第30回体感バトル詩人部門


エントリ作品作者文字数
01ブラックホール文月 スイ67
02門仲小論さくら、兄さん元気だよ。276
03チョコレートの秘密小鴨154
04とっても大事なコトだったのにちょん284
05御伽噺Summy200
06gothic鵯 砂弐依113
07紅粉チコ45
08生と死の闘争影法師83
09無題かんこ38
10
11おおきいものとちいさいもの日生藍香163
12ともしび落川春秋831
13奇跡の子にしざー105
14特攻隊 黒羽 奏115
15答えはうさぎ387
16川副 悠夜204
17帰還TATEHA151
18昼夜−光闇そらた171
19違いに駱 大二郎124
20なみだバイオラッド94
21魔物八白476
22stray cat椿246
23思春笛ぶらリ44
 
 
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エントリ01  ブラックホール     文月 スイ


拡がって
拡がって

そして
なくなる

縮んで
縮んで

そして
なくなる

今日
宇宙の話を
聞きました

小さい


重い





そこには
闇さえ
名前があると
聞きました






エントリ02  門仲小論     さくら、兄さん元気だよ。


深川のお不動さんでお茶漬けを食べる

麦トロと迷ったあげく、ぶぶ漬けに決めた
柴漬けと鰆の粕漬けを順繰りに口に運びながら
「京都の人は何でも漬けるが好きなんだね」
なんて分かったようにつぶやく

今日の門前仲町はぶぶ漬け
参道の入り口で、揚げ饅の「品切れ間近か」の張り紙に
騙されてはいけない

行列ができるお茶漬け屋さんで
お茶漬けの行列に参加するのだ

ご利益通り端を列ねる手焼き煎餅も今日は外道です

門仲

もんなかって地名、焦げた醤油が染みついてるね
モンナカって、なんだか麹臭い
つぶやきながら、参拝もせずに参道を戻る
だって今日はぶぶ漬けだったから

電気屋の表に串焼きの屋台が出たよ






エントリ03  チョコレートの秘密     小鴨


チョコレートは悲しい
誰かに恋をしたら
その熱で溶けてしまうから
想う心は閉ざされたまま

カチリ

チョコレートは冷たい
誰かに食される為
それが存在理由
少しの衝撃で簡単に壊れてしまうけど

グシャリ

チョコレートは儚い
気長に待ち続けていれば
願いは叶うと信じてる
いつかは腐ってしまうのに


チョコレートの甘さには
こんな秘密があるのです


※作者付記: 「チョコレート」を斜め上から見てみました。







エントリ04  とっても大事なコトだったのに     ちょん


やっと解かったよ

あなたが生きていればそれでいい。
我儘なあたしは遠くが見えてなかったわね
自分の傷みや辛さを放ったらかして・・・
あなたに全てを求めた。

二人が一つになることを考えて
一人一人を ちゃんと立てる様に・・・・・
支え合って・愛し合って・交し合って・感じ合って・労わり合って。
いろんな方法が 後から 後から 出て来るヨ。
もう、居ないのに。



やっと解かったよ

笑って生きてくれてれば それでいい。
あなたを想ってやってきた全ては自分の為。
キレイに飾っても 嫌な女になっていた。

私には強すぎた光。 まぶしすぎた光。
心と体を上手にくっつけて
5年分の輝きを放つから   その時には。






エントリ05  御伽噺     Summy


マッチ売りの 少女は夢を

食べすぎ 空想に 堕ちていった


油売りは その火を纏い

瞬く 星のように 消え失せた



赤い靴を 履いた女の子

舞い踊り イバラに 呑み込まれる


らんらら ららら


おとぎ話 あなたは決まって

わたしを いざない 置いて 帰る


さめざめと ページをめくる

目には涙 唇に歌を


らんらら ららら


美しくもある 終わりには そう

きっと あなたも 迎えにくるわ


この手を引いて 誘いこむは

終わりのない おとぎ話






エントリ06  gothic     鵯 砂弐依



 昇って又堕ちて
 尖った塔から天を望む
 幾度も更け行く白夜は
 此の肢体を、研ぎ富ますだろうから
 
 剥がれ堕ちて/露出を増やして
 何時しか血は乾いて/白と黒のシンボル
 其れでも、されど/ああ、昇天 
 此の成り行きこそ後の/昇天。








エントリ07       紅粉チコ


罪が香る君の呵責を超える悪臭は漂う

裸になれば全ての色は混濁し

願わくば泡の様に消えて無くなれ






エントリ08  生と死の闘争     影法師



昨日 112,423人のひとが死んだ

273,444人のひとが生まれた

イザナミとイザナギの闘争は続く

今日 144,581人のひとが死んだ

351,656人のひとが生まれた









エントリ09  無題     かんこ


この寄せ集まりの危うさ

あなたという嘘の存在

表裏離解

この怒りのワケ

君という最悪






エントリ10       直


最初の恋から
もう何回目?
同じ過ち繰り返し
また恋が逃げていく
恋の魅力に酔わされて
夢から覚めたら
また1人、、、、、、、

最後の恋かな?
また違う人?
同じ事を言われても
また恋を繰り返す
恋の魔力にひきつけられ
夢から覚めたら
また1人、、、、、、、








エントリ11  おおきいものとちいさいもの     日生藍香



今日もまた
「ちび」って馬鹿にされちゃった

そりゃそうよね
「大は小をかねる」っていうし

大きいパンならおなかいっぱい
小さいパンじゃ無理だもの

大きい船なら乗れるけど
小さい船じゃ無理だもの

だからみんな大きくするの
大きな場所
大きな声
大きな集団
こんな感じにね

中身はスカスカの空っぽだって
だぁれも気付かないままね






エントリ12  ともしび     落川春秋


届かない願い
伝わらない思い
忘れ去った夢

記憶の断片を集めてみても
そこに自分の姿は無いのです

灯し火のない時
明るい世界
光に満ち溢れている世界の中で
私は私の灯し火を
容易に見失ってしまうのです

内側からの輝きで世界を照らそうと願うことは
そんなに愚かしいことなのでしょうか
それは決して叶うことのない願いなのでしょうか
求めている答えと
与えられる答え
出てしまっている解答に抗い続けている

青い涙が一つ
世界の片隅で
ぽたりと落ちても
そんなことには誰一人、気が付きはしないのです
それが当たり前のことなのです

気が狂うことに
憧れる
普通の人は
やっぱり
狂えないから
普通の人でしかないのです
だから
気が狂うことを想像すると
どうしようもない
陶酔に
全身がとろけそうになるのです

夢の傷跡
恋の斬撃
愛の足跡
夜の匂いが染みついたベッド

偽りの中に沈み込み
その居心地の良さに
偽りが真実であると
思い込みたがっている
こんな惨めで
悲惨なことが
私達の幸せなのでしょうか

助けを求める人の
或いは
神を呪う人の
或いは
人を呪う人の
声が内側から
聞こえてくるのです
それは
終わりのない
旋律
恐怖に震える
旋律

助けを求める
ざわめきに
かき消されていく
小さな声

強い光に
かき消される
弱い光

消えていくことが
罪になってしまうような
罰になってしまうような

救いに群がり
癒しに殺到し
贖罪に背を向ける

外側からの輝きで
光り輝こうとする人達
その願いは本当に叶うのでしょうか
その願いが叶うと、何がどうなるというのでしょうか

見えないものは存在できない
聞こえないものも存在できない
思考の外側に放り出されたもの

悲しみや
苦しみに
打ち克とうとする
そして
ただ単に
感覚を鈍らせてしまっただけ

たとえ、
闇に包まれていても
だからこそ
弱く小さな光でも
届くことがあるのです
弱く小さな光でも
輝くことはあるのです

内側からの光で全てを照らそうということを
願い続けていくのなら
願いが叶うこともあるのでしょう
勿論、叶わないこともあるのでしょう
それでも
願うことはあるでしょう
願い続けることも
あるのでしょう






エントリ13  奇跡の子     にしざー


ひとりではなにもやれない

助けてもらったって

いいじゃん

お金をきっちりはらわなくたって

いいじゃん

無理なことやるより

やりやすいことやったっていいじゃん

将棋の駒並べるのに

どれがどこだとか考えずに

手に取った順でいいじゃん








エントリ14  特攻隊      黒羽 奏


信じていいのかしら
信じていいのかしら
あなたを信じていいのかしら

生憎自分がズルすぎて
あなたがわからないのよ

信じていいのかしら
信じていいのかしら?

早く合図をちょうだい
そのつもりで来たんだから
ここまでが遠すぎたのよ
もう帰りの燃料がないわ








エントリ15  答えは     うさぎ


君を好きだと伝えたいんだ
とても胸が痛いよ
どうしたら君にこの気持ち伝わるんだろう
良くない頭で考えたんだ

心を見せれば伝わるんだろうか?
心を見せれば伝わるんだろうか?
それならば簡単な事だ

君が僕にだけ見せる笑顔がどうしても欲しい
答えは出た
ならば心は何処にあるんだ
胸が痛むというじゃないか、そのあたりにあるんだ
ならば心臓か?君に僕の心臓を差し出せばいいのだ!
君はいいえと首を振った

間違えた?胸が痛むが心臓ではない
ならばもう一度考えよう

心とはなんだ、そうか頭で考えているのだ
答えは出た
脳髄を君に差し出そう、これが正解なんだろう!
君に僕の気持ちを伝えるよ、とても好きなんだ
僕だけの笑顔を下さい

バカね、貴方の気持ちがあたしに伝わろうがなんだろうが否
あたしは貴方なんか好きじゃないの、必ず好きにならないわよ
どんなものをくれたってね
気持ちが伝わっても叶わない事もあるのよ
やっぱりバカは所詮バカね






エントリ16       川副 悠夜


夢を見るのです
毎日のように・・・

その夢は暗闇ばかりで
光一つないのです
怖いから・・・
一人ぼっちで怖いから
ただじっと夢から覚めるのを
待っているのです

夢を見ていたのです
毎日のように・・・

ある時その夢の中に
小さな光が見えたのです
嬉しくて・・・
光が見えたのが嬉しくて
ただひたすら光へ向かって
走っていったのです

後ろから幽かに
私を呼ぶ声が聞こえたのです

でも私はすでに
光の中へ入ってしまったのでした―――


※作者付記: タイトルは「夢」ですが
「命の境」という事もイメージしてみました。
そのイメージが伝わってると嬉しいなと思います。







エントリ17  帰還     TATEHA


体の海の奥深く、沈み込んだ核金属(コアメタル)。

分裂結合繰り返し、破滅していく体細胞…

青く血走る瞼から、滴りおちる黒い筋

きれいに中身は顕れて、ぽかりと洞穴現れた。

橙蝶々やってきて、青色卵を置いていく

年寄りカナリヤやってきて、その身をじっとかたむける。


耳を欹てよ!兎たち!

『もうすぐぢごくへかえります。』






エントリ18  昼夜−光闇     そらた


「昼と夜」は何のためにあるのだろう

  何のために明るく、

  何のために暗いのだろう。

 ひとは明るい昼に影を探し、

    暗い夜には光を求める。

   なんてわがままなのだろう

でもわたしは

 昼、闇を求めてさまよう人

 夜、光を求め必死になる人を

       愛しく思う。

けっきょく、

 求めるものに確かな「理由」なんて

      ないのかも知れない。






エントリ19  違いに     駱 大二郎


目つきが悪くなりたいときに
聴きたい曲がある。

風の匂いを細胞のすみずみへ沁みこませたいときに
聴きたい曲がある。

その相容れないメロディーの
大いなる隔たりに
ぼくはいつも
陶然となるのだ。
 救われるのだ。

――闇のように 氷のように
――花のように 月のように 







エントリ20  なみだ     バイオラッド


僕のこのカラッポの心は何をしても埋まらないと思っていた
だけど君を想う時 言葉にならない感情が溢れ出す
それは瞳で1つになって頬を伝う
久しぶりに思い出した優しい気持ち
そっと体を包み込んだ温もり






エントリ21  魔物     八白


愛と云う概念が等価を求めるものならば、それは金銭と何の違いがあろう。

ヤーエルヘルはこう言った。
この世には無償の愛も存在するが故に、あなたの主張は必ずしも正解とは言えない。

それは自己満足だろう。
相手に与えた無償の愛は化学変化を起こして(あるいは変化していると錯覚させて)己に舞い戻る。
それは利息や軽微な損害と何の違いがあろう。

デムリカはこう言った。
愛は買うことが出来ない故に、あなたの主張は必ずしも正解とは言えない。

愛と云う概念は単体では存在しない。
愛は行動によって存在を証明する以外表現する手立てはない。
相手の心が読めないのならば愛と愛を表現する行動とに何の違いがあろう。
それは下女や女郎と何の違いがあろう。

サザスラーヤはこう言った。
自己愛は停滞しているが故に、あなたの主張は必ずしも正解とは言えない。

それは大量の貯蓄を前にして(たとえ使い道がないとしても)心躍ることと何の違いがあろう。

イルザンハィネスはこう言った。
あなたの心は腐っているが故に、その主張は必ずしも正解とは言えない。

それを否定はしない。
私はあなた方が否定出来ないことを言ったのだから。






エントリ22  stray cat     椿


暗い路地裏には
細い月の光が遊んでる

小さな猫は震えてる

ネオンライトを太陽にして
街の喧騒は穢れと歓喜を踊らす

小さな猫は震えてる

声を出して叫んでも
いくら前足を欲しいものに伸ばしても
届かなかったその猫の希望

連れてって…ガラクタだけど…
捨てないで…ガラスみたいでも…
逃げないで…汚れてるけど…
愛されたい…こんな僕だけど…

小さな猫は震えてる

綿のように白いフワフワの毛が
泥と砂で汚れても…
月のように丸い目が
冷たい涙で濡れてても…
地に立って、歩いて、走って、生きたその足で

小さな猫は震えながら”愛”を望んでる

捨てないで…捨てないで…愛されたいだけだから…誰か…






エントリ23  思春     笛ぶらリ


こころある人たちのことを思い出す
野に咲く花に 鳥鳴く空に