第6回3000字小説バトル結果
『黒い回覧版』越冬こあらさん。『炎のがらめ』鮭二さん。
今回はお二人同票チャンピオンです。越冬こあらさん、鮭二さん。おめでとうございます。
投票をくれたみなさん、ありがとうございました。
●黒い回覧板(越冬こあら)
- 読ませる力量のある人というのはある程度はっきりしていると思いますのであとは好みの問題なんでしょう。越冬こあらさんの作品は奇を衒いすぎずありきたりすぎず、ウェットすぎずドライすぎずといったバランスが私の好みです。
3000字投稿数も増えたんですね。1000字を書き慣れていましたが3000字を書いてみるとやはりこのくらいの長さは必要な気がしてしまいますな。
- 素直にこれを一番に推します。つたない感想ですが、この作品が一番心に残りました。次回も期待しています。
- 読んだ後、しみじみとした気分にさせられました。ラストの淡々とした語り口が良かったと思います。
今回、初めて参加させていただきました。結果如何に関わらず、感想をいただけるのがとても楽しみです。また是非参加させていただきたいと思っております。
- 今回はこあらさんの「黒い回覧版」でお願いします。静かな雰囲気が良かったです。
- 今回自分の中で最終選考に残ったのは、『黒い回覧版』『炎のがらめ』『お年ごろ』の3作です。昔話しの様な雰囲気を持った「黒い回覧版」。前回と同じテーマで再挑戦の「炎のがらめ」。ちょっとイヤらしい雰囲気の「お年ごろ」。みんな面白いんですが、今回は死神の様だと思われる主人公の悲しさに投票します。
●炎のがらめ(鮭二)
- 初めて3000字バトルに参加させていただきました。ジャンルもレベルもさまざまでこれからの創作活動のよい肥やしになりそうです。一通り読んで印象に残ったのが鮭二さんの「炎のがらめ」でした。名前とタイトルも独創的ですが、文のほうも濃いキャラを3000文字の中を隈無く泳がしてるという感じです。どうしても作品のジャンルの好き嫌いはあると思いますが、広く受け入れられそうな作品だと思いました。
掲示板にてみなさまからの感想や意見をいただくことができて良いですね。まあ厳しい意見もおおいですが負けじとがんばりたいと思います。次もまた作品応募します。
- 登場人物たちがとても生き生きとしていて、面白く読むことができました。
- 女に手玉にとられる男というシチュエーション、たまりませんね。
- 心地よい阿吽の呼吸というのは、端で見ても得した気分になります。それは必ずしも登場人物同士に限らず、作者と登場人物との間にもあらわれるものだと思います。またやってらあ、というツッコミを入れたくなるような、お互いを知り尽くした上での戯れあいを楽しませて頂きました。世界が生きているのだと、やはりそう思います。
- 男の哀しい性が何とも言えず切ないです(笑)。文章の完成度も非常に高いと思います。面白い。
●水の杜に、龍は眠る(川辻晶美)
- 『水の社に、龍は眠る』を推します。「人魚との一夜の恋」という題材は、正直言って陳腐ですが、綺麗な海のヴィジュアルが浮かび、いい雰囲気を作っていました。構成もいいです。
●夏の残り香(伊勢湊)
- どなたかこの二作品を映画化して下さい。この二作品から一つを絞るのは、難しい。0.5票ずつにでもしたいのだが。
『夏の残り香』すべての事柄が、きちっと書かれていて、文章が映像として迫ってくる。切なさが、ひしひしと伝わってきて、とても良かった。すばらしい。
『黒い回覧版』「ひつぎやのおくさん」が届いてから、ぐっと話に引き込まれた。おろおろする主人に、淡々と死を受け入れる妻。悲しさを優しさが、丁寧に包みこんでいく。夫婦の会話が書かれていないのも、とても効果的であった。
●お年ごろ(一之江)
- こういう文体は、簡単そうで簡単ではない。書けそうで書けない。なんだこんなの5分で書けるぜ、と思って書くととんでもないことになる。で、この界隈ではわりとそういう作品を目にすることが多い。文体というのは必要に迫られて選択するものなのだ。物語が要求する文体。例えば中盤のバランサー明神智和のようなものが文体だろう。ゲームという物語を見極め、自らのポジショニングなり攻守の切り替えなりパスの出しどころなりを決断し、チームのバランスを最良の形に90分間保ち続ける。それが文体。この作品には物語を文体によって操っているという爽快感がある。テーマはシンプルで深い。ではどうやってそれを読み手とシンクロさせるのか。それを考えれば必然的にこのような文体となる。読後感もまたシンプルで深い。小説というもののダイナミズムを感じる。(フィリップトルシエ談)
●孤独な夜空に(Default)
- ミュージシャンの一人として、この作品だけははずせません。文章のリズムも急ぎすぎず、遅すぎず絶妙ですね。
●ハートブレイク(羽那沖権八)
- 結末に驚きがないのが少し残念だけど、描写がリアルで気に入りました。