匿名タイマンバトル。どれが黒やら彩霞やら、てんですが。カメレオン男とカメレオン女。こうも印象が違うものか(笑)。
作品1は題材はありきたりながら、非常にスタイリッシュなんである。おしゃれなんである。小説をどう書こうか、みたいなところもちゃんと心得ていて、オチもやんわりと……て、確かに深さという意味では学生小説みたいなのではあるが、でも、この雰囲気は悪くない。だがしかし、仕様の所為でもあるが、無駄にブツブツ入る改行を処理しなかったのは個人的に大減点。スタッフも気がきかねぇよな、というのもあるが、でも、やっぱり自分で作品を見直して欲しかった。この辺の傷は大きい。
作品2。これはまた、テーマのハッキリした作品である。実に実直に、ある種、朴念仁ともいえるほどに自分の持つテーマにしっかと向き直っている辺りは至極評価したい。内容だけ見ると立派ともいえるが、だがしかし、だがしかしだ。この延々と続く説明と説教口調は非常に痛々しい。確かに「カメレオン」になろうとしてカメレオンになれない「俺」(おれ、俺。表記にブレがあるけどね)を書こうという意図は明確ではあるが、ただ、作家自身がそのシーンを見下ろして書いているのがどうしても鼻につく。つまりは、感情移入などして読んでいる読者さえも見下されたような感覚があって、非常によろしくないのである。まぁ、これは個人的なことかもしれないが、表現者としてもっともやってはならんことだと思うのだ。「何でも書けるにゃー」という作家のおごりさえも見えてくるような気がするので、作品2の作者への提言もこめて、今回は作品1に投票。……反省せいや、こら。(−−(M)
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