第20回中高生1000字小説バトルチャンピオンは、
水姫マリィさん作『幸せになりたい実験犬。』に決定しました。
おめでとうございます!
感想票をお寄せいただいた読者の皆様、ありがとうございました。
# | 題名 | 作者 | 点数 |
---|---|---|---|
9 | 幸せになりたい実験犬。 | 水姫マリィ | 2 |
8 | バイバイキャット | くぬぎ化小径 | 1 |
すごく悲しくって、読んでいる方まで寂しくさせられました。
今回はかなりハイレベルなバトルだったと思います(20回記念??)
いつもは構成力とか描写力で決めたりするのですが、
今回は決めきれずに自分の好みを優先しました。
『幸せになりたい実験犬。』
文体とキャラがとても好きです(^^)
多用される"?""!"が主人公の幼さ、無垢をよく表していると思います。
また、今回バトルの中で一番素直に感情を表している作品だとも思いました。
そういう作品、好きです。
原稿作法には少し難点があります("?""!"のあとは1マス開けです)が、
それをふっとばすほど萌えました。
ケモナー(動物キャラ愛好者)として1票!!
以下、うちが「うまい!!」と思った作品への感想です。
『会心の一撃』
読みやすい作品です。
主人公の不健康おデブゲーマーぶりの描写が個性的でうまいです。
文体としては今回のバトルの中で一番好きなものでした。
『太陽消毒』
風景にせよ、心情にせよ、とにかく詳細な描写が目を引きました。
描写のリアル度でいえば今回バトルの中で一番でしょう。
でも、ストーリーが少しありきたりな感じがしました。
これだけの描写力があるなら、もっと"ぶっ飛んだ"世界でもリアルに描けるのに…
…と描写力不足のうちは思いました(^^;)
『飲み込む子供』
最後の"水をたくさん飲むようになった"っていうのが、なんかすごくよかったです。
拒食症・過食症は「ストレス系作品」でよく見ますが、水って言うのは新鮮ですね。
水自体の流動性も合わせて、この作品に合っている感じがしました。
ただ、字数が足りないのが気になりました。
{1000文字バトル}は1000文字にできるだけ近づけるのも能力のひとつだと思うのです。
『Cキラー』
文章に無駄がないです。
ストーリーを進める上での最小限の描写しかやっていないのがタイトでいいと思いました。
最後の1行もブラックな感じが出ていて良いと思います。
しかし、(超・個人的理由ですが)自分はブラックユーモアがあまり好きではないので…。すいません。
『バイバイキャット』
ネコですね。ケモノですね。(^^)
意味不明かつ不可思議なネコの描写がうまくて心惹かれました。
また最初の風景描写も、体言止めをうまく使っていてよかったと思います。
作品世界にも不思議に統一感があると思います。
最後まで推薦票をどっちにいれようか悩んだ作品でした。
ただ、今回はより直情的だった『実験犬。』に萌えたので、そちらにしました。ごめんなさい。
『過去の過ちを乗り越えて』
最初から中盤までの言葉回しが好きです。
体言止め、語尾揃えなど、ちゃんと考えられて使われていると思えました。
しかし、それだけで終わってしまったという感もあります。
もう少し主人公をベースにしたストーリーを前面に出してもいいかなと思いました。
今回の学生1000字は、テーマやストーリーが消化しきれぬままに
物語にしてしまったと思える作品が多かったです。
大きなテーマや社会問題を扱う場合、
いろんな観点からその問題に関する情報収集をし、
(あるいは頭だけを頼りにしてもいいんですが)
話の背景、テーマについて、多面的考察をするべきだと思うんですが、
どうでしょうか。
で『バイバイキャット』は消去法でえらびました。
少なくともこの作品は肩も凝らないし、猫の様子が微笑ましかったです。
ただ、やはりもうちょっと盛り上がりがあってもよかったかも、