第10回パラ1000字小説バトル結果

おめでとうございます!

今回のチャンピオン作品は、
ようこさん。さんの『「辺名高列伝 親の始末」』に決定しました。
ようこさん。は、これでグランドチャンピオンにリーチとなりました。

エントリ作品作者得票
01「辺名高列伝 親の始末」ようこさん。4
03とむOK3
02目が覚めない。千希2


感想票をお送りいただいた皆様、ありがとうございました。
「私の投票がない!」「内容が違うような」……
掲載もれ、ミス等ございましたらご連絡いただけますようお願いいたします。



推薦作品と感想

■「辺名高列伝 親の始末」  ようこさん。さん
 
感想:テーマにあった小説で楽しませてもらいました。子供育てるのって本当に大変!?
票者:純粋読者


感想:へその緒が切れた瞬間から高校生の今日の日まで片時も子から離れず過ごしてきた>>ここの部分にじぃぃぃぃんとしちゃいました。
票者:純粋読者


感想:僕の家の前を通る道路は、高台にある小学校に車で上れる唯一の道です
朝と夕方、小学生の送り迎えの車で渋滞します
過疎の町なのに、どこにこんな車があるのかと驚かされます
ようこさん。のPMクラブも、きっとどこかの町でほんとにあった話なんだろうなと
想像してます
これからも日本PTAノンフィクションを楽しみにしてます
票者:純粋読者


感想:現実にありそうな話でちょっと怖いような気もしましたが
それがかえってリアルな感じでよかったです。
票者:純粋読者


■蟹  とむOKさん
 
感想:とても好きな雰囲気の作品です。
「ハレルヤ。」は最後の一言だけの方が効いたかな、と思いましたが。
好みの問題かな。
票者:このバトルへの参加作者


感想:エントリ01  「辺名高列伝 親の始末」    ようこさん。さん
この作者の場合、句読点を減らすことで文字数を調節しているように見えてしまう、というのがまず大きな欠点。
また「〜死語となった時代」とあるが、保護者同伴は、辺名高の特徴ではなかったか。
その辺りも甘いし、PMクラブのために校門から離れるのも理解できない。
御題に対しては、どこからどこまでが筋書きなのか分からない。
筋書きもないのに筋書き通りだという独り言、と考えるのは不自然だ。誰かに言うなら分かるが。

エントリ02  目が覚めない。    千希さん
「夢だとわからない夢をずっと見続けられますように」とあるので、筋書きは存在しないのだと思われる。
「筋書き通りだな」ではなく「筋書き通り」でもなく「望み通り」といった感じ。
「あかいした」と平仮名で書いてあるのと、「ボク」がやけに多いのも気になった。
そのせいなのか、内容が薄い。

エントリ03  蟹    とむOKさん
水曜日で始まって、土曜が出てくる。この段階でどちらが先の出来事か分からず、読み進めにくい。
「蟹がこんなに多いのは、死んだ言葉を食べて増えたから」とあるが
街中の蟹を拾って食べられることを知っていながら買ったということだろうか。
檸檬を買うのに鍋を持参したことは良しとしても、蟹に代金を払うのは意味が分からない。
第一「檸檬」の筋書き通りと言えるだろうか……?
「僕はたまらなく不安になるのだ」というフレーズはイマイチ。
この作者の傾向として、もっと小説らしい表現を使った方がいいのでは、と思う箇所が度々見られ、これもその一つだ。

どれも御題をクリアしていないと判断し、面白さで「蟹」に決定。
票者:その他のQBOOKS参加作者


感想:とむOKさんは、無性増殖できるらしいんだ。それってすごいじゃない?
この1000字はなんだかさっぱりわかんないんだけど。ヒルズをたくさんのとむさんが行進するんだなんて。。。蟹がいっぱいの本屋とどっちもどっちだろう?と、おもいました。
票者:このバトルへの参加作者


■目が覚めない。  千希さん
 
感想: 「筋書き通りだな」がテーマで、じゃ、テーマを踏襲しつつ作品を完成させている作品があるかというと、無い。「筋書き通りだな」と客観的に述べる存在がいてこそなのであって、ようこさん。は校長に言わせてはいるけれども、でも、なんか適当。「筋書き通りだな」でも「腹が減ったな」でも「盆でさえクリスマス」でも、なんでも構わないセリフの部分だ。
 おそらくテーマを決めた人は、「筋書き通りだな」という外部からの客観性までを望んだであろうので(当然、担当者はそこまで慮っていることだろう)、まぁ、そこまでじゃないよな。三作品とも。
 的外れ。さいころポンで幸運票を千希さん江。(M)
票者:その他のQBOOKS参加作者


感想:「筋書き通りだな」というお題をこねくりまわしている間、よほど工夫しないと陳腐なオチに収束してしまうのじゃないかと随分苦労しました。ようやく「蟹」という形にしたものの、このお題をどう読むのがいいのか、いまだに迷っております。いろんな解釈があっていいとは思うのですが…。

千希さんの作品は、唇に触れるくだりが好き。幻想と幻実の多重構造、ラストは無限ループで少し散漫に感じてしまいましたが、それはそれでそういう感覚なのか、そういう「筋書き通り」なのか。感性を陳腐に収束させかねないお題だけに、限定された状況から何かが生まれてくるのかも。スジガキドオリノユメ、という言葉でさらに遊んだらどうなるか、と考えてしまいました。

ようこさん。の作品は現実をデフォルメして意表をついた展開を見せ、なおかつ最後においしい所を持っていこうとする校長の姿を帰結点にするなど、愉快痛快な作品だったと思います。

作品のまとまりからしますとようこさん。だと思いますが、千希さんの作品の中に、何か自分が掴み得なかったものが隠れているような気がして、一票投じます。
(とむOK)
票者:このバトルへの参加作者