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詩人倶楽部

第4回詩人バトル
poem21

魚のように(Ver.2.01)

作者 : ヒロナガ
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 あの遥かな時の向こうで、独り泳いでた君の背中に。
今、追いつくために。行こう。
――たとえ、もう二度と戻れないとしても。

冷たい闇に抱かれて、あの日。君は言ったね。
“世界のはてへ……”
ただ一度見たきりの灯(ひか)りに怯えてた僕の前で。

もう今は辿り着いたのかな?
……まだ今も泳いでいるのかな?
麗らかな静寂の中から。
旅立つ時が僕にも来たから。

流れ行く水の強さがお互いの傷をさらけ出してく。
いつか僕らも、この海の中で骨だけになるんだね。
――だけど、僕は君に誓うよ。
“ずっと、泳ぎつづけていくから”って。

無限の青に消えた君の、言葉は。僕の心を、
ただ一度見たきりの灯(ひか)りとなって
今も、強く、強く打つけど。

なぜ、君は泳ぎ出したのかな?
……なぜ、僕は泳いでいるのかな?
ありふれた「真実」の中から、
“一つきりの幻想(まぼろし)”を捜しに?

果てしない海の深さがお互いの傷をさらけ出してく。
いつか骨だけになるこの身体には、
痛みさえも甘く。刻まれて。

……二度と会えなくても。
忘れない。

“「現実」(いま)は儚くて美しいから”。ね。






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