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1000字小説バトル

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1000字小説バトルstage4
第33回バトル結果

おめでとうございます

今回のチャンピオン作品は、サヌキマオさん『八月四日 満つ蝉』です。

投票結果
得票数 
1
サヌキマオ
2
2
小笠原寿夫
1
3
映画「あなたは回る」予告編(2018)
小伏史央
4
流儀
ごんぱち
5
拇指の刺
田村俊子

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

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推薦作品と感想

八月四日 満つ蝉
サヌキマオさん


感想:
セミにとって地中こそが生きる場である事は疑問の余地がない。
発情をする前段階において、それをどう認識しているのか、それによって、幸せの度合いは変わって来るのだろう。
集団的無意識のようなオカルティックなものがないとして、セミが地上に上がった後の行動は、当該個体にとっては一度も見た事がない現象であろう。その時、彼の行動は自我ではなく何らかの生理的欲求に従ったものであって、生物と言うよりむしろプログラミングされた一個の機械に近い。そう考えると、あの言葉に、若干の説得力が湧いてくる。
「下半身に人格はない」
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
「八月四日 満つ蝉」
今回も面白かったです。羽化前の蝉を主軸に描きつつ、地蔵に手を合わせるメッツくんのエピソードや話者の感じる無常感までを無理なく1000文字に収めていて、とても贅沢な掌編だと思いました。
冒頭のカナブンの描写も、夏と死を感じさせて素敵です。文章の機能的にも、カナブンの死骸が多いぶん、蝉の抜け殻(に見えた終齢幼虫)に目を向かわせる形になっている、こなれた冒頭だと思います。
投票者: このバトルへの参加作者

漫才ドッキリ
小笠原寿夫さん


感想:
「八月四日 満つ蝉」
 ちょっと、なんらかを掴めたのです。
 羽化に失敗した蝉、のあたり。

「漫才ドッキリ」
 2点ほど腑に落ちないところがあって。
1:「てめー、でかい声出してる時点で平和主義じゃねぇじゃねえか。」という野次は長くないかしら。
 たぶん、漫才のテンポからすると全部聞こえずに「なんて?」って聞き返す長さよね。

2:駆け出しの舞台なんてこんなものである。
 これ、語り手の立ち位置がよくわかんなくなってくるのです。その駆け出し本人が云っていいセリフなのか。
 それとも、今はベテランになった語り手の、回顧なのか。

 そのへんの、語り手の立ち位置がぶれんようになるだけで絵としてはかなり締まるのではないかなぁと考えます。


「映画「あなたは回る」予告編(2018)」
 わりとこう、テクニカルな問題。
 作者が内々に設定していることを、そのまんま登場人物に割り振るとこうなってしまう、という部分がある。

> 「あんさん、そんなに息切らせてどうしたんだい」
 走ってきた若者に老人がかけるには、セリフが長すぎる。

> 「なんだい、靴を履いてないじゃないか」
 これも、「おや、裸足かね」くらいでいいのではないか。

 そのへんの会話の「間」について、もうちょっと考えられるだけで、だいぶ作品としては違ってくると思うけれども。


「流儀」
 めずらしく悪役がいる。そして監き(後略)された四谷先生は出てこない、と。
 今日びのパソコンはDドライブ分けねえだろ! というのは突っ込んだら負けなんだろうか。


「拇指の刺」
 いいですね「花片の繊維のような神経」。こうやって娘のたおやかぶりを表現しておったのです。当時は! 縦じわ!
 で、「こういうふうに生きねばならぬ」と思った娘さんも多かったことでしょう。なんせ、小説に書いてあるんですもも! プルーン! 夾竹桃!

 冗談はさておき、本当に「乙女たるものこう生きるべし」という話なんだろうなぁというのは本当で、こういうのんが憧れられたんでしょうなぁ。


 この中から選べというのは非常に難しいが、はじめとおわりがはっきりしているという点で「漫才ドッキリ」かなぁ。
 タイトル、よくわかんないんだけど。
投票者: このバトルへの参加作者