第13回体感詩人バトル

エントリ
作品作者文字数
2000年目むん185
くるくる前山春菜211
共存ku-mi203
10YEARS深瀬 順445
天使と風小枝389
朱歌菅原由香151
消えたメガネ?桜樹鉄太194
うさぎ177
差別mint0
10夏の日蒼那92
11還。白羽269
12つららaoya70
13438閑流360
14滲んだマシュマロ。りら315
15桜の初恋りんか213
16独歩小原小也50
17母なる鳴宮ゆき29
18伊東春日0

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エントリ1 2000年目 むん


君とここに居合わせるという偶然

2000年目の偶然

違う場所で生まれて、違う環境で育ち
そして今隣りにいる

偶然というか不思議だよね

広い広い宇宙があって銀河があって地球があって
今1つ屋根の下に二人きり

2000年目の奇跡

あなたに出会えた事が

この先別れもあれば出会いもあるだろう

だけど今居合わせていることに奇跡を感じる

何十億の人の中から私を見つけ出してくれたことに

2000年目の感謝



エントリ2 くるくる 前山春菜


渦巻いて スパイラル 螺旋の糸
くるくると全てを巻き込む
私の渦のその先に
一体何が絡んでいるのか・・・私は知らない
糸を手繰り寄せるのが怖いのです
どこまでも続きくるくると渦巻く螺旋の糸
それが意図するものは一体何か?
私は先を見るのが怖いのです
私の糸のその先に
一体何が絡んでいるのか・・・私は知りたくも無い
私は全てを避け続ける
糸を引っ張りさえしなければ、先を見ることもないのでしょう?
そして私は自ら糸を切り捨てる
小指に絡んだ赤い糸を



エントリ3 共存 ku-mi


アスファルトのくぼみに
水たまりがありました

一匹の猫がやって来て
そうっとのぞいて見てました
魚はどうやらいないので
かわいい舌で
上手に水を飲みました

一羽の雀は枝の上
そうっと様子を見てました
猫がどうやらいなくなったので
小さなのどを
潤そうと降りてきました

きらっきらっと
お日様が笑ったかと思ったら

それは一台の車でした

あわてて雀は逃げました
身を潜めていた猫も逃げました


タイヤが水を跳ね上げたとき
小さなため息が聞こえました



エントリ4 10YEARS 深瀬 順


 あれから10年も、この先10年も……。

 すでにこの身に馴染み血肉に溶けた思い。
 すでに私だけが抱き続けているだけの、思い。
 あれからすでに10年も経ってしまったのかと、
 泣きそうな思いで振り返る。

 泣こうが叫ぼうが決して戻らない時間。
 遥か遠くに流れ去ったそれは、
 時折ささやかな夢として蘇る。
 決して触れない、決して実現しない、
 目が覚めれば霧散する、幸せな夢。

 そんな夢から目覚め狂笑する。
 自らが打ち込んだ楔が自分を狂わせる。
 どれだけ、どれだけ、どれだけ焦がれても、
 全ては流れ去った時の彼方の夢。
 目を閉じ耳を塞ぎ叫んでも、戻らない。決して。


 それでも、今でも、幸せなのだ。
 あの時を思い出すだけで、幸せなのだ。
 あの一時の幸せな時間は、膿み腐る膨大な時の中で私を生かす。
 狂う寸前で私を救うのは、
 あの時、伸ばしてくれた掌のぬくもり。

 あれから10年も、この先10年も。
 私は独りで、この思いを抱き続ける。
 血肉に溶けたこの思いが成就するのは、
 私が死んだ時。それだけなのだ。



エントリ5 天使と風 小枝


 タトエバ
 僕の背中に つばさがあって
 空を 飛びたくても 飛べない
 天使だったとしよう

 タトエバ
 君の背中には つばさなんかないけれど
 自由に 飛べる
 風だったとしよう
 
 君は つばさなんかなくたって
 自由に 飛ぶことができる
 僕は つばさがあっても
 自由に 飛ぶことができない
 
 なぜなら・・・
 僕のつばさは 黒いんだ
 いつも なにかにおしつぶされ
 なにかに おびえている
 
 弱くて ちっぽけで
 黒くなってしまった つばさ・・・
 
 けれど
 君が つばさをくれた
 自分のつばさを
 僕に・・・
  
 そのつばさは
 とても 白く 美しかった
 まるで 君のように 輝いていたよ
 
 君は つばさなんかなくたって
 自由に 飛べるんだね
 だから 君は
 風になったと 僕は思うよ
 
 さあ
 僕も 君がくれた
 つばさをつけて 飛ぼう
 大丈夫 飛べるよ
  
 君が風になって
 僕を 飛ばせてくれるから



エントリ6 朱歌 菅原由香


浴槽に響く水音
貴方の鼓動と 僕の呼吸が
空気中で重なり合って 一つになった
届かない 貴方はずっと前から
気づいてたよね?

恍惚感も度が過ぎると吐き気がする
こんなに近くにいるのに
どうしてこんなに寂しいのかな

手に入れたと思ったのにな
貴方は
腐食して どんどん昇華してく

二人の【これから】
答えは繋がれた二人の手の中に



エントリ7 消えたメガネ? 桜樹鉄太


ナイ ナイ ナイ ナイ
メガネがない

「おいおい そこにあるじゃないの」

ドコ ドコ ドコ ドコ
メガネはどこ

「おいおい あんたのオデコだよ」

ダッテ ダッテ ダッテ ダッテ
ダテメガネだってば これ

「おいおい ちゃーんと見えてるはずよ あんたに合わせたレンズだもの」

ナイ ナイ ナイ ナイ
メガネがない

「おいおい いい加減にやめなさいよ メガネを無くしたフリをするのは」

フリ フリ フリ フリ
…………



エントリ8  うさぎ


雨が降って あたしは傘を忘れて
貴方に話したい言葉も飲み込んだ

何かがあたしを助けてくれる事はなくて
あたしは自分を好きじゃなくて
誰も残らないけど 一人は寂しい
ただそれも あたしの独り言

それでもきっと あたしは傘の替わりに
雨を避ける何かを探しているの

苦い気持ちも貴方の甘い言葉も
あたしは全て信用してないの
伸ばした手が掴める何かは
多分 ただそれも あたしの独り言



エントリ9 差別 mint


あたしだけを誉めた
あたしだけを見下した
やめてよ、どっちもうれしくないよ

もう、よそう
云っても無駄なこと言葉にすること
もがいて疲れてて苦しんで傷つけた
もう、よそうよ
自分を傷つけること

どうでもいいこだわりなら一個
ポイポイっと

でも、よかった
こうして言葉に出来ること
悔しい気持ちは消えないけど
じゃなきゃ出会えなかった言葉たち



エントリ10 夏の日 蒼那


 恋をしてしまいました

 大好きで 大好きで 大好きで

 もう あの人から目が離せません

 あぁ でも、高望みだったみたい
  
 つかれちゃったゥゥゥ

          −−向日葵ひと夏の恋−−



エントリ11 還。 白羽


死という者に触れた
とても寂しく
とても空しく
僕の手は虚空を掴む。
ソノ先に貴方がいる気がして…

生という壁に触れた
けして越えられず
けして破られず…
僕の手から血が滲む。
ソノ先に貴方がいるのに…

一寸先は暗闇で貴方は其処へと吸い込まれて逝く。
僕も共に逝きたいのに…
生の壁が邪魔をする。

こんなにも儚いのかと、
こんなにも脆いのかと、

悔いても悔いても
もう戻らないと
知れば、知るほど
貴方が愛しくて。

けれど、僕は生きていて
まだ、貴方の処へは逝けないから

僕は自分自身が逝くソノ日まで
貴方の想い出と生きていく。

貴方は此処へ還る時が来るまで
今はただ、安らかな眠りに…



エントリ12 つらら aoya


文句だらけの僕が
きみと違うところは
この病気と他になにがあるだろう
怨んで外れて
きみに牙むいて
わらわなくなったきみを
僕がわらう
どこかで泣きながら



エントリ13 438 閑流


泣きそうだ、と呟いたらなにか他の生き物でも見るような目で見つめられて
ああ、それから、わたしはその後どうしたのだろう
燃え尽きた意志なんかどうなったって構わない
妥協がひとつの流れを作りだすんだ、憤りはただの通過儀礼

気怠い午後の生暖かい空気に曝されてもう、爪先から溶け出してしまう
ひとときの空白の時間を弄ぶ、束の間の安息を得るとそれ以上はもう満たされすぎていて
人々の喧騒が耳の中で反芻されている煩いねえ喧しいねえ全く腹立たしいねえ?
喉に通る空気が引っ掻き回されたような咳が止まらない

建設的な議論で完全武装なんてそんな無茶なこと考えるべきじゃないと
すべては神のみぞ知るんだ、すべては自分すら知ることがないんだ、
まったく馬鹿げているよわたしは一体どうなってしまったのだろう
もしも鳥だったら空を飛べたのに。ああ、もしも鳥だったなら、



エントリ14 イジュアラッック。 りら


「そんなにむかついてるならやってしまえばいいじゃない。」

女はナイフを手渡す。

「そんなに殺したいなら殺してしまえばいいじゃない。」

女は卵を差し出す。

「僕たちは不器用だね。」

「そうね。」

「僕らは思わず神の手を掴んでしまったんだ。」

「私、神の手をよく覚えているわ。」

女の目はきょろきょろと往復している。

「僕もだよ。気味の悪いマシュマロの様な手だったよね。」

「えぇ。今でも後悔してるの、あの手を掴んでしまったことを。」

「ごめん。」

男は卵をくるくると回している。
転がっているナイフはクログロと光っている。

突き刺さるナイフ。
零れ出す髑髏。
気味が二つふらふらと揺れている。

「僕が掴まなければ。」

「もういいのよ。ちょうどいい時間潰しになったわ。」



エントリ15 桜の初恋 りんか


 あの・・春・・・。
 桜の花がちらちらと舞い散る中で
 私の初恋が花を咲かせた・・・・。
 
 いつも私の心の中にはあの人がいる・・。
 桜の中で笑ってた。
 いつも・・いつでも、消えることはなかった・・・。
 
 でもー・・・私の初恋は散った・・・。
 桜が散るのと同じとき。
 私の恋は・・あの桜と同じなの?
 短い期間だけ・・皆にゆめをくれる・・あの桜と・・。

 毎年毎年同じことの繰り返し・・・・
 それでも・・私はゆめをくれる桜が大好きだ・・・。



エントリ16 独歩 小原小也


独歩でどこまで行けるかは
歩みを揃えていくよりも、



遠くかと思えばそうでもない。






ただ実感に近かったのだ。



エントリ17 母なる 鳴宮ゆき


肥えても
恋えない
乞うけど
請わない

寄せても
引かない
母なる
肉。



エントリ18  伊東春日


目の前にある壁を
全部ぶちこわせばいい

だめなら
そこで散ればいい

きみが
「やめた」と言わない限り
桜は枯れない

春が来れば
つぼみも増える

また花を咲かせばいい

君は死なない
何度でも戦える。




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