poem
MAO
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皮革(全一話)

 

※ 口癖:おい、この靴にも注いでやってくれ


退屈にてあはれなる

 ほとけ(ホットケーキ)
卵……二ヶ(サモトラケの)
酢ぢょうゆ……(アメリの担当、1t)
アスパ ガス(神経痛)


 

 カスケード風の
 君と僕と彼岸
ピクニック ピクニック


てふてふひらひら韃靼海峡を
        韃靼海峡を
        韃靼海峡を
てふてふ    韃靼海峡を
        韃靼
        韃靼
        韃靼
        韃靼海峡を越えていった 春


 ちょいと、子宮の裏まで


 壷中の蕎麦の花は一向に風にゆれるばかりで僕を呼ぶまおまおまうまうの声は ひつじ顔の台湾女に違いない。あっと驚く大三元、うまい安い速い奇跡の雑貨屋 高嶋商店、落としたのは水風船で、西瓜腹の女はセンチメートルな恋をしている のだ。越境、柱の傷は一昨年の、五月五日のメイクラブ、合戦最中のヒヨケザル は圧倒的な濃度でじゃりとなる密かな恐怖だった。木製ハンガーの一振りは命の 名に任せて、一つの死をも生み出そうとする。あろうことかきっかけは丸須屋の 電気ブランだったろうか、それとも江古田銘酒樽平だったろうか。それとも吉祥 寺いせやのホッピーだったろうか。イヤイヤサニアラズ、あの母屋の影から覗く 、体長三〇センチメンタルのなまっちろい鯰だったのだ。

  ・某月某日十月十日、小指の先に魚のように仰向けの湾岸七号線が降ってくる。


【波打際のいきもの】

波打ち際で汽車を待っている
おばあさん
春の海
流し台の水子
波濤
革靴
蒸れた足
滞り
わだかまり

<臨時ニュース>
 星条旗よ 永遠なれ

<お詫び>
 只今、大変不適切な発言がありました。

ハンムラビ法典
波濤
革靴
蒸れた足
滞り
わだかまり
ひも

ピンクのスリッパ!




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