第12回3000字バトルチャンピオンは、
虹男さん作『すとまっく』、伊勢湊さん作『星のもと』に決定しました。
おめでとうございます!
票を得た方もそうでなかった方も、次回でまた頑張ってください。
感想票をお寄せいただいた読者の皆様、ありがとうございました。
明るくて、そしてその裏にブラックな思いが潜むスラップスティック。
大人の味。
全部読んだ中ではとりあえずマトモに読める作品だと思った。
取り立てて面白いと絶賛するほどではないが、他の作品に比べると完成度は高いと思った。
ドタバタした異常な展開を上手い具合に仕上げている。
こういう笑える作品は、笑ったもの負けなので一票。
――しかし、もしも勝ったらどうなったんだ?
読後の余韻をひく作品。せつなくて、静かで、とても良い。星というテーマがあまりにも大きすぎて、その中にあって三人の登場人物の設定から、作品のモジュールまでがすべて計算されている。星だけを追い求める人生、星の数の中の唯一の出会い。とても良い。頑固者の私でも、この作品は認めざるおえないものがありました。
あまり面白い作品はなかった。
ただ、「星のもと」だけは、心にジーンときました。描写もすごく丁寧に書かれており、充分に作品の中に入り込めました。最後のシーンは本当に上手いまとめ方だと思います。良かったです。
登場人物、ストーリーともに良くまとまっていて親しみを覚えた。
地味ながら光るものを感じた。
プロ、を感じさせる作品でした。
昨夜はやはり泣かれてしまった。で始まる出だしは、さら読みで通り過ぎようとする読者を立ち止まらせるには充分な出だしだったと思います。
内容は、少し失礼かも知れませんが、小説と言うよりもむしろ、雑誌のドキュメンタリーといった感じでした。上手く言えませんが、読んでいて、ぶれがないと言ったらいいのでしょうか。それは意識して出来る事ではないのかも知れません。
だだ一つだけ気になった事は、…男は、ではなくて、私は…で纏めた方がよかったような気がしました。男は…で表現するには、余りにも感情が入りすぎている気がしたからです。何度も読み返していると、そんな事が気になってきます。ただ、読んでいて安心できる纏まりだった事は確かです。また機会があれば読んでみたい。そう思いました。
作品として最低限読めるものはこれしかなかった。
ブラックで、おもしろかったです。
先人の偉大な功績は、やっぱり侮れません。インカのミイラ戦士たちが隊を為してやってきたときの部長さんたちの顔を想像すると、笑えます。
他におもしろかったのは、『身貸し時貸し奉る』です。
志半ばで亡くなった人に身体を貸し、失った時を貸して、未練を拭い去る──そっちの世界で有名になった木下さんは、これからシャーマンになるわけですね。
どうも読書感想文と言う奴は苦手なので、上手く言えないのですが。
たくさんの作品の中で、一番意表をつかれたと言うか、来るものがあったと言うか。なんだか有りそうなネタのような気もするんだけれど、あぁ、そう来たか。みたいな感じで、面白く読めましたね。
どうしても好みの問題があるので、全作品を均等に比べられてる訳ではないですが、単純に好きな作品。そしてその中で一番、好きだな、と思った作品がコレです。
作品について(敬称略)
1女奴隷(明智寅太郎)
何が書きたいのか、理解出来ない部分がありました。SMじみた作品は沢山ありますが消化不良な感じです。内容が見えてきません。
2戦士たち(のぼりん)
インスタントラーメン〜のくだりはなかなか興味深かったですがそれまでの最初の文章と会話形式のところが文章としてどうか、と思いました。会話のところにあまり説明がなく、シナリオのような感じがしました。
3ひきこもり(山本文昭)
始めはあまり好みの感じではなかったのですが読んで行く内に惹き込まれる感じがしました。
ただ、ちょっと不条理というか無理があるような気がしました。ミステリというよりもホラーな感じがするのは面白かったです。
4地下鉄口前(raspy)
短いと感じました。3000文字バトルなのになーと。
内容としてはどうも消化不良な感じを否めませんでした。
5金魚(伊東春日)
意図的なのでしょうか、書き方が小説っぽくありませんでした。改行が多いせいかもしれません。
内容が、背景がまったく見えてこなかったのが残念です。
6さよならの夜。(翡翠)
ベタなテーマかもしれませんが辛いけれどこういう風に愛されたい、一度は体験してみたいと思うところです。
少し残念に思ったのは男性側からの気持ちの描写がなかったこと。彼はどう思っているのか知りたいところでした。
実は推薦作品と悩みました。これが私の中では第二位です。
7二十七分の一の真実(長本時彦)
発送は良いと思いましたが練りきれていない感じが見えました。
「……」この表現は小説としてあまり上手に見えないのが残念です。
セリフはきちんと書くべきではないでしょうか。
8命賭けのパチスロ(与儀守晃)☆推薦作品☆
ショートショートとして、かなりおもしろいと感じました。
内容もきちんとあり、よく練られているように見えます。
ただ最後の妹が言う科白が少々しらけました。値段が高すぎではないですか?
9アメリカのありふれた朝(やす泰)
内容は某テロ事件なのかな、と思いますがちょっとネタすぎと感じました。
ありふれているはずの朝がありふれていないように見えるんです。
もう少し他の角度からこの作品を書き直したものを読んでみたいと思いました。
10すとまっく(虹男)
思わす笑ってしまいました。私の中では第三位です。
不条理系のホラーを思い出させ、かなり好みの作品でありますが
医者と患者の意味不明な闘いの描写をもう1000文字くらい足して見たいところでした。
11この深く冥き森にて(碧海玲)
真剣に読み直してみましたがまったく意図するところが理解出来ませんでした。
これは小説なんでしょうか?少々悩むところです。今後の作品に期待します。
12黒い川(さとう啓介)
3000文字ではなく、6000文字で読みたいと思った作品でした。
短すぎてまとまりがなく、意味が理解出来ないところがいくつかありました。
長いものを是非書いていただきたいです。
13渇水微熱症候群(有馬次郎)
渇いている理由が二度読み返したが理解出来なかったのが残念でした。
もう少し心理描写が欲しかったと思いました。
14伝達員(羽那沖権八)
郵便屋さんと伝達員の違いが判らず、頭を捻ってしまいました。それなら書留にしたり
宅配便を使っても同じような気がするのは私の気のせいでしょうか?
15身貸し 時貸し 奉る(上條裕)
最後振り返った後ろに居たのは誰だったのか、少々気になるところでした。
作者の意図したところにすっかりはまっているようです。
上手にまとまっているように感じました。
16ヒモ(AD)
語り口調としては良い感じでのめり込めるタイプの小説であるとは思うが”まるいち”や”まるに”などは機種依存文字ではなかったでしょうか?
小説としてはおもしろい部類だと思うのだがネットである以上皆が読めるように工夫が欲しいところだと思う。
17ワタリ(厚篠孝介)
時代小説地味た感じは見えるのだがもう少し語尾などに気を使ってもらえたら面白いものになったかと思います。
時代背景がもう少し書き記されたものをもう一度読みたい作品でした。
18星のもと(伊勢湊)
題名と本編が少々食い違っているような気がしました。内容はまずまずといった感じで好みではあるのですが。たんたんと語られた感じは良い感じなのですが何を書きたかったのかいまいち理解出来ませんでした。
もう少し長編として読めたらおもしろかったかもしれません。
自分は小説を書かないので生意気なことかもしれませんが
ご参考にして頂けたら嬉しく思います。今後の皆さんの活躍を楽しみにしております。
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