第43回体感バトル詩人部門


エントリ作品作者文字数
01篠原遠子178
02新しい季節に向け鵯 砂弐依177
03夜は音を消してOka-TakaA720
04つひにゆく道ニット帽
05そうして出会いは繰り返されみらくる。
06季節という名の物語氷雨水樹186
0715cmの永遠深月諒272
08妄想スペクトルTSUBAQ684
09風花神上小鳥252
10神の居る場所flower
 
 
バトル結果発表
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手を加えることを極力避けています。明らかな誤字脱字があったとしても、
校正することなくそのまま掲載いたしますのでご了承ください。




エントリ01       篠原遠子


君をおいて行きはしないよ
一緒に行こう あるいは 一緒に留まろう
僕が何もかも準備してあげる
君は僕の手を握ればいい
それでいい

君の輪郭を僕が確定してあげる
君に名前をつけて必要としてあげる
僕の目の届くところにいればいい
いてくれればそれでいい

できれば僕と笑ってほしい

独りで困らないで・先走らないで
どうか僕にも分けて・分け与えて
だって君だけの僕らじゃないんだから

ねぇ、






エントリ02  新しい季節に向け     鵯 砂弐依



この街の穴から続く
虹彩で潤んだ昼の宇宙は
哀しいほど朗らかにシャツを照らす
溢れ出したプリズムを
蒸発
させる
そよ風


誰もが幸福にありますように
自分の放つ響きをどうか覚えていますように
僕は今感じる感情の為に生きて来たんだ

穏やかに消えてゆく今日の空
抱え込みたいけど
  不可能だけど
止めておこう




その瞬間は真面目に微笑みを
上昇気流に託すのです
時々雨になって思い出すように













エントリ03  夜は音を消して     Oka-TakaA


一人だけ 二つの脚で入り口を進む 沢山の作品を手に取った 


      部屋までの心。




             ゆるせません

                     ・・・と語るニュースの報道リアル?報道をただ見している人僕一人を撮影するテレビカメラは 何も事件を起こさないはずの僕を 密着報道する・・・事件。



                           心のような頭脳
 
                                ニュースの画面で動く 

悪の人 二つの脚で入り口を進み 何かを沢山の画面に投げた?

  この夜は この人の言う真のセリフを良識ある僕にくれる日 

         報道された言葉が嘘 だったと僕だけに伝えて このドキュメントは終った。


   心のような頭脳または頭脳のような心の僕を上映している天 下へ下へもぐりこんで行く 僕の前に広がる頭脳な心 箱へ箱へ閉じ込められたいと願う。


 連続する描写の放映


          放物線を描けず   

                  ・・・・ゆるせない

                              と語る報道・・・・


          映し続ける連続した描写の箱。


 

    箱の外側に居て佇む僕を映し続けるドキュメント 放物線を描いて周る軌道から反れて行って忘れるように物語をただ見ている。


                 夜が音を消して


                          心のスイッチをオフした


     


               だれが悪い?



                            心ははじめから悪い





上映される心
















エントリ04  つひにゆく道     ニット帽



午前二時 ベッドの中


俺の隣には静かな寝息をたてながら眠る君

だらしなく開いた唇から涎が垂れそうだと思った


と同時に、いつまで傍に居られるのかと思った



人はよく、一生を道に例える

作者は忘れたけど「道程」という有名な詩もあった‥はず



もし自分自身の一生を道に例えたなら、きっと俺の一生は曲がりくねってるだろう



人並みに曲がりくねって

人より少し道が分かりにくくて



だけど最後には、君に辿り着けたらいい




静かな寝息をBGMに、だらしなく涎を垂らす君に苦笑して、思う







エントリ05  そうして出会いは繰り返され     みらくる。


電車の窓から見る風景に、痛いほどの郷愁を感じた


度々襲われる果てない意識


帰る家があるのに この胸にこだまする 本当の声



『かえりたい どこか 遠い場所』


繰り返し繰り返し いつか聞いたオペラのように ナカの空洞に響き渡る



『かえりたい かえりたい かえりたい』


これをうたうたび どうしてだろう どこにもいけない気がしてくる



『はやくおいで はやくおいで 待っているよ』

『かえりたい かえりたい かえりたい』


きっとどこにいても なぜだろう のがれられない気がしてくる


まだ見ぬあなた。

あなたは癒してくれるだろうか




『待っているよ 待っているよ まっているから』







エントリ06  季節という名の物語     氷雨水樹


梅が終われば、次は桜
桜が終われば、次はハナミズキ
ハナミズキが終われば、次は紫陽花
紫陽花が終われば、次は向日葵
向日葵が終われば、次は秋桜
秋桜が終われば、また冬がやって来る


ハナミズキの葉は、真っ赤に紅葉して
銀杏の葉は、黄色に染まって

やがて山に雪が降りる

季節の移り変わりが
時々 いとおしくなる
涙も溢れることもある


花火のように散っていく、花片の下で私は
今年も
微笑んで生きていきたい






エントリ07  15cmの永遠     深月諒


すぐそこに見える あなたの背中
手を伸ばせば届く距離 15cmの永遠
この命を消費しきって 炎に包まれるまで
きっとこの15cmは 縮まらないのでしょう

あなたはきっと この黒甘い感情なんて
星が終わるまで 知ることもないまま
あなたのペースで あなたの幸せを
存分に味わって 過ごすのでしょう

でも
それでいいんです

黒く焦がした飴は 味が濃すぎて苦すぎて
すぐに吐き出されて ゴミ箱行きですから

15cmの永遠は 絶対に縮まらないけれど
きっとこの距離が 神がくれたベストポジション
どうせなら 黒く黒く 形がなくなるくらい煮詰めて
私の中心に 焼き付けてしまいましょうか







エントリ08  妄想スペクトル     TSUBAQ


1%の現実に、99%の妄想。
日々、体中の一割はどこか不幸であるという贅沢。
とんでもない現実逃避。
明日を見ないで生きていく虚無。
あいすると知る、ささやかながらも底知れぬ絶望。
全てが真っ白になるような幸福。
お金で買える夢。
お金で買えない平穏。
奉仕という自己満足。
誰かにすきだといわれる事。
誰かをすきだと思い込む事。
チーズバーガーの美味しさ。
宇宙に飛んだ蛙。
濁った海。
美しすぎる埋立地。
全てを認める柔軟性。
何もなくなる瞬間。

もったいなくて使っていない言葉が
いくつもあって
それは使わないでいるうちに
忘れた

話したい言葉が沢山あって
話さないうち
消えた

覚悟を決めるという事。
ゴシック体が伝える真実。

どうしようもなく、誰かを欲したり
誰かを好きでいたり
誰でもよかったり
する
ゲームみたくこの上なく楽しい毎日
恋愛に勝ち負けがないなんて
一体誰が決めたの

貴方を餌にして食らう夢
それはとてもリアルで、珍しく恐い
だから私は貴方に、出来合いのあいの言葉を吐きながら
脳みそを軽くする
貴方はあいの言葉を返しながら
なにを思っている?

私と同じように途絶える思いを無理矢理に繋いで
それを幸せと思っていたりして。

なんて、結局息が切れるまであいしたら
そこにあるのは
独りであるというだけの真実

夢の一歩手前で挫折するような雰囲気。
有り得ない乙女心。

私が漠然とした愛と平和を願いながら
毎日少しずつ誰かを切り捨てている矛盾と
あなたがまるで無垢な素振りで吐き出す言葉達が
本当は少しも違わない事を
知っていてくれているのか、どうか。
そして私は密かにそれを幸せだと思い込み
幸せだと

そしてそれが
幸せだと
言い切って、眠る
妄想






エントリ09  風花     神上小鳥


それはもう寒い日で

子守唄でさえかき消されちまう

雪の積もる音だけが響いてる日


眠れ

眠れ


そう言う小僧がいたもんだ

ずっと私のためだけにね

そう言う人がいたわけさ


眠れ

眠れ


寒くて何にも聞こえない

だけど心地良く響いてて

その声だけが響いてて


眠れ

眠れ

安らかに


耳を塞いでいた手もね

いつの間にかその人の方へ

静かに伸ばされていたんだよ


悲しみも苦しみも

全部抱えて

それでも幸せと

思える日まで


昔々寒い雪の日

凍死してしまった少女がいた

美しいまま眠る少女のそばに

一輪の小さな花が咲いていた

少女が埋葬された次の日

その花は跡形もなく

消えていた。






エントリ10  神の居る場所     flower


雪の日の、氷の張った水の中。
太陽に彩られた雲の上。
握られた子どもの掌。
彼女のお腹。
雪道に落ちた椿。
おばあちゃんの小言。
猫の欠伸。
彼の歌声。
真っ赤な満月。
炊きたてのご飯。
いれたての珈琲。
貝殻。
細い三日月。
葉に溜まった水滴。
茜色の窓辺。
枯れ野。
雲の隙間から射し込む光。
書物の活字と活字の間。
沈丁花の匂い。
琥珀。
古いピアノ。
木々の窪。
幸せな笑い。
昼下がりの夢の中。
蕗の薹の苦み。
春の雨。
ルネッサンスの絵画。
薔薇の真ん中。
ファインダーとレンズの間。
太鼓の音。
バレエをする女の子。
エリック・サティの詩。

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気まぐれにそこに居る。
そして、ちょっとだけ赤い舌を出して。
春の風が悪戯をしたら、きっとそこに神様が居るのでしょう。