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第20回詩人バトル Entry22

私達

泣き止むきっかけを
失った私達は

バス停脇の塀に寄り掛かり
夕暮を味方に引き込もうとする
一匹の蝙蝠だったのだが

醜悪な面相の私達の叫びは
家路を急ぐ私達の耳になぞ
届くはずがなかった

三日三晩しゃっくりが
止まらなかった私達は

コンクリ橋の欄干にもたれ掛かり
回遊する稚魚に生臭い息を吐く
一羽の鴎だったのだが

嘴から漏れる私達の長い溜め息に
足を止め意味を探す私達なぞ
いるはずもなかった

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