第15回体感詩人バトル

エントリ
作品作者文字数
瓦礫612
裁縛mint208
たまごriqt204
手紙sararin56
数え歌ユウキ0
IYKWIM閑流159
果て遠き出口たま200
目標左文羽香菜150
本当に Only you真田由良286
10本当にどうでもいい話むん211
11握手三浦182
12想い出うさぎ125
13てんびんばかりと犬と腹八白437
14タマネギ真央りりこ114
15切る・KILL深瀬 順335
16飛べないダンボは、ただの象桜樹鉄太500
17誕生日李衣244
18黒。りら302
19望むものではないはず無情と希望小保内敏文232
20道を歩いていたらeda83
21イキガリ四季128

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  • エントリ1 瓦礫 庭


    沸騰する感情 破裂 陰気に黒いパイプベッド
    新築の家に使いふるしの 陰気に黒いパイプベッド
    沸騰
    使いふるしの大きな鉄ハンマー振るって 破壊

    逼迫する感情 炸裂 糞の如き茶色のステレオシステム
    新築の家に使いふるしの 糞の如き茶色のステレオシステム
    逼迫
    使いふるしの大きな鉄ハンマー振るって 破壊

    鈍化する感情 愚裂 呪縛の如きヤニ色のサッシ窓
    新築の家に使いふるしの 呪縛の如きヤニ色のサッシ窓
    鈍化
    使いふるしの大きな鉄ハンマー振るって 破壊

    憤狂する感情 辱裂 淫夢の如き薄桃色のジャケット
    新築の家に着古した 淫夢の如き薄桃色のジャケット
    憤狂
    使いふるしの大きな鉄鋏振るって 破断

    ただ悶々と ただ鬱々と
    日々を暮らすうちに暴れ出しやがる神経質な妄念

    淡々と 苛々と
    金魚の水を換え続けるうちにはみ出しやがる暗澹たる執念

    あ ちょっとレイアウト変えてみようかな?
    ペンキ塗っちゃおうかな?
    やめとけ けちくさい
    どうして新築した家のクセにして壁紙の隅っこが2pほど剥がれとるん?

    汁が濃縮されて

    いたたまれない

    バラバラにしましたとも 妻は呆然としている 末息子はへらへら

    瓦礫の中 ひと息いれていっぷくつけて
    ステレオ壊れたから 私が唄っちゃろうか?
    ひしゃげたパイプベッドの陰気な黒を削り擦りひっ叩きながら
    おぉよ 録音してがっぽり稼いだら
    壁紙が剥がれない新築の家
    点検して 鯛の切り身で一杯一献

    瓦礫のまわりで くるくるくるくる廻って快活な夢



    エントリ2 裁縛 mint


    ときに許せないことも
    ときに裁きたいことも
    たまにどうでもよくなって
    破壊したくなる衝動

    薄く高い砦の末路
    誇張した虚像の悲路
    崩れゆくセラミド
    必ず誰しもが衰えること
    やめること不可能
    思い切ってつかんだ最後のタイトロープ
    滲む赤
    もうすぐ肩からちぎれて落ちるから
    先に行ってくつろいでいてよ

    ときに許せないことも
    ときに裁きたいこともあるけど
    裁判官になりたいのは
    いつだって自信がないからなんだ



    エントリ3 たまご riqt


    たまご。タマゴ。

    ころころころころ。わくわくするね。
    ころころころころ。そんな転がすなよ。
    ころころころころ。もうちょっと待ってくれよ。
    暖かく、柔らかい光に包まれて。

    この先、少しずつ、キミの世界にまばゆい光が差し込む。
    そしてキミは覗き込む。
    たくさんの不安とそれに負けないくらいの好奇心で・・・

    こんにちは、はじめまして。
    はじめて見る世界は綺麗かい?はじめて見る空は美しいかい?
    それは僕らが見てる空と同じなのかい?



    エントリ4 手紙 sararin


    手紙をもらった。
    水色のふうとうで、
    切手が少しめくれてた。
    名前はかいてなかったけど、
    あなたからって
    すぐにわかった。



    エントリ5 数え歌 ユウキ


     ひとつ  左手首の傷
     ふたつ  震える手で隠し
     みっつ  淫らなこの身体
     よっつ  夜通し求められ
     いつつ  今だけ愛してと
     むっつ  無理やり懇願す
     ななつ  涙を流しても
     やっつ  やっぱり弄ばれ
     ここのつ 恋心踏みにじられ
     
     とうとう貴方を刺し殺す・・・



    エントリ6 IYKWIM 閑流


    高く高く登りつめた頂から
    降り立った小さなうつくしいもの
    深く深く沈みこんだ底から
    這い上がった大きくみにくいもの。

    寂しいと啼く声は同じだ
    淋しいと鳴く声は同じだ
    いつまで経っても
    泣き止む術を覚えない。

    鋭く鋭く切り取られた断面から
    生えてきた微かな微かな息吹
    踏まれる前に潰される前に
    今一度の産声をあげなさい。
    あああああ、あああああ



    エントリ7 果て遠き出口 たま


    みんなで話してる
    みんなで笑ってる
    でも腹ん中では全然他の事考えてる

    みんなで帰り道 
    みんなでバイバイ 「またね」と
    でも一人になれば虚しさばかりがつきまとう

    爆発する前に知っておきたいんだ
    この広い広い海原さんよ
    昔々の恐竜時代の思い出を
    うたって下さい あきるまで

    今宵も月がキレイだわ 憎いほどに
    月曜日も火曜日もたいしてかわんない
    確かなものは欲望だけ
    前しか見えない目をつけて
    どこへ行くのか どこへ行くのか・・・・



    エントリ8 目標 左文羽香菜


    一つの種がある

    土の中から芽がでてきた

    つち むし みず ひかり
    まわりのおかげで
    おおきく大きくなっていく

    大きくなっていくと
    まわりを支えたり
    まわりのじゃまをしたり
    意識の有無なく
    影響を及ぼす存在となる

    高くなったり
    太くなったり
    どんどん大きくなっていく
    太陽にむかって


    私たちみんなも


    さいごには
    たどりつけるだろううか



    エントリ9 本当に Only you 真田由良


    好きな人に「すき」を伝えれない。
    お預けをくらったイヌのように。

    好きな人に「会いたい」を伝えれない。
    水を失った魚のように。

    好きな人に「触れたい」を伝えれない。
    曇空の下のひまわりのように。

    たくさんのもどかしさとたくさんの涙は
    流れ流れてどこへ行くんだろう?とそんな戯言、甘ったるい。

    心の中で雨に打たれて泣いている私は
    多分、差し出される傘を少しだけ期待している。

    少しだけ・・少しだけ・・

    なぜ、君しか傘は持っていないの?

    最初から決められた運命のように、私は君が好きだよ。
    ほんとうに、大好きだよ。

    でも、こんな事を聞いたら君は「知ってるよ」だなんて・・

    ほら、また涙がでる・・君のせいだ。



    エントリ10 本当にどうでもいい話 むん


    本当はね、好きなんだけどね
    本当は、そう自覚したくないの
    本当のことは、いつも何かを傷つけて
    そして自分も傷つくでしょ?

    本当に馬鹿げてて、本当に忘れたいよ
    本当に忘れたら、淋しくて淋しくて
    本当に死んじゃうかもしれないんだけどね
    だから本当にあなたから消えてくれればと
    何度思ったことか

    でも本当に消えたら、私の心も本当に死んでしまうのよ
    本当にわかってる?

    本当はどうでもいい事なんだけど、
    本当に知ってもらいたいなんて、
    本当にくだらないねって本当に言う事ないでしょ



    エントリ11 握手 三浦


     あなたの前に立って握手をしようとする。
     わたしが右手を差し出すと、あなたも右手で迎えてくれる。
     わたしが左手をそっと伸ばすと、あなたの左手がゆっくり包んでくれる。
     どちらの手がやってきても、あなたはわたしと同じ手で受け止めてくれる。
     どうして、違う手だと握手できないんだろう。
     試そうとするけど、あなたはまるで引っかかってくれないから、少し不満で、だけど嬉しい。



    エントリ12 想い出 うさぎ


    靴の底が擦り減るように 
    あたしたちはゆっくりと離れていったのね
    あたしが理解しようとしなかったから
    とか言われても仕方ないのかな

    一緒に歩いて帰った道 まだ覚えてる?
    あたしは一寸忘れてそうになってるよ
    切ない気持ちも好きだった事も
    こうやって忘れてしまうんだね



    エントリ13 てんびんばかりと犬と腹 八白


    いや犬じゃねぇな

    じゃ
    つりあっているふたりがいるとして
    そのつりあってるふたりは
    てんびんばかりの片方と片方に
    ニコニコ座ってやがるんじゃなくて
    ふたりとも窮屈そうにしながら
    押し合いへし合いひとつの皿? にいるわけだ
    もう片方の皿? には
    つりあうように重りがのってる
    さっきのつりあってるはあのつりあってるじゃなくて
    このつりあってるだ
    わかるか?

    んで重りは多分鉄で重りだから重さは変わんないけど
    ふたりはひとりで人だから太ったり痩せたりするわけで
    でもつりあうようにするためには
    片方が太ったら片方は痩せなきゃなんないし
    片方が太りすぎたら片方は腹でどでーんと押されて
    転げ落ちちまうかもしんない
    しれない

    でだ



    あー

    何言いたいのかわかんなくなってきちまった
    そもそも何を考えてたのかも
    忘れちまった
    あー
    でもま
    多分

    俺のために死んでくれとか
    ちょっと金貸してくれとか
    好きとか嫌いとかそーいうことじゃないとか
    特に
    ちょっと金貸してくれだとか

    なんかそういうことをだな
    俺に言うな
    っつーことだ

    わかるか?



    エントリ14 タマネギ 真央りりこ


    水にさらしたスライスの

    さりさりとしたタマネギを食べる

    まぶしい太陽にせかされて散った

    波のしぶきが現れる

    目を閉じると

    聞こえる

    さりさり

    さりさりと

    思い出を噛む音

    二度と訪れないあの夏に近づきたくて

    さりさり

    さりさり

    今日もタマネギを食べている



    エントリ15 切る・KILL 深瀬 順


     ざくざくと、音がする。
     それは、キル、音。

     切れ味の良い刃物を使ってくださいね。
     するりと肉に滑り込むほどに研がれたものを。
     百円ショップで買ったような刃では、
     痛みと叫びを撒き散らすだけであなたの望みは叶えられません。

     急所はここです。
     一度で貫いてくださいね。
     そうでなければ生き続けたい私の身体が、
     あなたになにをするか私にも判りません。

     あぁどちらにしろ、両手を広げる私の前で、
     あなたはただ立ち尽くしただけで。
     その握り締める刃も、固く閉ざされた唇も、
     結局役に立たず踵を返す、二人。

     あなたはそこでキルことを止め、
     遠まわしにゆっくりと私をキル事に決めた。
     削るようにじわじわと。
     削ぐようにじりじりと。


     それに耐えられない私は、ただの一度であなたをキル。



    エントリ16 飛べないダンボは、ただの象 桜樹鉄太


    あのこの言葉を最後に、オイラは空を飛べなくなっちまった。


    オイラは知っちまった。
    悲しみってやつは、風に乗れないほどに重いものなんだぜ。

    オイラは知っちまった。
    孤独ってやつは、青空を覆い隠す雨雲よりも厚いものなんだぜ。

    オイラは知っちまった。
    寂しさってやつは、あのこと行った北極の風より冷たいものなんだぜ。


    あのこは言ってのけた
    「あたいは鼠、あんたは象。あたいの小さな体じゃ、あんたを抱き締めてやれないから」

    オイラは思った。
    ――オイラは、潰れるほどに君を抱き締めてやれるってのに――

    あのこは言ってのけた。
    「あんたのその大きな耳じゃ、あたいのドキドキが聞こえてしまうわ。だってドキドキが相手にばれたら、恋なんて成立しないでしょ」

    オイラは思った。
    ――オイラの耳は人並みさ。オイラの耳が大きいのは、ただ飛ぶためさ。背中に君を乗せて、君の行きたいところに連れていけるってのに――


    オイラは気付いちまった。
    あのこがオイラに優しくするのは、アイツに恋をしちまってるから。無理ないさ。なにせアイツは根っからの鼠なんだぜ?

    オイラは忘れちまった。
    空を飛ぶ術を。

    それでも、オイラは信じちまってる。
    恋はいっとう素晴らしいものなんだぜ。



    エントリ17 誕生日 李衣


    駅からの帰り道 空が何時もより輝いている

      濡れたアスファルト 信号機 弱弱しい噴水

    大きく深呼吸をしてみる 鼻がツンとする

      気分―最高 足取り―軽快

    歌いながら 照れ笑い 隣のオジサン訝しげ

    赤が青に変わった 勢いよく走る

      はねる水 気にしないよ、気にしない

    走って走って 公園へ
    水たまりの自分を見ると ああ、やっぱり笑ってる

      また 深呼吸


    「おめでとう」     「ありがとう」
          
           
           生まれたよ

            此処に       

           生きてるよ



    エントリ18 黒。 りら


    真っ白な綿飴で作ったスカート。
    君の足はその中で美しい。そして、恐ろしい。
    そんな僕をどうか変に思わないでほしい。
    僕は君に踏みつぶされた蟻。
    ただの黒い模様。
    それだけになってしまったんだよ。

    アリハクロイ。クロイハチョウ。

    黒い蝶が、透明な天井の下を飛び迷っている。
    どんなに、どんなに飛んでも空へはゆけない。
    迷い込んだアゲハ。
    何処に行ったの。会えないし、会いたくない。

    チョウハクロイ。クロイハワタシ。



    エントリ19 望むものではないはず無情と希望 小保内敏文


    俺は何も知らないあんたのしていること
    あまり気にもとめず伝わるこの音楽を
    酒でのどと今日を潤し眠りに入るまでの困惑と欲望との間に感じた一瞬、永遠
    なめらかでしなやかで優しく激しい十本の指の 親しまれる音色
    鼻と口のどこかにある見ることのできない場所からは バイエルン産ホップの香りこんなに色んなこと考えてるんだ 堂々巡りなことも多々あるけれど 
    頭の中は自分のことでいっぱいのはずなのに
    今 おれはあんたのことを気にした  
    望むものではないはず



    エントリ20 道を歩いていたら eda


    道を歩いていたら
    草に絡まった

    空を見上げていたら
    電柱にぶつかった

    人間 動けば 何かにあたる
    転んで つまずき ケガもする

    でも 歩くのは楽し
    空はきれい

    これからも進んで行こう



    エントリ21 イキガリ 四季


    笑え
    笑いながら死んでみろ
    きっと生に戻りたくなるだろう

    おそらく
    死ねなど軽く言うもんじゃないのは
    人間の一番怖いものが死だからだろう
    どんな人間だって元は恐怖から始まり恐怖で終わるんだ
    つまらない人生などないのだから
    イキガレ
    イキガレ
    いきがって
    ソシテシネ

    そして魂永遠に




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