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3000字小説バトル

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3000字小説バトル stage3
第2回バトル結果

おめでとうございます!

第2回のチャンピオンは、
アレシア・モードさん作『彼岸』と決まりました。
みなさまご参加くださいましてありがとうございました。

投票結果
得票数 
1
六花
緋川コナツ
1
2
青猫ロボットの増殖
サヌキマオ
3
彼岸
アレシア・モード
3
4
棄てる金
若杉鳥子
    

感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。

「私の投票がない!」「内容が違うような?」……掲載もれ、ミスなどがございましたら、QBOOKSインフォデスクのページよりご連絡ください。

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推薦作品と感想

■Entry3
彼岸
アレシア・モードさん


感想:
「六花」
 <初めての男と肌を合わせるときの緊張感は、雪が降り出す前の張り詰めた空気に似ている>がゆえに語り手の幼少期の回想シーンが出てくるのか。これ、恐ろしい話で、幼児期に雪が降ってくるのを待ちわびているのとおんなじ了見でいろんな男と寝てるんだとすると相当動機が幼い。が、そういう幼さを別に書きたいわけでもなさそう。
 しかもアレよ、そうすると、この語り手はいくつなんだろう。<年齢を重ねるごとに少しずつ臆病になって>というのがヒントになると思うが、十代後半からあれこれあって20代半ば、とも読めるし、二十代は男をとっかえひっかえ性を謳歌しまくりからの三十半ばにも見えるし、子供も手がかからなくなってから不倫にうつつを抜かすもっと上の世代にも読める。
 あと、<四歳のころ、雪のほとんど降らない土地に引っ越した>という地の文があって、また次の一文で<やがて雪が強くなってくるとワクワクした気持ちは最高潮に達し、歌いながら仔犬のようにはしゃぎ回った>って、雪のほとんど降らない土地に引っ越したのはいつの時勢なのかしら。あまりにもグチャグチャすぎて雰囲気で押し切るにしても無理がありすぎる。その場の勢いで肉弾戦に押し切るには、ちょっとぶくぶくのだるだるであまりにも不摂生じゃあありませんか、みたいな。そういう話。共感以前に理解に苦労する。

「青猫(後略)」
 もう飽きてきたけど風呂好きで男友達のいないバイオリン男とかが出るまで頑張りたいと思います。

「彼岸」
 自分にとってやや特別な存在だった男の子がある日、他の客と同様に橋をわたってマリンパークに行き二度と戻ってこなかった。この「他の客と同様に」および「二度と戻ってこなかった」が文学的余韻である。で、なんとなく心に空いた穴を描写するのが小説の仕事のひとつ。この感慨を「文学してる」と動詞で顕す文芸批評家もおったとか。この辺のささやかな喪失感を描けた時点で小説としては成功しており、「面白いねえ」というよりも「お、仕事をしましたな」という塩梅の評価となる。タイトル含め死の隠喩にしてもいいけどしなくともよい。
 投票、どっちってったって選択肢は2つしかないので「彼岸」にする。

「棄てる金」
 心情のむつかしいところをむつかしいまんま描けるてなぁ勇気がいるねぇ。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
自分はアレシア姐さんのファンなので、作品を読めるのは
とても嬉しい。
3000文字を読み終えて、あらためてタイトルを見ると
何故か胸にじーんと(じゅんっ、ではなく)染み入る感じ
があった。
そこが良かった。

「青猫ロボットの増殖」

栗まんじゅうのくだりで、ちょっと読むのがしんどくなった。
それはもしかしたら、読解力のない自分が悪いのかも
しれません。
投票者: このバトルへの参加作者

感想:
1.六花
場面切り替えや、心情の変化、それから、最後にしっかり話を回収するところは素晴らしいです。
正統派という言葉が、この作家さんには、相応しいです。

2.青猫ロボットの増殖
原作にはまった世代としては、こういったパロディーをしてもらえるのは、嬉しい。
ところどころ吹き出したところもあり、力あるなぁと思わされました。

3.彼岸
のっけから、主人公を客観視しているところから、上手いなぁ、と思いました。
なんにも起こらない退屈な時間に、アレよアレよ、と吸い込まれていった感じがします。

今回は、アレシア・モードさんですね。これだけのものを頭の中だけで、作り上げる才能はすごいと思います。
投票者: その他のQBOOKS参加作者

■Entry1
六花
緋川コナツさん


感想:
「六花」
 五感を通じてセックスと雪に一致するところは皆無なので途中が少し読みにくい。雪を象徴にするために歯車を一段外してるように感じる。美しく雪が積もるのは最中でなくその前であってその中心は雪であれ何であれ互いを汚しあう愉しみであり覆い隠せないものを認め合う喜びかと思うのだけど(まあ私は少し悪趣味かもしれないが)、それが正しいとして、この作品の本意は一段を外すことにあるのだろうと思う。とにかく観念的には美しい、それが逆に主人公のこれまでの経験による恋愛に対する不安ひょっとすると罪悪感を透かしているように感じる。冷たく溶ける雪ではない、あたたかい永遠の雪に包まれることを祈る次第。

「青猫ロボットの増殖」
 今回はまっすぐすぎたかもしれない。オリジナル作品同様に、ひとつのアイテムの騒動が軸になっているため振幅を広げただけの印象がある。マーケティングに熱心な以外、何の役にも立たない猫は相変わらず魅力的だ。
 どうせ猫なんて役に立たないのだから広告付きの奴がいてもいいかもしれないし、むしろ猫が媒体になった方が好感度が高いかもしれない。

「彼岸」
 なんかこう、冷蔵庫の具材で5分で作ったシチューのようだ。アンバランスで生硬で馴染んでない。おっ。上手いこと言うねえ。残りの座布団取ってやりな。
投票者: このバトルへの参加作者