第45回体感バトル詩人部門


エントリ作品作者文字数
01チューリップの花黒霧 島男395
02宙野ヒナタ624
03とり雨村コウ170
04箱の中幹事長R290
05土に還る天人唐草177
06あなたの幸せゆきと170
07生きると言ふこと神上小鳥244
08しっくりくるものを選んでください。きなり120
 
 
バトル結果発表
 ☆投票受付は終了しました。



バトル開始後の訂正・修正は、掲載時に起きた問題を除き
バトル終了まで基本的には受け付けません。
掲載内容に誤り等ございましたら、ご連絡ください。
QBOOKSは、どのバトルにおきましてもお送りいただきました作品に
手を加えることを極力避けています。明らかな誤字脱字があったとしても、
校正することなくそのまま掲載いたしますのでご了承ください。






エントリ01  チューリップの花     黒霧 島男


開きすぎのチューリップを
買いに行ったとき
あまりに開きすぎで
紹介してやった仲間は文句を言った
それでも彼は買った
その間、俺は
芸術学校に落ちたちょび髭男が同民族を殺した花束を
受け取った白人の
犬的我が国について考えた
核爆弾は科学者と政治家のコンプレックスによる
チューリップの香りが充満した部屋
理性は失われ、だからこそ花ビラを
プールに撒くと
くるくる回って音も無く浮かぶ
そんな俺の楽しみを役所の変体が
風船を割るかのように
PM8:00に赤ら顔だ
胃を痛めた頬のそげた俺の同僚が彼を撃つ
溢れた血がチューリップの赤と混じり
俺の笑い声、仲間の笑い声
欲望にまみれて
殺しもしょうがない
異国の人と俺は生物学的に起源が違うのだから
俺は昼食のステークに涙を流せない
俺は夕食のラディッシュに涙を流せない
花は咲き乱れいつしか枯れゆく
チューリップを食べた仲間が帰ってきた
「おれは、核爆弾を作らなくて済みそうだ、
 しばらくの間は」






エントリ02       宙野ヒナタ


踊る君が好きだった。

タン、タタン。
一定のリズムで踏まれるステップ。
くるくる回る君。
目が合うと笑顔で、僕だけにくれるサイン。
ウインク一つ。

そんな君が好きだった。

タン、タタン。
今は聞こえないステップ。
くるくる回る君がいない。
目が合うと笑顔で、僕だけにくれるサイン。
ウインク一つ。

そんな君がいない。

今は雲の向こう。

君がいつも踊っていたスタジオは、今もそのまま。
いつも誰かが踊ってて、笑顔がたえないのも相変わらず。

何も変わりはしない。

君のステップが聞こえない以外は。
何も。

だけど、寂しいなんて言ったらいけない。
僕は、満足だ。

タン、タタン。
耳を澄ませば、ほら、聞こえる。
君のステップ。
タン、タタン。
目を閉じれば、ほら、見える君の姿。
くるくる回る君。

今は、もっとうまくなっているのかな?

今度、君のダンスを見に行くよ。
飛行機に乗って、海を越えて、雲の向こう。

君は気づいてくれるかな?
僕以外にもいっぱいお客さんがいるから。

今はもう、一流のダンサー。
いつも踊ってたこのスタジオから、巣立っていってしまった。

大きな舞台の上で、大きく羽ばたく君。

僕の気持ちは結局伝えられなかったけど、後悔はしていない。
この世界のどこかで、君は笑顔で踊っているのだから。

だけど、できれば時々でいいから。
僕のことを思い出して。
舞姫。
君に会えてよかった。

タン、タタン。
一定のリズムで踏まれるステップ。
くるくる回る君。
目が合うと笑顔で、僕だけにくれるサイン。
ウインク一つ。

そんな君が好きだった。






エントリ03  とり     雨村コウ


鳥よ
そんなこえでなかないでおくれ
だれも君をあいしてくれないのだね
君は あいが欲しいとなくのに
だれも君をあいすることができなかった
うそもいつわりもない 君のその翼に
ぼくらは 見てしまう
ぼくらを 見てしまう
それは君のせいではなく
君にうつる おのれの自身を
あいすることができない
ぼくらの醜さ
鳥よ
それでも君はなく
まだ君はあいをうけとっていないのだね






エントリ04  箱の中     幹事長R


 彼/彼女は歩いていた。

 歩き始めてからどのくらいたったのか
 とうにわからなくなっていた。

 日は何度も昇り、そして沈んだ。
 そうして、広大な砂漠を
 彼/彼女は歩き続けてきたのだ。

 砂丘をまた一つ、這うように越えると
 今までそうやって越えてきた数の
 幾百倍もの砂丘が目に入った。
 砂の海は、絶望的なまでに果てしなく続いていた。

 彼/彼女は、箱を背負い直した。
 この箱を運ぶことが彼/彼女の使命であり
 唯一の存在理由だった。

 この小さな箱に、彼/彼女は生かされているのだ。
 箱を捨てることは、死を意味した。
 しかし、箱の重みが苦痛だった。

 重い足を引きずり、彼/彼女はまた歩き始めた。






エントリ05  土に還る     天人唐草


私は土に還る
体を焼かれた瞬間
あっというまに細胞は土に
人生は全て土に


お父さんとお母さんとおばあちゃんとおじいちゃん
私が幼い頃殺してしまった小さな虫けら
飼っていた金魚 轢かれてしまった哀れな猫
記憶の断片

そのとき全てに逢うことができるのだ

今生きている私は 土から栄養をもらうちっぽけな草のよう

目をツタウノハ 涙ではなく、海と繋がった潮の一欠片
 
 土に還る私の心











エントリ06  あなたの幸せ     ゆきと


情けないの一言で
片付けられる私の未練

分かっていたのに
 傷付くだけだと
覚悟していたのに
 報われない涙を


ボロ雑巾のようになり果てても
血の涙を流しても
自分の全てのプライドを捨ててでも


出てくる言葉は一つだけ


私の目に映る未来に
あなたはいない
あなたの目に映る未来に
私はいない

その笑顔の傍に私はいない


あなたの幸せだけが
私の救い


いつもいつでも
あなたが愛しい


※作者付記: 不完全燃焼だ…







エントリ07  生きると言ふこと     神上小鳥


青と赤と白の、どれか

助かる道は一つ

三分の一の確立


生きる限り常に

そんな選択

いつも手にしたものを

見捨てて行かなくてはならず

どれか選べないの、も

また、事実です


そんな葛藤の最中

『赤切って』

僕の横で

涼しげな顔して居る君の

『アタシ赤色好きなの』

なんとも単純な決断


胸に抱く乳飲み子の

少し形崩れした頭を撫でる手

にこりともせず、ただ

涙のなくなった瞳が

躊躇する僕を捉えて締め付ける


命託した赤は

何事もなく容易く切れて

ほんの一瞬

残念な色の君

そして一言


『行こう』


常に死の方へと

留まることなど 決して許されないのだ。






エントリ08  しっくりくるものを選んでください。     きなり



#1
好きな人ができて幸せにしています。そちらもうまくいくといいですね。
お互い大切な相手を大切にしましょう。

#2
いい人するのは勝手だけど、別なところでやって。迷惑なの。

#3
振り回されるのがつらい。お願いそっとしておいて。

#4
まあ、どうぞ、お構いなく。