど突き放したくなるのは あなたの優しさ
「あたし」が尊ぶのは あなたの生き方
「あなた」が尊ぶのは あたしの足跡
喜ばせることは 難しくても
悲しい出来事は 背負ってあげたい
だから話して 泣いて すがって
本当のところいい言葉は言えなかったけど ずっと心で歌っていました
「子守り歌」
あなたの声を思い出しながら
■
poem25
璃玖「まぁ、いいか」
いつも触れていると
ありがたみがなくなるような気がして
時々だけど
冷たい素振りをした。
そうしたら
今度は君の方から触れてくるから
なんかどっちでも同じような気になって
結局、僕は
遠慮なく君に触れることにする。
まぁいいか。
■
poem26
沙汰my dear person
あなたの瞳が私を見なきゃ
そんなの在っても仕方がないわ
私がこの手で刳り抜いて
私の中にとかしてあげる
あなたの声を私に向けなきゃ
そんなの発する必要ないわ
私の唇重ね合わせて
あなたの舌を噛み切るの
あなたの腕が私に触れなきゃ
そんなの付いてる必然ないわ
私がその手を切り裂いて
シチューか何か作りましょう
あなたの全てを煮込みましょう
私がみんな食べてあげる
包丁についた血の一滴だって
無駄になんかしないわよ
だから一緒にいきましょう
拒んだあなたが悪いのよ
私の心をもってった
そんなあなたのせいなのよ
私のことを恨んでいいわ
でも恨む理由もないわね
あなたは私にとけ込んで
それがあなたの幸せよ
私とあなたは一つになるわ
心も身体も一つになるの
これが宿命だったのよ
私とあなたは元々一つ
全てが元に還るだけ
■
poem27
タマ負け犬の呪文
家に帰ろう
お土産を 片手に下げて
家に帰ろう
頭をたれて 肩を落として
あと1歩
踏み込めば
生ぬるい空気がある
苦しいほどに柔らかな
玄関の電燈に照らされた
赤い郵便受けとにらみ合う時間
足元に飛んできた蛙に驚いて
飛び退った足元に一輪の花
靴の裏には
踏みにじられてなお
闇の中に
きりと凛々しく
すがすがしい白の花弁が
深呼吸して。
くるりと踵を返す
真っ黒な道を走る
小さな背中が夜に溶けていく
■
poem28
池永考志断片詩
そういうわけで、祖母を殺したのだが、この事については、誰も何も言わなかったのは一体どういうわけだ?
俺は目立つ服(銀とオレンジのラインの入ったアルミスーツ)を着ていたし、
大声で演歌(天城越え)を歌っていたし、
何より、俺は警察に出頭したのだ!
なのに、なのに、追い返しやがったのだ、あいつらは!
日本の警察が駄目だということは知っていたつもりだが、殺人犯を目の当たりにして、よもや追い返すとは・・・。
さすがの俺も、呆れてしまって、悔しいやら、悲しいやらで、泣いてしまった。
そうして、俺はおめおめと家に帰ったわけだが、クソッタレの家族の連中は、祖母の死体を見ても、何の反応も示さず、居間に祖母の死体が転がっているというのに構わず食事をしていた。
俺はいい加減に頭にきて、
「おい!ばあちゃんの死んどうのが見えんとか!何でのんびり飯食いようとやっ!」
と叫んだのだが、家族はみんな、
「おかえりなさい」
と言ったきり黙ってしまった。
俺は何だか怖くなってしまって、家から逃げ出した。
しかし、玄関から一歩出た途端に、家族が全員で俺を追いかけ始めた。
俺は本当にびっくりして、全力で走ったが、小学校3年生である弟が、驚くほど速いスピードで走り、俺のT−シャツの裾をつかんだ。
「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!離せえええぇぇぇぇぇっっっ!」
―――――断片ゆえ、途切れる―――――
片桐医師「ですから、死体ですよ、死体!手に入るんでしょ!」
電話の声「え、ですから、こっちと致しましても、出来る限り、全力で・・・」
雑音が入ったかと思うと、電話は切れた。
ああ、電話線を切られたのだな、片桐医師は直感できた。
わかるのだ、彼には。なぜ、
―――――断片ゆえ、途切れる―――――
「次のニュースです。長崎県佐世保市における・・・」
僕はテレビを消した。
ねえ、メアリー、聞こえるかい? 僕は約束通り帰ってきた。
この街で僕は、君の墓を掘るよ。大きな大きな墓にしよう。
花もたくさん飾ろう。きれいな鳥が来るように。
そうだ、墓に刻む文字はどうしようか?やっぱりオシャレなのがいいだろう?
僕の友達で彫刻がすごく巧い奴がいるんだ。そいつに頼んでみようか?
―――――断片ゆえ、途切れる―――――
貝殻が足に刺さり、血が出た。
それだけのことを説明するのに1時間も費やした。
これだから人間というやつは。
その点、我々は、
―――――断片ゆえ、途 ― ――
■
poem29
talmiZOO
君たちは
明日があることも知らない
そこで
何をしているの?
君たちは
明日があることを知っている
そこで
何をしているの?
■
poem30
肺魚泣いているよ
泣いているよ
泣いているよ
泣いているよ?
どうしたらいつか癒してもらえる?
どうしたらいつか探してもらえる?
どうしたらいつか抱き締めてもらえる?
叶わないの?ずっと
はじめて抱き合った時傷口縫い合わせたもの あたしと居るくらいなら痛い方がいいって
あたしが寝てる間に離れてた
起きてから離れたあたし狂ったみたいに願ったけどもう戻らないからね
離れてくきみの足音数えながら泣いていた
いつか許してもらえる?
いつかまた信じてもらえる?
駆け足で走ったから身体中痛くて きっと死んでしまうんだわ。
もう遠すぎてあたし見つけられないまま
■
poem31
うねむら みくそらのゆめ。
わすれたゆめ。
きいろのそら。
せかいはいつでもあたしのものだったのに・・・・・・。
ずっとそのままでいてよ。
あたしのいろでいて。
ずっと、ずっとよ?
さびしいそらはいつもあお。
■
poem32
M・虎次郎何なのか?
それは一体何なのだろうか?
とても柔らかくて 気持ちいいものだと思ったら
時にひどくトゲトゲしくて 触ると傷ついてしまう
無視してしまえば とても楽な気もするが
やはり気になるものでもある
これは一体何なのだろうか?
そこにある不可解で 不鮮明なもの
目に映るものだけが真実とは限らない
目に見えないけれど そこにあるもの
心という 曖昧で確かなもの
■
poem33
rin
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/4054/index.html - as a crystal -許す
許す。
辛くとも。
たとえ
あなたが
誰かと迎える朝でも
それが
あなたの
身勝手と知っても
たとえ
あなたが
私を必要としなくても
それが
すべての
真実と知っていても。
許す。
辛くとも。
それが「愛」だと言うのなら。
許す。
私は
いつまでも
私を
許す。
■
poem34
氷月 そら手紙
目覚めてまず すること
水道をひねってコップに水を入れ 1口だけ飲む
それから 水の入ったコップもそのままに
なにもない部屋のすみっこにうずくまり
そうしてただ待っている あなたからの手紙を
時々 思い出したように立ち上がり
あなたの嫌いだったトマトをほおばる
そうしてただ待っている あなたからの手紙を
日が落ちて ベッドに入る
夜中 ふと目が覚めて
どうしようもなく苦しくて、おしつぶされそうで、
あわてて引き出しの奥から あなたからの古い手紙を出してきて
月明かりの下で ただ ながめる
丸っこい、少し読みにくいあなたの字
そうしてただ待っている あなたからの手紙を
■
poem35
山本航平幸せ
“日光の光”という言葉はおかしい
日本語として二重になっているから徒労
唇の徒労
どこまでおおちゃくやねんな
知らないうちに日が沈んで
まぶたの徒労
いつの間にかみんな帰って
やっぱり徒労
決して辛くない
涙というのは不思議だけど
わかる気もするな
何だって食べようか
好き嫌いなんて忘れちゃったよ
新しいモン出してくれ
新しいモン、やんちゃ盛り
花の都、inマイルーム
■
poem36
日野とうこ月曜の憂鬱
長い長い休みが終わった
5年8ヶ月の長い長い休みだった
あんまり休みに馴れすぎると
休みじゃない日の過ごし方を忘れてしまうのだろう
隣にあの人がいることに馴れてしまっていて
今 その不在に戸惑っているように
長い長い休みは終わってしまった
休み明けの月曜は憂鬱だと 人は云う
だからこの重い気持ちはきっと
月曜の憂鬱と同じもの
ただ それだけのもの
あの人と別離れて独りで歩き出す
今日の憂鬱は
■
poem37
HEADPHONE SMIRNOFF虹の橋
新緑の 潤い薫らぬ街に 産まれた しなやかに 微笑み 伸びるように
威厳ある 立ち姿に 高揚に満ちた肌 踊る 触れる 辿り着いたら
何処へ行きたいか いってみな 何処で生まれるか 覚えておきな
踊る 触れる 不死鳥 瞳に野蛮 指に情念を 脳に潜り スイッチに触れ
染みる色 虹の橋 眩んだ脳裏 眠気眼によぎる薄情な愛 立ち尽くす恋
さよなら 未熟な恋 さよなら わたし ありがとう あなた さようなら
■
poem38
3104エコイスト
ゴミ
ゴミがゴミゴミ
ゴミゴミのゴミはゴミ箱へ
ゴミ箱がゴミでゴミゴミ
ゴミゴミゴミ箱のゴミは大きなゴミ箱へ
大きなゴミ箱もゴミでゴミゴミ
ゴミゴミ大きなゴミ箱のゴミはもっと大きなゴミ箱へ
もっと大きなゴミ箱もゴミでゴミゴミ
ゴミゴミもっと大きなゴミ箱のゴミはゴミ捨て場へ
ゴミ捨て場もゴミでゴミゴミ
ゴミゴミゴミ捨て場のゴミはもっと広いゴミ捨て場へ
もっと広いゴミ捨て場もゴミでゴミゴミ
ゴミゴミもっと広いゴミ捨て場のゴミはゴミ収集車
ゴミ収集車もゴミでゴミゴミ
ゴミゴミゴミ収集車のゴミはもっと大きなゴミ収集車
もっと大きなゴミ収集車もゴミでゴミゴミ
ゴミゴミもっと大きなゴミ収集車
もっともっと大きなゴミ捨て場求めて
いつまでも走り続ける
■
poem39
藤原和基道草
何も言えずに帰る通学路
土砂降り雨に涙も忘れた
明日が晴れたら
笑顔になれるかな
二度と届かない
夢は見ない
苦しくても
もう戻れない
過去は見ない
Disappear
never
again.
■
poem40
コウモトアスミ
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/6452/index.html foolontheplanetno more nostalgia
眼球の裏側で
繰り返されるflashback
回転する車輪
shutter speedは
1/54000
灰色の世界に
一瞬の白い瞬き
planeteriumが
映し出す
道化師の生首
黒い宇宙に
赤い鼻が鮮烈
誰もいない公園の砂場で
バービーとウサギが
演じるfamily drama
暗幕は
晩夏の橙
四体の人形
programされた言動
カチリ カチリ
いやらしい不協和音
ネジはいつになれば外れるのだろう
電池はいつになれば切れるのだろう
白色灯の中に潜む
幻想の青
■
poem41
もんてす・きう3つの風景
1
列車の中から不意に視線を飛ばすと
朝の冷涼な光が 川面に
硬質な衣擦れを起こしているのが観察された。
2
深い青の空と 切り取られたビルディングの壁と。
その光の境に 確かに存在する幾何学平面では
ぼくたちよりほんの少しだけ早く時間が進んでいた。
3
夕方の日差しが輝く道路標識では
時間の切れ端が 貼りついたままになっていたけれど
やがて消えてしまったのであった。
■
poem42
イグチユウイチ
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/8364/toppage.html 四畳半シネマコントラスト
レンズの向こうのあなたにシャッターを切る事が、
今の僕の精一杯です。
白い壁の町。
窓辺には、花。
風が、吹いていきました。
■
poem43
sachi
http://www6.ocn.ne.jp/~sachi-q/index.htm生活必需品
いくつもの角と面で覆われたグラスの反射で
大きいはずの壁やテーブルや全部
部屋にあった物が細かく砕かれ
ジュースのように私の胃に流れ込んだ
刺激された満腹中枢と殺風景な部屋に
足を伸ばしても寝転がっても
ぶつかる物が見つからなくて
仕方ないからその場に座り込んだ
珍しい胃の中身は体が異物と認める前に
速やかに また普段の生活を彩った
■
poem44
春九千あつい
暑いなぁ
あぁ〜あづぅ・・・熱"いっ!
・・・アツイなぁ
■
poem45
Lapis進路希望調査
工事の音が 耳に響く
ひまわりの花は とうとう枯れてしまった
進路希望調査の紙は 真っ白だ
まだ 十五年しか生きていない私
まだ 将来のことを考える余裕などない
時計の音が 耳に響く
家族は とうとう寝静まってしまった
夏休みの課題は 手がつけられない
まだ 子供でいたかった
でも 大人になっていく
それでも 進路希望調査の紙は真っ白だ
■
poem46
葉月涙鏡花水月
真っ赤な油と
真っ青な液体が
混ざってゆく。
痛み
+
癒し
÷2
= Sunset
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poem47
敦煌
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/4577/index.html 我道ありがとう
君にありがとうって言いたかった
軽く流されても
冗談に思われても
君にありがとうって伝えたかった
「ありがとう」なんて安っぽすぎるかな?
「ありがとう」なんて心に残らないかな?
どんな形でもいい
君にありがとうって言いたかったんだ
何の取り得も無い僕が唯一君にあげられる物だから……
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poem48
橘咲ぶら さげられるもの
異空の胃空は大粒の胃酸と垂らしつづける
理性の欠けた雌馬は涎を垂らしつづける 足下に埋まるパゾリ−ニの左手中指に
あかく煤けた頬を擦りあう南大東島の引退漁師
カサホロと落ちる白い粉を大口開け待つ老童
湿った前掛けを尚濡らし乳吸う髭生えしわが子
狂い行く道程を意識できた時あなたは何をみるのか
震える眼球あなたの顔
切り落とした手震えている
ぶらさがっている
自分でなく
Kuuがぶらさがっている
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poem49
大覚アキラ鎮魂歌
天使の羽根もぎとって、
あそこで泣いてる子供の背中に
そっとつけてあげたい。
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poem50
chitoku人民帽
一人路上の喧燥を離れ
乱立するビルの屋上に出る。
歩行者天国に凝集している、黒い、
砂鉄玩具のような人間の頭。
秩序なく広がる頭の群れは、
同じく広がる建造物と溶け合う。
風に煽られ、天を見るとき、
自転車に乗り、
人民帽をかぶり、
押し寄せる、灰色の、
灰色の大群衆を夢想する。
「一人位殺したって、分かりゃしない。」
蟻一匹殺すのとどこが変わる?
命の重さ?何のことだ?
よく晴れた「気持ちの良い」空に腹を立て、
もう一度下界を見下ろすが、
雑多な黒い頭が、激しく脈を打つ、
人民帽が消えない。
何なら、飛び降りてみようか?
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poem51
オオタ ナオヒロニコチンコンビナート
コンビナートに蒼い灯が灯ると、チョット不思議。
銀色の工場、白い煙、錆びた鉄、未来都市。
破壊、再生。
港に着いて、タバコに火をつける。今日は吸いすぎ。
ソフトパック、紫の煙、ニコチン、吸い殻の山。
懐かしい町を、僕はと歩く。だけどそこは知らないトコロ。
僕は、躓いて転ぶ。そこには黒人の死体。笑ってる。
僕は、驚いて叫ぶ。だけど声が出ない。
死体はバラバラ。あるのは左足と上半身、血は出ない。
助けを呼ぼうと、公衆電話に向かう。そこには外国人の娼婦が2人。
電話をかける僕の耳を娼婦が舐めた。女の舌、吐息、欲情。
周りには野次馬。僕は怒鳴る。だけど聞こえない。タバコが髪を焦がす。
電話から知らない男の声。だけど、どこかで聞いたような?
僕は、そこで目を覚ます。
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poem52
taku
http://www16.u-page.so-net.ne.jp/tb4/tak23/ にーと・にーと・にーと月並みなカタチ
言葉に出す程キレイじゃ無いから
言葉にも満たないカタチを満たす。
何時まで続くかは判らない。
きっと続く限り夢を手に入れ
夢の数だけ言い訳が増える。
君が首を傾げる程に、
満更でもないと僕は誇る。
やりばの無い話である程、
とりとめのない今に憧れる。
言葉一つの始まりを知り、
修復出来ない過去に焦がれる。
それでも僕らは
この先をちょっとだけ期待する。。。
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poem53
ゆーこ
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=orizume まつぼっくりのおりづめネット版春だ 目覚めよ 目覚めよ 私!
(I shut myself in…)
昼夜逆転 空に丸いホシ
いつからだろう
月と一緒に 目覚めた夜って
何度目だろう
触れるモノ 皆 拒絶して
数えてみれば 12(トゥエルブ)
窓を開けたら ヤツがいた
あの時と変わらない表情で
風はいつしか 春になり
変わらぬ私をそっと誘い出す
「怖くないよ」と
昼夜逆転 空に丸いホシ
いつからだろう
太陽の顔 見なくなったのは
忘れるくらい
前のモノ 皆 見ないフリ
私の世界 私(ココ)だけ
窓の外から ヤツが呼ぶ
あの時より優しい表情で
香りがそっと 春を告げ
おびえる私をそっと誘い出す
「待っているよ」と
報道は事実を飾り立てる
それが足かせになっていた
だけど
本当は そう 変わりたい
あの時の私を脱ぎ捨てるの
季節に乗って 新しい
素敵な私をそっと呼び覚ます
「大丈夫よ」と
(I change of mind…)
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poem54
那智日々模様
刻一刻と 留まる筈もなく
隠れずそこに在り
一定を持たず
刻一刻と 変わらない筈なく
隠せずここに在り
安定も持てず
空模様 心模様
晴れた日に笑えなくても
雨の日に泣いていなくとも
数えはしない空眺め
数えられない心抱え
織り成す重なる
人間模様
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poem55
どんぐりすずむし
残り蚊をはたく、肌に
静寂がぽつん と響く、その後に続く
足音が去りゆくものを追っている
なお 進めば
無音・・・
はたと 駆け出せば
りん・・りりりり・・りりりり
くぐもる残滓の儚さか
夏土の振動は音のないところに、音をたもたせる
肌を微かに・・りり ひからせて
立ち止まれば
りりりり・・・りんりいん
草叢の演奏者は歌いはじめを喜んでいる
芸術家は詩を忘れない 耳の芯に、深々と気配が偲ぶ
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poem56
ぶるぶる☆どっぐちゃんシックス・ストリングス・サムライの美術
月だとか桜の花だとか
自分のカラダだとか心だとか
手にしたナイフ一本でバラバラにして
それをめちゃめちゃに縫い合わせて
それで芸術だ、なんてうそぶいている
解っている。解っているんだ
僕達は結末なんて欲しく無くて
だって答えなんて最初から解っていて
それがあんまり悲しくて
だから
あの青すぎる空に
病院の壁に
白線で切り刻まれた駐車場に
せめてもの意味を見つけようとしていただけなんだ
ふとあなたの事を思い出して後ろを振り返ったけれど
そこには道があるばかりで
その潔癖さに誰もが嫌気がさして
ロックだとかパンクだとか
聖書だとか裏切りだとか
爆弾だとか一面の麦畑だとか
主よ、人の望みよ喜びよだとか
勝手にしやがれだとか
色々なもので壊そうとして、そしてみんな行ってしまった
そのような道があるばかりで
独房で一人にやにや笑っているシド・ビシャスとか
馬鹿なテリー・キャスとか
悲しげな顔のカート・コバーンとか
そのようなものが有るばかりで
誰もいない、道があるばかりで
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