第34回タイマンバトル、開票開始! ○推薦作:累々たる累 マニエリストQ 言葉に乗ってどこまで飛べるかが詩を読む私の楽しみですの。 秋田の冷たい河や古代ローマの円形劇場、アダムとイブからさっきやってたワイドショーまで あちこちルイルイ行き過ぎなマニQさんでありましたが、総武線の旅よりはイタリア宇宙のほうがつれてってもらえるならうれしいかな?無料で宇宙までつれてってもらったお礼に貴重なる1票マニエリストQさんに差し上げますわ。ま、ほとんど訳わかんないんですけどね。 ○推薦作:累々たる累 マニエリストQ 各作品についての解釈以前の問題として、詩を書くに当たってのスタンスの問題としてマニエリストQさんのほうが格段にうわ手です。Tsu-yoさんが詩としての主体を記述しようとしているのに対して、マニエリストQさんは自らの主体が詩そのものであろうとしています。主観たる詩を外から描こうとする分、Tsu-yoさん のほうがへっぴり腰に見えてしまう。 言い換えれば、自己への自身の差ともいえるでしょう。精神的な強さにおいては大人と子供ほどの差があるように思われるのです。 ○推薦作:累々たる累 マニエリストQ マニQさんのほうが、生めかしさを感じました。行間の隙間に読み手のイメージを重ねる 余裕があり、楽しめました。 Tsu-Yoさんは状況の説明が上手すぎて、詩的情緒が薄れた気がします。 *タイマンのバトルの感想は、恐縮してしまいます。 ○推薦作:救いについて(総武線にて) Tsu-Yo 内向する暴力、というものだろうか。 救いさえ何からなのか分からなくなっているかのようです。 青年の、疲れ、不足、やりきれなさが、じわじわと伝わってきます。 すべては、青年の一駅間における妄想あるいは目眩である、と解釈しました。 ○推薦作:累々たる累 マニエリストQ Tsu-Yoさんの詩、いいねえ。真っ直ぐぶち当たってきたって感じ。下手な小細工ナシにね。いいぞ!いいぞ!、と思ったんだけど。でも、老獪な芸術家のすさんだ魂の叫びには勝てなかったかな。マニエリストQさんの詩はまるで絵が見えるような、荒々しいとげとげしい美しさがあった。血気盛んな若者のような炎を感じたね。 ○推薦作:救いについて(総武線にて) Tsu-Yo マニQさんには飲み会のたびに俺の作品をけなされ続けてきたので、どれだけすごい詩を書くのかと楽しみにしていましたが、これは普通でしたね。悪くは無いです。でもまったく印象に残りませんでした。いつも弾けが足りないと言われてきましたが、この作品こそまさに弾け方が足りませんでした。対してTsu-Yoさんの作品は言葉自体はさほど新しさも個性も無いのにやけに印象に残りました。最後もかなりよかったです。1ヶ月後2ヵ月後にどちらを覚えているかといわれれば圧倒的にTsu-Yoさんの作品です。もちろんバトルで勝ち負けを決める時の基準はそれだけではありませんが、今回は結構その部分かなり差がつきました。 ○推薦作:救いについて(総武線にて) Tsu-Yo マニエリストQさんの作品はタイトルがよかったのですが、内容が詩のようで、私のレベルでは理解の域を越えていました。対してtu-yoさんの作品は、文章構成がまとまっていて、読みやすかったのと、ラストが救われた側と救われなかった側とが反転しているという受取り方の違いをついたオチ(だと思うのですが)がよかったと思います。グロさでは、マニQさんの圧勝ですが、伝え方という面で今回はtu-yoさんに選ばさせていただきます。 ○推薦作:救いについて(総武線にて) Tsu-Yo マニエリストQさんの作品は、雰囲気はとても良かった。 雰囲気で選ぶならこちらを選んだと思う。 ただ、ちょっと凝りすぎたのかな、言葉の並びはいいのに、散漫とした、混沌とした印象。 詩に「理解」はあまり必要のない要素だけど、「インパクト」はとても必要な要素。 どこか一節、具体的な何かがあれば、伝わりも良かったように思う。 ちょっと惜しいな、と思いました。 Tsu-Yoさんの作品は、真逆で、タイマンバトルの妙ですね。 最終連の展開で様々な心が混ざり合って、スローモーションのような流れと、 「救われるのは俺ばっかりだ」とあいまって、 なにか、男の人らしさ、という類の心地よさを感じました。 途中の「血/パレード/観覧車/祈り/季節はずれの歌」のくだりも、効果的で良かった。 心がよりよく見え、伝わった、Tsu-Yoさんの作品に一票を投じます。 おもしろいバトルでした。 ○推薦作:累々たる累 マニエリストQ どちらもかなり苦し紛れに書き上げた印象が拭えない。 イマジネーションの飛躍の度合いで比べるなら、 Qさんの作品の方が遠くまで飛んでいると感じた。 ○推薦作:救いについて(総武線にて) Tsu-Yo Qさんのはどうも分からんなぁ。意味が読み取れないし、絵で視ようにもイメージが浮かばない。ベータ化した冷や飯を、何とか食べようと咀嚼してみるけれど、呑み込む事を身体が拒絶するみたいな感じで、どうにも歯が立たない。多分、読む角度みたいなもんが、根本的に違うんだろうなぁ。 Tsu-Yoさんのは、普通に絵が浮かぶ。やれやれ助かった。一票。 途中で大暴れな方向に進んでいるのだから、大暴れで大破綻させ切って、タイトルと全く関係ない地点に着地してしまった方が収まりが良い感じもします。 ○推薦作:累々たる累 マニエリストQ 一読して、わからない。二読して、わからない。 三読して、わかる気配がまるでないので、理解することを放棄。 Don't think. FEEL! ああ、そうか。ダリの絵みたいだなぁ。 ひとつの世界観の中に色々入ってるんだなぁ。 というより、その手の画家で思いつくのがダリしかいないんだなぁ。 みつぅお ○推薦作:救いについて(総武線にて) Tsu-Yo まず、Qさんの作品。わかりにくいですね。非常に。 で、わかりにくいにしても何か魅力的な表現があれば引き込まれるんですが、 けっきょくわからないまま終わってしまった感じです。 かといってTsu-Yoさんの作品が良いと思ったわけではないです。 救いについて、という題名と内容が僕のなかではあまりシンクロしませんでした。 情景描写に終始しすぎた感もあるかもしれないです。 けっきょくどちらもいいとは思えず、消去法で決めました。 ○参考票 ○推薦作:累々たる累 マニエリストQ 双方ともに寓話的な語り口調があり 共通するテーマを設定されていないにも 関わらず偶然の符合か根底では互いの世界に つながる接点が埋め込まれているかのように思える如き 非常に読む者の肩に自ずと力が入るような 作品が並んでとても読み応えがあって 非常に興味深いバトルでした。 まず二作を拝見して心に残ったことを掲載順で。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ マニエリストQさんの「累々たる累」に描かれる 楽園を追放されて砂漠に墜ちた成れの果ての末裔。 それはわたしだし、きっとあなただ。そんなふうに思えて。 ○ ● ▲ ■ の記号の並びと 累 という文字は何処となく似ているように思えて ますます不穏な気持ちにさいなまれながらも 胸の水面はざわつくことなく、何故か何処かしら 来るべきものを予定調和的に待っているような 荘厳ですらもあるような心持ちになる。 それにしても文字、単語、行、連。 それぞれを構成する全てになんと重い量感があることか! リズミカルに展開しながらも、速度を絶妙に 重みで制御して、読み流すことを許さない。 最終連に置かれた花の赤のイメージが鮮烈。 黄色い砂に、一輪の赤。何とも強い一篇。 次にTsu-Yoさんの「救いについて(総武線にて) 」 に『俺』の秩序によって展開してゆく主観世界。 そこにあるのは他者にとっての無秩序。 淡々とした言葉で丹念に積み重ねられていく 『俺』の秩序、を観た。 > 社会性は意外とある方なんだ この一行が非常に象徴的で、 奇妙な量感を持って、ゴンとわたしの内に残った。 出来事の終盤の『ダサい制服を着た奴ら』 と『俺』とか対峙しジリジリと間合いを 詰めて行く件の描写力、『俺』の足が生み出す ニュアンスのとらえ方、 また最終連の > ちくしょう > いつだって > 救ってやりたい気持ちでいっぱいなのに > 救われるのは俺ばっかりだ が 好きとかキライとかの範疇の感覚とは 気持ちの別の部分でたまらなく好いと思った。 中央線で勃発した今回のタイマンの勝負に 捧げるようなタイトルやテーマにも粋と意気を 感じてぐっとキた。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 『人類の寓話』的マニエリストQさんの「累々たる累」も 『日常の寓話』と称させて頂きたくなるような Tsu-Yoさんの「救いについて(総武線にて) 」も 多分に双方とも惹かれとても悩むが今回はマニエリストQさんに 一票を捧げます。素晴らしい闘いでした。 お二方ともお疲れ様でした!(佐藤yuupopic) |