第24回タイマンバトル、開票開始! ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 粘性の低いさらさら声の空人さんの朗読が、波の音と相乗効果。MAOさんはやっぱりド濃い詩を朗読した方が合っているように思った。 いいなー、朗読。スタイルがくっきりはっきり浮かんで。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 二つを聞き比べたときに、あるライン(線)が見えた 素人臭いとか玄人っぽいとかの「境界線」じゃない、もっと生なラインだ。 「技術的」とは違う、「覚悟性」みたいなもののラインだ。 なんていうか、「本気」のラインだ。 二つの朗読は、そのラインを間に挟んでいる。 ものすごく隔たってるわけじゃない。けど、両者の間にはラインがある。 才人ばんりも、さすがにこう急だとキツカッタなあ、と。そういう感じ。 というわけで、空人さんの勝ちでしょう。 波の音とか、浜を歩く足音とか入れちゃったら、 「そりゃ純粋な朗読勝負じゃねーだろう!」 て言えば言えるけど、雰囲気出てて俺はヨカッタなあ。うん、よかった。 朗読もうまいし。 関係ないけど、波の音をうまく録るのって難しいんだよなあ。 風が当たってボーボー言うし、小さい音と大きい音の差が大きいし。 (アナトー) ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 まず空人さん。 以前にも空人さんの朗読を聞いたことがありますが、 今回のバトルのを聞いてまず思ったのが、「うまくなったなぁ!!」ということでした。 ことばのひとつひとつに、気持ちがこもってる。 ひとことたりとも、ひともじたりとも、気が抜けていない。 安心して聞けました。ものすごい引き込まれました。 途中、ものすごく、苦しくなった。後半のほう。 波の音なども良い効果を生んでいると思います。 ただ最初のほうは波のリズムがもうすこしゆっくりのほうがよかったかなぁ、という感じ。 詩の内容に対してざわざわしすぎてる感じ。 あとは、声のトーンをもう少し落としたほうが聞きやすいかもしれません。 つぎ、MAOさん。 MAOさんの弾き語りの時の、独特の口調が結構好きです。 今回も、その感じが出ていて心地よかったです。 ただ、聞きづらい音がいくつかありました。 引用句のところでわざとそうやっているのはよかったのですが、 「地の文」にあたる部分はもうすこし聞きやすい発音のほうがよいように思います。 ひとつひとつの音を、はっきりと発音するということです。 MAOさん独特のぽそぽそとした口調をそこなわずに、もう少し聞きやすくなるとよいかと。 最初にも書きましたけど、MAOさんの独特の口調は好きなんですよ。ええ。 私はイヤホンをつけて、目を閉じて聞いたのですが、 詩の世界にぐいっと連れて行ってくれたのは空人さんでした。 というわけで空人さんに1票。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 どう書けばいいのか……。師匠として代打を引き受けて、わずかな準備期間でこれだけの作品を提出されたMAOさんは、確かにすごい。でも、その同情分だけでは足りないほどの差が、私の中ではついてしまいました。 お二方とも、すごくよい作品を選ばれたと思いますし(お二人のイメージに、それぞれ合っていました)、朗読そのものもとてもよかった。ただ2点。MAOさんの作品では、録音がプツッと途切れる?ところがあった(30秒、42〜44秒、57秒あたり/私の端末が具合悪かったせいなのかもしれません)のと、台詞が不明瞭な部分があった(其の身体をお引き留めになった御方/わたくしを此処に留めさせる御方)、この2点のみが、マイナスになりました。特に「其の身体をお引き留めに」が聞き取りづらかったため、(そういう演出であるとしても)その時点で、私の中の詩の流れがストップしてしまった。残念なことです。ハイレベルなバトルであるがゆえに、普段なら些細なことで済まされるかもしれないような部分が、今回は見逃せませんでした。 5分40秒もの長尺を、一瞬たりとも流れを止めることなく、最後まで聞き手を捕らえて逃さない迫力で読みきった空人さんに、この一票と、惜しみない拍手を贈りたいと思います。(カピバラ) ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『立待ち寝待ち』朗読 MAO ゆっくりした語りが作品にマッチしてました。 「其の身体をお引き留めになった御方は」のところで、しどろもどろになるのが面白かったです。 ▽投票者:純粋読者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 うーん、よく出来てるなぁ、という感じで空人さんに一票。 ともあれ、この厄介な形式のバトルに参加してくれたお二人に拍手を送りたい。 今後も、文筆に限らないへんてこなタイマンが出ると面白いかもなぁ、と思った次第。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『立待ち寝待ち』朗読 MAO 空人さん サウンドエフェクトを利用した、手の込んだ丁寧な作品でした。声も聴きやすく、作中の主人公とも重なって、その辺もよく考えられているな、と思いました。ただ、語りかけるように書かれているこの作品にしては、ややポーズが多すぎるかなと感じました。あまりポーズが少なすぎると、今度は淡白になりすぎてしまうでしょうから、さじ加減が難しいところですが、もっとさらっとしたほうが、好みでした。 MAOさん 空人さんの作品と比べると、(仕方ないとはいえ)急ごしらえな感が否めないのはやや残念ですが、詩の雰囲気を生かせているのはこちらの方かな、という印象です。自分の持っていたイメージとは若干違いましたが、ねっとりとした、けだるい雰囲気がよく出ていました。朴訥な感じの朗読も、派手さはなけれど噛めば噛むほど味が出るというか、いい感じでした。 朗読に関しては、どういうものかまだそれほど分かっていないというのもありますが、好みで選んでMAOさん、です。(相川) ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 これは、勝負にならない。 空人さんの朗読の質の高さは言うまでも無いが、 MAOさんの朗読にはがっかりさせられた。 テキストの読み間違いがある時点で、失望した。 もし、それさえも脚色とか演技とかいうのなら、 根本的に何かが間違っていると思うし、 そうではなく単純に読み間違えているのだとしたら、 原詩の作者に対して甚だ失礼な話だ。 酷評かもしれないが、 代打でわざわざ出てきた意味があるとは思えない。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『立待ち寝待ち』朗読 MAO まず、立ち消えになりそうなタイマンバトルを 救ってくれてありがとうございます。 この作品は、MAOさんの声質にあっている感じがしますね。 朗読することによって立ち上る詩の世界。シーン。 ただ、2ヶ所ほど噛んでませんか?(笑) この部分が緊張感を削いでいる気もします。もったいない。 ▽投票者:このバトルへの参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 面白いなぁ。 人前で朗読をするのはQ;drive以来二回目です。空人さんの朗読を聞くにつけ、こうやって色々な効果をつけて、ちゃんと作りこめば本当に面白いなぁ、と思って聞いています。難癖をつけるとすると「空人さんの声は決して低くはないけれど少しこもった声ぢゃないじゃん!」とかそういうことですがそんなのは別にどうということではないですね。無理にイチャモンはつけません。 なんだかいいもの聞いたなぁ。 小生の方は矢野顕子風……いや、なんでもないっす。(M) ▽投票者:このバトルへの参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 難しい詩をよくもまぁこうまで仕上げたものだ。感服。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 いいものを聞かせていただきました。 空人さんの朗読を初めて聞いたのですが、 声の抑揚も言葉の明瞭さも、予想以上で、 聞けてよかったです。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 空人殿の『ホムンクルス』へ投票します。 いやもうベタ惚れで(笑) 「朗読」というジャンルの偉大さを実感してしまいました。 朗読を聞いていて、波と砂利を踏む音を聞いて、真夏真っ盛りのこの時期に、真冬の海が明々りと浮かんできてしまったんですよ! 大覚さんの詩も、もちろん素晴らしいのだと思う。 でも詩を「文字で見た」と「声で聞いた」で、これほどイメージ変わるなど、「不意打ちなんて卑怯だわ!(涙目)」というくらい予想外でした。 「声」って偉大ですねぇ〜 堪能でした。ありがとうございます! いや、MAO殿の『立待ち寝待ち』も素敵だと思います。 BGM無しがひっそりと閉じ込められた部屋らしく、眠そうな声音はダルく間延びした薄暗さを連想させてくれる。 ――でも、残念ながら『ホムンクルス』の感銘を覆せるか、というと―― 笑って誤魔化しておこうかな(笑) この朗読2作品を聞けて、本当に良かったです。 空人殿、MAO殿、ご苦労様でした! ……でもちょっと、Q殿が勝負を預かってどうなさるつもりだったのかな、と興味はあったのですが。 by千早丸 ▽投票者:その他の作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 声が重たくもなく軽くもなくてよい。 ▽投票者:純粋読者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 読むだけと聞いてからでは、まるで印象が変わってしまうのが驚きで、 ゆっくり、何度も頭の中でころがしながら聞きました。 とてもよかった、ホムンクルス。 言葉の断片と、送りつけるガラクタの断片、そして記憶の断片。 その組み合わせが、最後に「ホムンクルス」に集約された時は、 ちょっとした感動でした。 ▽投票者:純粋読者 ○推薦作:『立待ち寝待ち』朗読 MAO 今回のバトルは、朗読から作品評価を抜いたものを評価しなければならないので、難しかった。 空人さんの作品は聴いている間じゅう「なぜ歌わないのだろう」というか「歌い出してほしい」という気がしてならなかった。 対するMAOさんの作品は、多少演出過多な感じではあるが、きちんと纏まっていて、好感が持てた。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 詩の雰囲気、声の雰囲気、語りの雰囲気、マッチしていて良かった。そういえば、昔、ラジオドラマ好きだったんだよなあ…しばらく聞いてないけど。思い出させてくれて、ありがとう。 MAOさんの朗読は、舌足らずな語りの部分が、面白かった。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 MAO氏の朗読を聴いて気になったのが、まず滑舌が悪いということ。そして、ところどころに入る消音。これは編集点なのでしょうか。もしそうだとして、正直なところ編集(録り直し)をしてこの滑舌の悪さはどうかと思いました(違っていたらごめんなさい)。あと呟きの部分でべたぁっとした読み方をされていて、作品に漂う虚無感が表せていないような気がしました。 空人氏の朗読を聴いて思ったのは、発声が良く聞き取りやすいのですが、さらっとしすぎているということ。間のとり方や声の強弱は上手いと思いますが、前出の理由により全体的に悲壮感が足りなく感じてしまいます。あと波の音や漂流物を踏みしめる音は臨場感があって良いのですが少しうるさくも感じてしまいました。 虚無感とか悲壮感とか、テキストに対する勝手なイメージで判断してしまいましたが、両作品ともテキストの良さを生かせていないように感じました。が、比べたときに作品として完成度の高い空人さんに一票を入れたいと思います。 ▽投票者:純粋読者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 空人さんの朗読の透明なひびきが大覚アキラさんの詩にぴったりでした。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 成立までにいろいろいきさつのあったバトルですが、投票する上ではそんな事は一切関係なし。自分の好きなほうに一票を。 空人さんの朗読は、まるで本当に詩の主人公(?)が話しているかのような錯覚に陥りました。「ちょっとくぐもった声」などぴったりです。詩の選択に成功されていると思いました。読むテンポ、効果音、最高です。売っていたら買うかも。この詩自体大変すばらしいものだと思いますが、リーディングを聞いてより好きになりました。 対するMAOさん。対戦に名乗り出たこと自体でもう「いよっ!男だねえ」って声をかけたい衝動に駆られました。だけど読み方はちょっと作りすぎかな、という印象。今回は時間などハンディキャップがあったことは否めませんがやはりタイマンは作品勝負なので。次回に期待します。しかしなんでも出来る人だねえ。 今回のタイマンで「読む」という魅力に気づかせていただきました。ご両人ともありがとうございました。 ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 正直、これはバトルになっていないと感じた。 MAOさん、まず発音がなっていない。読み間違えかと思うような聞きとりにくさが冒頭にある。中盤でも明らかにろれつが回っていない部分があり、作品の空行部分を意図的に溜めて読んでいるのとはまったく違う意味でのろれつの悪さだ。 詩作品を音声にして表現するということは、まずその作品が持っている肌(詩の言葉をきちんと聞かせるタイプの詩か、きちんと聴きとれなくても読みかた自体で魅力を引き出せるタイプの詩か、など)を朗読者が理解しするところから始まるのではないだろうか。例えば「立待ち寝待ち」はそのどちらであるのか、どういった読みをすればこの作品の世界を香りたたせることができるのか、ということを考えた上での読みだとはまったく感じられなかった。これでは読まれた作品が可哀想だ。 あと、この音源は数テイク録ったものを切り貼りしたのだろうか、音声編集時にできただろうところどころの無音状態が気になってしまった。一発録音でないと朗読ではない、とは言わないが(そんなことを言ったらスタジオ録音された音楽はすべて作品ではなくなってしまう)、もし切り貼りするのならその継ぎ目を極力わからないようにするのも音声による表現の配慮ではないかと思う。個人的な好みの問題だけでいえば、私は冒頭から最終行までを集中して(作品に対して、かつ読むという行為に対して)一気に読み上げられたものが好きだ。 空人さんの朗読からは、MAOさんの朗読にはないそれらのすべてを感じられた。単に“集中した一発録音だから”“作品にふさわしい効果音をつけ、作品のイメージをより明確にしているから”というだけではない。「ホムンクルス」という作品がどんな肌をしているのか、何を言わんとしているか、それにふさわしい読み方はなにか。読み手がそれを熟考して音声化に挑んだことが、こちらにもきちんと伝わってくる。作品を“読む”ことによって、作品を“見せて”いる。 例えば、空人さんの音声表現に波の音がなかったとしても、おそらく私はこの作品を“見る”ことができただろう。けれどMAOさんの読みでは作品が“見えない”。それが今回のバトルの明暗だと思う。 ▽投票者:純粋読者 ○推薦作:『ホムンクルス』朗読 空人 元々、大覚アキラの作品の中でもかなり好きな作品であり、わたしの内では勝手に詩に伴った声のイメージが、出来上がっていて、それとは声の温度も息の速度も全く異なるのだけれど、すごく好きだ。 勿論スキル的にも申し分なく上手いしギミックも練られているし声も好いし聴き手に開かれ表現であるし、でも、プラスアルファ投票の際に重視した要素は、その作品をその人が声を通じて発する意味を、他ならぬ、その人が、その作品と、やる、と云う意味を、存分に理解して、臨んでいるか、と云う点。 文字面で詠むのではなく、言葉の連なりのその向こうにある、ありとあらゆる空気感を、空人さんの内にあるものと照らし合わせたり食い合ったり溶け合ったりするような感情やその他の作業の中で、少しでも相応しい形で、空人さんの「ホムンクルス」を放てるか、と云った試みと、その試みが昇華されたものが、きらきらと見えて、リーディング、と云う表現の存在する意味がまたいっこわかったように思えた。アリガトウ。 もろもろ落ち着いたら一緒に新しいものを創りましょう。(佐藤yuupopic) ▽投票者:その他のQBOOKS参加作者 |