第74回体感バトル詩人部門

エントリ作品作者文字数
01押入れ661
02無題U花子198
03風答〜ふうとう〜しょうたろー95
04さようなら雲地283
05ここにいるしずる202
 
 
 ■バトル結果発表
 ※投票受付は終了しました。
掲載時に起きた問題を除き、訂正・修正はバトル終了まで基本的に受け付けません。
掲載内容に誤り等ございましたら、ご連絡ください。

QBOOKSは、どのバトルにおきましてもお送りいただきました作品に
手を加えることを避けています。明らかな誤字脱字があったとしても、
校正することなくそのまま掲載しておりますのでご了承ください。

あなたが選ぶチャンピオン。
お気に入りの1作品に感想票をプレゼントしましょう。

それぞれの作品の最後にあるボタンを押すと、その作品への投票ページに進みます (Java-script機能使用) 。
ブラウザの種類や設定によっては、ボタンがお使いになれません。その場合はこちらから投票ください → 感想箱

エントリ01  押入れ     百


 その和室、好きじゃない。
 でも、そこが母と私の部屋。

 最初におかしいと思ったのは、日中、つい居眠りをしてしまった時。

 畳の上を引きずられる感覚と擦れる音に目を覚ますと、押入れの前に足を伸ばした体勢になっていた。

 次の日から、その部屋で寝ると、押入れの前に足を投げ出した状態で目が覚める。寝ているとはいえ、母が一緒なのに、なんだか、気持ちが悪い。
 
 母も変だと思っているが、この家に置いてもらっている以上、どうすることもできない様子。
 
 それを感じているから、私もこわいと言い出せない。

 
 学校から帰ってくると、家には誰もいなかった。
  
 部屋を覗き込むと、ぼんやり薄暗い。

 ランドセルを置いて、急いで出ようとすると母の手紙に気がつく。

 待っているようにと書いてある。

 仕方なく、押入れから一番離れた窓のそばに座り、本を読んでいるうちに、眠くなってくる。
 
 眠ってはいけないと思うのだが、身体がいうことをきかない。

 背中に引きずられる感覚。畳の擦れる音。
 目を開けると、暗い天井が動いていく。

 はっとして、押入れを見ると、細く押入れの戸が開いていて、その方向に足先が向かっている。

 恐怖に駆られた私は声を出して身体を動かそうとするが、声が出ない、動かない。

 だめだ! だめだ! だめだ!
 いやだ! いやだ! いやだ!

 パニックになり、何度も叫んでいるうちに、声が出て身体が動くようになり、飛び起きて、身体にまとわりつくものを振り切って、部屋の外へ逃れる。

 家の外へ。
 やっと、明るい日射しの中で、私は、泣くことが、できた。







エントリ02  無題U     花子


自分以上のもの
ばか!
より気高いもの
ばか!
より貴いものを感じて
バカ〜!
あたいは
あんたに憧憬の情を抱いた
けれどもあんたは
崇高、悠久、厳粛、清浄とは
無縁な生きものだった
あたいの肉体に
ばか!
あんたが夢中になるのは
ばか!
情念の問題であり
バカ〜!
理性の領域の事柄では
まったくない
赤い唇
ばか!
ふくらんだ乳房
ばか!
熱い腿
ばか〜!
そこには
道徳的制約など
欠片も発生しない
ばか、ばか、バカ〜!
おまえなんか大嫌いだ〜!







エントリ03  風答〜ふうとう〜     しょうたろー


荒々しいけど
どこか清清しい。
キミはそんな感じ。
いつも何かを感じさせてくれる
自由な配達屋。
景色
思い出。
そんなものでさえ運んでくれる・・・。
時には強引に
時には優しく。
心の中に運んでくれる・・・。







エントリ04  さようなら     雲地


今日は水面が明るいもので クラゲ せわせわ
シワシワ 話しかけます 「今晩は」

てんてら 夜空もすこぶるあかるく
今晩あいつは なくでしょう

ワォーン おーい! ワォーン おーい!

夜風するりとすべったもので 芝生ぜらぜら
ズラズラ 笑います

つんつら野バエも びいびい とんで
今晩あいつは うたうでしょう

ワォーン おーい! ワォーン おーい!

てふてふてふ が まっています
都会の蝶がきらめく時間に!

あいつはなくでしょう ブランコの上で
あいつはうたうでしょう 銭湯の煙突

ああでも! あの窓窓の
幸せそうな うすわらい。

今晩 あいつはなくでしょう

ワォーン おーい! ワォーン おーい!







エントリ05  ここにいる     しずる


太陽の光がカーテンの隙間から漏れた
時が止まっているかのような
静まり返った 平和な午後
誰かそこにいる?
僕はここにいる?
外に踏み出す
大地を感じる
風が頬を掠める
花の香りを運ぶ
思い出なんかないはず
だけど 懐かしくて
今僕が見ている この小さな景色が
この世の全てなら どんなにいいだろう
争いも 欲も 欺瞞もない
ただ風に揺れるだけの 緑
どれだけの人が僕を知り
どれだけの人を僕が知っている?
でも ここにいる
僕はここにいる