第11回3000字バトルチャンピオンは、
『生贄の家は蘇る』もるもるさん作に決定しました。
もるもるさん、おめでとうございます。
票を得た方もそうでなかった方も、次回でまた頑張ってください。
感想票をお寄せいただいた読者の皆様ありがとうございました。
編集後記
今回の3000字バトル参加者は計25人と過去最大の参加となりました。
多くの方に参加して頂き、御礼を申し上げます。
Q書房はインターネットを通じ、お互いの作品を読み、感想を交換しあって
互いに切磋琢磨してゆくことを至上としており、作品投稿者には必ず投票
していただくことになっています。
しかし残念なことに最近のバトルでは投票率の低下が著しくなってきています。
今回も実に参加者の半数以上が投票を行っていません 。
現在は主催者・スタッフの意向により、不投票に関する罰則等はありませんが
このままでは不投票の罰則など、嫌なルールを設けなくてはならなくなります。
「発表だけで終わるバトル」にならないためにも、参加者のみなさんには
ぜひ、投票を行っていただけるようにお願いします。
題名 | 作者 | 票 | 感想 |
---|---|---|---|
生贄の家は蘇る ★ | もるもる | 3 | ↓ |
おっぱいマニアの女 | Jamie.E | 2 | ↓ |
ひらがなかおす | 太郎丸 | 2 | ↓ |
リング エロス | 藤丸 | 2 | ↓ |
残光 | 有馬次郎 | 2 | ↓ |
首のない殺人 | のぼりん | 1 | ↓ |
天狗 | さとう啓介 | 1 | ↓ |
二人羽織り亭主 | しょーじ | 1 | ↓ |
鷲鼻の奇術師 | 越冬こあら | 1 | ↓ |
穏やかな侵略 | 羽那沖権八 | 1 | ↓ |
目 | 3104 | 1 | ↓ |
それで、最後に票をいれた「リング エロス」
他の作品が完全にオリジナルであるだけに他から世界観を借りるのは
ある意味卑怯かもしれないけれど、
作品のテーマとして他の作品を持ってくることはよくあるわけだし、
作者の意図はわからないが開き直った感じがしてすがすがしい。
単純にとても笑いました。
1000字同様名前を挙げた作品はどれに投票しても
良いとは思うのだけれど多少気分的な問題と
偏見に満ちた自分の好みで「リング エロス」に1票。
・もるもるさん「生贄の家は甦る」
→作品全体に流れる重たい空気感が好きです。焼き魚の匂い、ご飯から立ち上る湯気、身体の中の暑さで寝苦しいなどの感じが、すごくよく伝わりました。しかし、生贄の炎・生贄の家で感じた小さな光についての描写が漠然としすぎて、どんな炎・光だったのか伝わらなかったのが残念です。
・ウナイさん「台風の夜」
→台風の日の、ざわざわとした不安な感じがよく伝わりました。特に、猫の行動についての描写がリアルでよかったです。
>外に出られないのも、外に強い風がふいているのも全て私たちのせいだと思い
という部分など、いかにも猫の考えそうなことでとても好きです。
小説というより、スケッチ的な文章だったので、一番に推せませんでした。
・太郎丸さん「ひらがなかおす」
→ひらがなで書く音のエッチさ。文字でしか表現できない着想に感動しました。しかし、この作品でのエッチは薄いネグリジェを着た女性のように、もう1枚脱いでくれればいいのに…と、妄想をかき立てられる一方、いつまでも実体に触れられないもどかしさがあります。
・綾重寄之介さん「おいしい数字」
→グルメガイドの★印の数に躍らされてしまう心理を逆説的に書かれていて、見事でした。贅沢を言えば、オチにも強い風刺が利いていれば一番に推せたのですが。
何だか今回、全体を通して短すぎる作品が多かった気が。
厳密な3000字にこだわる気はありませんが、2000字にも満たない作品は如何なものかと。
感情が入り込んで、ある一定の価値観に引き摺られてしまう。何かを創り出そうとするとぼろが出る。この作品には
そのような嫌らしさが少しも感じられず爽快な読後感を味わうことができた。