第19回3000字バトルチャンピオンは、
伊勢 湊さん作『琴線』に決定しました。
4度目のチャンピオン、おめでとうございます!
感想票をお寄せいただいた読者の皆様、ありがとうございました。
# | 題名 | 作者 | 点数 |
---|---|---|---|
16 | 琴線 ★ | 伊勢 湊 | 4 |
5 | 竹林の幽霊 | 大井 玉 | 3 |
19 | 目を閉じて深く潜れ、高く飛翔する為に | Ame | 2 |
7 | 水中教授 | 百内亜津治 | 1 |
9 | 『きらきらと夜が降る』 | ゆうか | 1 |
13 | その日、暑さの気晴らしに | 羽那沖権八 | 1 |
15 | ウワサの末端 | 紺詠志 | 1 |
この方の作風っていつもあまり好きではなかったんですが(お上手なんですが甘すぎて〜)、今回はちょっとやられました。
主人公の男性がとても魅力的でした。
『バニラ』『その日、暑さの気晴らしに』『琴線』『the day the world went away』『目を閉じて深く潜れ、高く飛翔する為に』――
以上の作品が印象に残りました。この中でどれに投票するか迷ったけれど、『琴線』にいれることにしました。
理由は、この作品が一番、登場人物の心情を無理なく描き出していると思ったからです。
女性の書き方等がステロタイプに過ぎる様に思われもしましたが、ラストで素直に「ああ、そういう解決もあるのか」と少しばかり驚きましたので。いえ、多分彼は殆ど何も変わらないであろうから「解決」ではないのかも知れませんが、少なくとも針の様に小さな部分はひょっとしたら変化しているのだろうな、と感じられる、繊細かつ安定した描写に交換が持てたのです。
最後の最後まで、『ウワサの末端』と迷いましたが、
『琴線』を選ぶことにしました。
やはり、テーマがわかりやすくて前向きな終り方なのがいいです。
「落ち込むことはあるけれど、私は元気です」(from 『魔女の宅急便』)
的な物語を書いたら、今のところ、
Qでは伊勢さんの右に出る方はいませんね。
なんて思います。褒めすぎかもしれませんが。
『竹林の幽霊』[大井 玉さん]を推す。ありがちといえばありがちな話で、かけおちという大人の劇的な恋愛にかすかな刺激を受ける若く未成熟な恋というモチーフも、幽霊の正体も、あまり清新なかんじはしないが、消去法でこの作品しか残らなかった。というと積極的な推薦理由ではないようだが、物語展開が冗長でなく描写にほどよく芸があって退屈せずに読めたし、ふたりのキャラクターが活きているし、結末のふたりの動揺の表現がさりげない。じょうずな小説だと思った。
最後の最後がいまいち盛り上がらなかったが、読まされました。ここの作品では珍しい部類の話しなのでついつい惹かれてしまったのかもしれません。
時代設定を少し前に設定したのが効果的だった。
場所も特定の地名を出す事によって、話しにリアリティが
出たと思う。
タイトルを見て「ホラーなのかな?」と思って読んだら
実は違っていて「やられた〜!」と思いました(笑)
面白かったです。
文体はかなりとっつきにくいが、読み進めていくとさほど気にならない。(というか前半に修辞的箇所が多すぎるのかもしれない)
内容的にも文体的にも「ネットで人に読ませる」というサービス精神が、この作者には欠如している。
だがネット的な「読みやすさ」に従属するならば、「小説」が持つ価値などそこにはない。高く飛翔するために、目を閉じて深く潜ること。
この作品ならば、深く潜る価値はあるように自分は感じた。
以下、外の読者を意識して、面白かった作品をあげてみる。
3「オヤジのサークル」
素人のオチもので面白いものを捜すのは難しい。この作者もパターン化が見受けられるが、本作は設定も展開も面白かった。
14「ホステスの母」
何か足りない印象を受けるが、家族を描いたその筆致には評価すべきものがあるように思う。だが少々散漫かもしれない。
とても美しい。小説としてのリアルがあって、読んでいて
引き込まれる。小説とはフィクションなわけで作者の
世界観の中で何があっても良いわけだと僕は思うのだが
その世界の中での事象がすごくリアルだから旋律として
心に流れて心地よい
なんだか久し振りの作者さんである。
またちょくちょく投稿して貰えると、賑やかになって楽しいのですけどね。
今のコンディションのせいか何なのか、普通の小説を読む集中力がなかった。
こういう時は、こういう形が読みやすい。
また、ラストのプロフィールが、いかにもで笑える。頭狂はかなり笑える。
インタビュー内容については、大爆笑、とは行かなかったのが残念であるが。
先日テレビで「耳を澄ませば」をやっていたのですが、困りました。
何でこんな、モロ直球少女漫画ネタが泣けるのだろう。
ティッシュを切らしていたこともあって大変困りました。
推薦理由はそんな感じです。軽い文体でうまく少女を描写してるな、と思いました。
多分トトロを見ればまた私の心は殺伐としてくるので、次からは大丈夫でしょう。
誤字脱字が非常に多いのでその点は次から何とかした方が良いと思います。まあ余り気になりませんでしたが。
いやあ、それにしても一時間で三千字全部読むのは大変でした。レッドカード制効果覿面、と言ったところでしょうか。
このあついのに、面白くない小説を読むのは、苦行だ。
人をひきたくなる気が分かる。
ウワサの末端がウソの先端。なんてぼんやり考えてしまった。
オトナの男と女がバーで出会ったら、そこから先はウソだらけ。それを小粋というんだろう。
ウワサは末端はどんどん移動するが、でも、ウソには方向はないんだな。気分次第でドコまでもいけるだろう。ドコまでも小粋に。でも、不思議なことに、全然動けない市長が一番粋に見えてしまう。末端も先端もなく。そういうわけで、市長に一票。