第36回タイマンバトル、開票開始! ○推薦作:手を合わせる イグっちゃんに一票。台湾旅行で一皮剥けたか? 今迄の詩とは変化したイグっちゃん。 クールでいいんではないでしょうか。 ○推薦作:遠くの月 Qさんの詩はとてもひさしぶりに読みましたが、 どこを切ってもQさんの味がする作品ですね。 酒臭いし、タバコ臭えなぁと、ニヤニヤしながら読みました。 例え自分が対戦相手でなくても、 今回はこちらの作品に投票したと思います。 マニエリストQ氏にリスペクトを込めて。イグチより。 ○推薦作:遠くの月 日常的な素材の中に、生まの人間を描き出し 凡俗な愛の薔薇に容赦なく冷笑を浴びせ それでも爺は愛すべき人の世に背を向けることなく 憐愍と愛撫を注いでいる 達観して鎧のないコンビニ爺の楽しさ そして尚この生臭さ このしなやかな筋肉 ああ、これこそあこがれの男 くりごと婆さんと乾杯だ〜! ○推薦作:遠くの月 詩を読むときの楽しさは、詩人のあらわす言葉にのって、読んだワタシがどれだけ楽しく遊べるか、どれだけとおくまで一緒に飛べるか、どれだけ深く考え込めるか。 などなどなど、と思うのです。同じ今を生きている人間同士とりわけて、たまたまニホンゴで読み書きしている。たったそれだけのご縁ですのに。不思議ですねえ。 マニエリストQさんが不思議の国のアリスを書いてるじゃああ〜〜りませんかぁ。ブラボ=!です。 ○認定○ おむすびころりんすっとんとんは日本の不思議の国のアリスなんです。 ま、そういう具合に、あたしゃこの詩をこの詩でこの詩によって、かなりごきげんに楽しみました。マルガリータをご馳走したいですね。ブラボーでした。 マニQさんは地球についてずいぶん真面目に考えてるんだなあと思いました。 イグチさんの作品を読んで、桃井かおりという女優が昔昔歌っていた黒豆の煮方のロック(だったっけな?タイトルうろ覚えで恐縮です)を思い出しました。 えんどう豆の煮方より黒豆の煮方のほうが長いのです。とはじまり、えんえんと黒豆の煮方(レシピ)を歌って、ま、そうこうしているうちに、愛しいアナタは来るでしょう。 というような歌だったなあ。と、いったいどうして、そんな昔のLPレコードに入っていた1曲に着地してしまったのか。アタシの想像力なんて……だめねえ。と、思いました。 ○推薦作:手を合わせる 極度に直接的で分かり易いのもまた大事な事だと思う。 うむ。 昨今は、手を合わす回数が一回減ってる訳なのだよな、と思いつつも、やっぱり魚以外の生き物の解体は抵抗あるだろうなとも思う。 でもだからと言って、食料を作る人間だけに「本当の価値」とやらがあるが如き意見には同意しかねる。その鶏の卵を持ち込んだのは冒険家かも知れない、育て方を伝えたのは詩人かも知れない、小屋を造ったのは大工かも知れない、餌を仕入れたのは商人かも知れない、病気を予防したのは医師かも知れない、生産を奨励したのは役人かも知れない。そして、それらの人間がその日の仕事を終え、寝る前に気分を落ちつける為に読む一篇の笑話を書いたのは、小説家かも知れない。 Qさんのは、首がコロコロしているのは良い。なんか馬鹿馬鹿しくて良い。 でも、途中から状況がよく分からない。 細かく読み込んで理解する努力は、読者的ワガママによって放棄させてもらいます。 ○推薦作:手を合わせる 真夏のタイマン祭り。まずは鳥類殺戮物語からの幕開けですね(笑)。 Qさんの『遠くの月』。 良くも悪くも「Qさんらしい詩」だと思う。予想通りとゆーか。 童謡的なリズムとか絵画的な世界とかは、 さすがに安定していて力量(いや、老獪さか?)を感じる。 ただ、Qさんが詩を書く時って、何か肩に力が入っている気がするんだなぁ。 「詩らしい詩を書いてやろう」みたいな気負いを感じちゃう。 それが何かちょっと作品に入っていけない理由になってるのかも。 イグチさんの『手を合わせる』。 シンプルで静かで凛とした強さを湛えた作風は、彼の得意分野。 とっても「イグチユウイチらしい作品だなぁ」と思う反面、 実はこれまで、生きることの根幹にある「食らう」ことを この作者が描いていなかったことに驚く。 そういった意味では新境地のテーマなのかも。 料理を愛する女子としては、 「そんなフレッシュな鶏肉を味噌汁にしたらもったいねーよ!」とか 「鶏肉と打ち豆が入った味噌汁なんて知らねーぞ!」とか 「でも、まあ最後に味噌といときゃ、何でも味噌汁なんかもな」とか 「これだけ味噌汁に手間隙かけたら他のおかずは作りたくない」とか 諸々思うところはあるのですが、 しん、と、自己に向き合うその姿勢と、 手を合わせるそのたたずまいの重さと静謐さに 間違いなく心打たれてしまったので、このバトルはこちらに票を投じます。 Qさん、イグチさん、どうもお疲れ様でした。 ○推薦作:遠くの月 どちらの詩が好みかと言えば、断然イグチさんの詩の方が好きなのだが、 どうにも、この詩は書き切れていないように感じる。 申し訳ないが、このようなスタイルで詩を書くならば、自分の方が上手く作れる自信がある。 そんな訳で今回は、好きじゃないけど、自分には書けそうにないQさんの詩に一票です。 ○推薦作:手を合わせる シンプルなのに凄いインパクト。だけどこれって普段の生活の裏で当たり前に行われていることなんですよね。 ○推薦作:遠くの月 イグチさんの作品は、すっきりとまとまっていて主張も心に響いてくる気がしたけど、ストレートすぎて最後の帰着が予想できてちょっとつまらなかった。マニエリストQさんのは何が言いたいのだかよくわからないけれど、読んでいるうちに絵本のように次々と絵が浮かんでくる。そのイメージの鮮やかさが楽しかった。詩の事は詳しくないが、読んでいる時に次にどんな言葉が出てくるか楽しみだったマニエリストQさんの詩に一票。 ○推薦作:遠くの月 イグチさんの作品は、「手を合わせる」という一言だけでポエジーを付加するというシンプルだが難しい作り方をしていて、個人的には好きなのだが、正攻法のQさんと比較するとやや「狙った」感があり、タイマン向きではなかったように思う。だからといってQさんの作品が好みかというとそういうことでもないんだけど、あくまで一対一の作品勝負でどちらが秀でているかという点において、Qさんに一票投じようと思う。(トノモトショウ) |