第40回体感バトル詩人部門


エントリ作品作者文字数
01須藤里麻119
02破裂神上小鳥35
03大いなる巨人国忠110
04しあわせとは、妃咲137
05OL賛歌さくら、兄さん元気だよ。342
06ボロ靴のシンデレラyuki164
07かなしい酒ひろ
08けちんぼ深月諒204
09襤褸氷雨水樹217
10夜間飛行COCO282
11勝っていく霧一タカシ264
12封印願い待子あかね191
13存在愛留289
14フワンとホゼ浦島太郎68
15アイス棒あお優107
16糸の意図あまむらたすく362
17no nameみらくる。115
18慟哭トド89
 
 
バトル結果発表
 ☆投票受付は終了しました。



バトル開始後の訂正・修正は、掲載時に起きた問題を除き
基本的には受け付けません。
掲載内容に誤り等ございましたら、ご連絡ください。






エントリ01       須藤里麻


時々心を切り離したくなる時がある
心がなくなれば 苦しむこともない
心がなくなれば 泣きたくなることもない
けれど 心がなくなれば
嬉しく思うことも 笑うこともなくなる
それは最も哀しいこと
だから 苦しみや悲しみを伴っても
心を抱き締めていようと思う






エントリ02  破裂     神上小鳥


この腕から零れ落ちる

丸い鈍色の世界に

反転した僕の顔



映り



そして、






消えた。






エントリ03  大いなる巨人     国忠


彼の歩いた跡には何も残らなかった。
彼の足跡さえも残らなかった。
雨が降れば黙って打たれ、風が吹けば吹かれるままに。
嵐が来ても、雷鳴が轟いても動じることなく。
何も考えず、何も喋らず。
ただ生まれ、死ぬまで歩く。
それだけだった。






エントリ04  しあわせとは、     妃咲


新しい季節に出会う
新しい命を
あなたはどんな思いでだきしめるでしょうか

金色の木々せいで
いつもより輝く朝おどろいたとき
きっとあなたは私よりも
この景色を目に焼きつけていた

しあわせとは
富でも名誉でもなく
ただ温かな日常を繋ぎあわせたものだ、と語る
この世界で一番幸せそうな
あなたの後ろ姿






エントリ05  OL賛歌     さくら、兄さん元気だよ。



いつも良く
やってくれて ありがとう


なんていってる課長さん
なにをおっしゃる課長さん
部長室では苦痛な顔で
「部下が仕事が出来なくて、私が一からやりました」
チョット待った、なんだって
耳を疑うその御言葉

気楽な稼業が招いたバブル
あんたも責任あるでしょが
部下に残業押し付けて
赤線地帯で泡遊び
これもバブルの後遺症?

何時もお昼は割り勘で
自慢話にお説教
その上、セクハラありですか
だったらOL辞めちゃって
クラブ勤めを致します

あんたの給料じゃ通えまい

日本列島大停滞
金融システム大混乱
親の面子で入ったけれど
婿になるよな頼れる男
そんなの今時いるわけない

そういうことでお後はよろしく
残業なんて言わないで
鬱憤晴らしに繰出して
今夜はクラブではじけます
これもバブルの後遺症?

ディスコじゃないよクラブだよ!
花のOL、三十路です


※作者付記: 都都逸も詩のうち。
年末を笑い飛ばしましょう。







エントリ06  ボロ靴のシンデレラ     yuki


ガラスの靴のシンデレラ

シンデレラはガラスの靴で舞踏会に行った

そしてシンデレラは素敵な王子様と出会った

ボロ靴の私

泥で汚れてしまった私の靴

だけど私のボロ靴は

私をいろんな場所へ連れていってくれた

私を素敵な場所へ連れていってくれた

私のボロ靴

他の人から見たらただのボロ靴だけど

私から見たらガラスの靴

ボロ靴よ

今日も私をシンデレラにしておくれ


※作者付記: よくわからない詩になってしまってすいません・・・







エントリ07  かなしい酒     ひろ


どうかいまは
ゆるしてと
のめないさけを
のみながら

どうかいまは
ゆるしてと
あなたと違う
誰かを想う






エントリ08  けちんぼ     深月諒


けちんぼ

なにもこんなタイミングで
自分に入りきらないくらいの
大きくて澄んでてきれいな気持ちなんか
くれるんじゃねぇよ

たまに目が合っちゃったり
ほんの拍子に手とか触っちゃったり
寒いギャグに笑ってくれちゃったりすると
気持ち悪いくらい甘ったるいじゃねぇか

どうせ届くはずもないんだから
そっとしといてくれりゃいいものを
抱えられないくらい大きくするんだもんなぁ

けちんぼ

あーあ
せめて夢だけでいいから
手をつないで歩いたりとか
……無理無理






エントリ09  襤褸     氷雨水樹


いつも 私 は
人に 褒められる所か
ぐちゃぐちゃ に 汚れたココロ で
傷つけられる


何処かに 在るという
ココロ の クリーニング屋さん
私 の 汚れは取れますか?
ダメなら 捨てます


たしかに 美しい絹だった はず
他人 も 同様に
いつの 頃だったか
絹 は 襤褸 に 変わった


繕う事 は 出来ますか?
やはり 自分 で
やらねば なりませんか?
なら コレ 捨てます


長い間
握り締めていた 布 は
いとも カンタン に
ゴミ箱へGO!



全て を 否定しながら 






エントリ10  夜間飛行     COCO


群青色の空 見上げた

吐く息は 白く

小さな星は ひとつだけ

薄い月 寄り添った


走る車 窓の外

いくつもの光 通り過ぎる

目の前に見た 赤い光

あわてて 踏み込んだ


高鳴る鼓動 今この瞬間

あたし 宙に舞う

気持ちだけ 飛んでいく


黒い空 いつのまに

何も 見えなくなっていた

遠く 目を凝らす

それでも あなたは見えない


自分の心 解き放った

吐く息は 白く

小さな星は ひとつだけ

薄い月 寄り添った


見えなくなっていた

それは近くに ありすぎた

そっと 手のばす

届きそうで 届かない

もどかしい この気持ち

ただ一人 叫んでいた


高鳴る鼓動 今この瞬間

あたし 宙に舞う

気持ちだけ 飛んでいく 飛んでいく




 







エントリ11  勝っていく     霧一タカシ



勝っていく。

楽しんでいく。

戦っていく。

戦いに勝つ。

戦いを楽しむ。

勝っていく。

勝つ。

息をする。

歩く。

息をする。

勝ち続ける。

楽しみ続ける。

寝続ける。

楽しみ続ける。

時計を見続ける。

テレビを見続ける。

話し続ける。

勝ち続ける。

歩き続ける。

そして書き続ける。

そして楽しみ続ける。

そして寝続ける。

私の勝ちだ。

ほら、きれいだろ。

戦い続ける。

体が休まるまで。

体を休めていよう。

疲れがとれた。

もう少し近寄ってみよう。

もう少し静かに戦っていよう。

戦うのを休む。

息をする。

深呼吸をする。

息をする。

戦い続ける。

勝てると思う。

戦いに勝つ。

勝ち続ける。

勝つ。


※作者付記:
前回と少し違った形で書きました。
勝っていきたいです。
勝っていきたいと思います。










エントリ12  封印願い     待子あかね


夢の中でくちづけかわす
あまりのリアルさに胸痛む
口をつくのはあいつの名ではなく
親愛なるあの人 遠いところにいるあの人

抱きすくめられるのはうそ
あまりの事実に胸痛む
口をつくのはいつも決まっている
親愛なるあの人 近くにはいないあの人

名前を呼んでほしい
愛しい声をあげてあの人の名を呼ぶ
つかめない雲 すくえない水

いつわりでもいい 声を聞かせて
泣いてしまいたい 全身で
強固なキーを閉められるように






エントリ13  存在     愛留


誕生日おめでとう
そういって渡された
四つ葉のクローバーのペンダント

とても可愛くて
かわいくて
私の宝物になったペンダント

私が生まれたことを
喜んでくれる人がいる証

私の胸元で
このペンダントが輝いているうちは
私は
ここにいられるの


今日遊ぼう
そういって誘われた
何気ない特別でもない一日

とても嬉しくて
うれしくて
私の大切な日になった一日

私といることを
望んでくれる人がいる証

私の手元で
この手帳がピンクの字でうまっているうちは
わたしは
笑っていられるの



―…たとえ
誰かに忘れられても
一人でも私を覚えていてくれるなら…―



私の足元で
綺麗に咲いている花を
私は覚えておこう

私が覚えているうちは
いつまでも綺麗なままで






エントリ14  フワンとホゼ     浦島太郎


フワンとホゼの影に怯え怯えて

闇雲に放った弾丸

蒼褪めた軌道描いて

朝方の空を噛んだ

見上げた大空

ぎゅう、と啼いて

フワンとホゼと僕

ニタニタしてた






エントリ15  アイス棒     あお優


アイス棒はアイスを支えたくて支えているんじゃ無い
ただそこにいるからアイスを支えていることになっているんだ

アイスはアイス棒に支えられたくて支えられているんじゃ無い
ただアイス棒が支えてくれているから支えられているだけだ







エントリ16  糸の意図     あまむらたすく


最初は完璧だと思っていたの
夢にまで見たことだったし
こんな簡単なことを誰が間違えるの、って
そうやって思っていた

いったいどこで間違えたのかしら
夢中で進めてきたこの手を止めるまで
自分が間違ったことなんて
全く気づかなかった

あなたは気づいてた?

気づいてる?

すべてはゆるゆると絡み合って
もうほどけないところまで来ているの
この糸はあなたが?
あの糸はわたしが?
わかるわけもないのよ
ふたりの意図なんか
とうの昔に超えてしまっているのに

すべてはゆるゆると絡み合って
もう戻せないところまで来ているの
あえて解いてみようか?
後の処理は誰が?
はじめの意図なんか
もうどっちも覚えてなんかいないのに

もつれても
よれても
ひきつっても
お構いなしに進んでく
わたしとあなたの織り成すパターン

糸を引く勇気を
どっちも持てないまま
時間は勝手にとんでもない模様を編みあげている






エントリ17  no name     みらくる。


不安定なこの場所に

真実なんてどこにもない


とめどなく

生まれ出でる者達よ

この手につかめるものに価値などない


死に際横目で見るがいい

お前の右手にあるものが

灰へと変わり消えるだろう


滑ってくだけのこの生に

なぁお前



生きることなどできやしないさ。









エントリ18  慟哭     トド


身体の根源

その深き場所から解き放つのだ

悲しみを悔しさを


渦巻く感情は君を静かに取り込むのだろう

身を任せ身体が心が思うまま叫び涙を流せばいい


すべてが無に帰ったとき



私は君のそばにいよう