好き ……好き え!? ……え!? 何だ、こだまか ……なんだ、こだまか……
舞台に立って 体が動かなくて そこで初めて緊張していたことを知りました 気を失うように寝て 次の日の朝目覚めて そこで初めて疲労していたことを知りました 知らず知らずのうちに 溜息が三十回を数えて そこで初めて悲しみにくれていたことを知りました いつだって私の感情は置いてけぼり 感情と行動はいつもすれ違っています でも この感情だけは 視線が自然にあなたを追うことに気付いた この感情は まだ気付かずにいたかった だってそうすれば あなたに会うたび隠れることも無いでしょう 月を見るたびあなたを思い ため息をつくことも無いでしょう あなたに会えないことで 胸を押さえることも無いでしょう けれど私は知りました 視線が自然にあなたを追うことに気づいて そこで初めてあなたへ恋焦がれていることを知りました
※作者付記:心と体の間に不自然な距離感を感じます。
ひなびた街へと続く道 環状線が横切るこの道を 今も私は超えることができない 君を見つけた店 うつろな瞳 冷たい言葉 小さな嘘 ブラックジーンズ オニキスの指輪 この道は現実へと続く つなげない指 君のぬくもり 行き交う車にさえぎられるからじゃない きっと10年先も 変わることのないこの街を 苦々しく思いながらも 渡ることができない この道の先は きっと 私の新しい未来へと続く